田畑暁生 『情報社会論の展開』 北樹出版 2004

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さて、『情報社会論の展開』田畑暁生著(北樹出版)2004。

「情報社会」という概念がどのように論じられてきたか、その歴史的展開を
内容は・・・
第1章:欧米の情報社会論
第2章:日本の情報社会論
第3章:情報社会論と現代社会論
第4章:情報の反意語とは何か?
・・・の4章構成になっていて、まず欧米と日本の情報社会論の展開を概観(1章、2章)した後に、
似たような言説で論じられることの多い情報社会論と現代社会論を比較(3章)、
さらに反語を考察することから情報概念に立体的に迫ろうとしている(4章)。

情報社会論は、思い込みや誇張が目立つものも多いことについて・・・

○情報社会論を鵜呑みにするのでなく、その論理を常に再確認し、それが前提している様々なイデオロギーも含めて、批判的に検討すること(略)
たとえ多くの瑕疵や思い込み、誇張があるとしても、情報社会論は無視するにはもったいない「思考の材料」
<第2章 日本の情報社会論>

・・・と、一定の価値を置いている姿勢に興味を持った。
また、4章で迫った情報概念の多様性については・・・

○情報化、情報社会、情報時代などを素材にして対話や議論をする場合に、情報という言葉の多様性のために、
話が平行線をたどったり、不毛な対立が起きたりする例が少なくない
<第4章 情報の反意語は何か?>

・・・という著者の体験は、僕自身も情報政策に携わる中で強く感じるところだったので共感できた。
多様な情報社会論、情報概念を考える上で整理の助けになる一冊。

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2013 1/20
情報社会論
まろまろヒット率3

倉阪秀史 『政策・合意形成入門』 勁草書房 2012

渡邊義弘@カンボジアでの日々を「カンボジア道中記」にまとめました。

さて、『政策・合意形成入門』倉阪秀史著(勁草書房)2012。

政策形成と合意形成の入門書。
著者は環境庁職員として環境基本法、環境影響評価法の制定に携わり、専門家として柏市環境基本条例の制定、三番瀬円卓会議・再生会議に携わった経験があるので、
理論的背景と共に政策形成・合意形成の実例が詳しく解説されている。
特に著者の経験を活かした前半の政策形成部分は、理論と実践のバランスが良く、読んでいて説得力があった。
(前半の政策形成部分と比べると、後半の合意形成部分はやや迫力に欠けた)

中でも政策実現の二つの条件として、「引き金」と「合理性」を挙げ、それぞれ具体的事例を丁寧に解説しているところは、
松阪市情報政策担当官として取り組んでいる政策立案の現場体験をいくつか思い出した。
実務の振り返りにもなった一冊。

以下は、チェックした箇所(一部要約含む)・・・

☆制度の定義=言語、習慣、約束ごと、契約、規則、法律など、複数の個人によって相互に共有された認識基盤
<第1講 政策とは何か>

☆政策の定義=社会的な課題の解決のために制度を変えようとする活動
 (対策の定義=社会的な問題の解決のために行われる個別の行動)
<第1講 政策とは何か>

○日本の国レベルでのパブリックコメント制度は、1992年の国際環境会議(地球サミット、UNCED)が最初
<第2講 市民による政策形成・合意形成はなぜ必要なのか>

☆政策形成に市民参加が必要な理由=1:個別の状況を反映させるため、2:公共的意識を涵養するため、3:政策の正当性を確保するため
<第2講 市民による政策形成・合意形成はなぜ必要なのか>

○政策実現の2条件=
 1:引き金→アジェンダ設定
  ex.事件・事故、外圧、イニシアティヴ、イベント、判決、政策の連鎖、制度化された政策変更
 2:合理性→政策内容決定
  ex.課題適合性、技術的実現可能性、社会的受容可能性、制度的整合性、費用効率性、反作用の防止、副作用の防止
<第3講 政策をどのように作っていくのか>

○政策立案者の行動指針=
 1:時代と社会に応じた社会的課題を敏感に把握すること
 2:「引き金」を逃さずに行動すること
 3:「引き金」を作り出すように行動すること
 4:政策の合理性を確保するように努力すること
<第3講 政策をどのように作っていくのか>

○政策立案者が備えるべき能力=1:課題発見力、2:政策立案力、3:調整力
<第3講 政策をどのように作っていくのか>

○インタビューにあたっては、たとえ仮説の誤りが発見されても、仮説に執着しない
 →あくまでも現場の声を素直に受け止めることが重要
<第4講 課題発見力を養う>

○法案を作成する作業は、既存の法令に規定されたいくつかのパーツを組み合わせて、一つの新しいルールをプログラミングする作業
<第6講 どのようにして法案を作成するのか>

○やりたいことをすべて条文に書ききるのではなく、民間主体によって必要な対策が行われるように、
どの権利・義務を変更すべきか考えて、その部分を法律によって担保するという姿勢が重要
<第8講 実際に法案を作ってみる(その2)>

☆合意形成は、最終的に得られる状態が「全員の賛成」であるかどうかではなく、
プロセスの中で、社会的合意に向けて関係者の協力関係が構築されていくことがより重要
<第9講 どのように合意形成を進めていくのか>

○ファシリテイターの役割=
 1:議論の目的や議論のルールを明確にする
 2:議論に慣れていない人からもいろいろな意見が出されるようにする
 3:出された意見をまとめる作業を効率的に行う
 4:議論の成果を確認する
<第13講 参加型合意形成プロセスの運営>

○論点が対立するテーマでの議論においては、メリットとデメリットをもれなくだぶりなく整理すること自体が、議論の成果物になることもある
<第13講 参加型合意形成プロセスの運営>

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2013 1/17
政策学、合意形成論
まろまろヒット率3

ぎゅーとらの「カツ丼」


スーパーマーケット・ぎゅーとらのカツ丼をいただく。

ぎゅーとらは、伊勢市に本部があり、三重県を中心に展開しているご当地スーパー。
三重県の地産地消も積極的で、特にお総菜が有名とのこと。
そのお惣菜コーナーで常に売り上げ1位なのがこのカツ丼。
今回は、三重中京大学で担当した「地域コンテンツによる情報発信とコミュニティ創造」の元受講生からオススメを受けて購入。

食べてみると、かなり甘口の味付けが三重県らしいところ。
この甘口の味付けとボリュームから、三重県民のみなさんから愛されるのも理解できる一品。
まろまろと今日ももぐもぐ。

三重県松阪市の「三重県の総合食品スーパーマーケット ぎゅーとら」ラブリー垣鼻店にて購入。

起矢食堂の「伊勢うどん月見山かけ」


伊勢にある起矢食堂で、伊勢うどん月見とろろをいただく。

もともとフワフワ食感の伊勢うどんに卵黄と山芋のとろろを合わせると、さらにフワフワ度が上がる。
また、一週間以上熟成させるというタレが全体に統一感を持たせて、伊勢うどんらしい味わいがダイレクトに伝わってくる。

ちなみに、こちらはこの日開催した弟6回松阪ソーシャルメディア朝会(朝オフ会)に参加された方からオススメをいただいたので訪れたお店。
情報交換と交流の場としての朝オフ会の価値をあらためて感じた一杯でもある。
まろまろと今日ももぐもぐ。

三重県伊勢市の「起矢食堂」にて。

AVANTI(アヴァンティ)の「ズワイガニのグラタン」


松阪にあるAVANTIで、ズワイガニのグラタンをいただく。

食べてみると、カニの味がダイレクトに伝わって来て、とても美味しい。
これまで食べたことのあるグラタンの中で1,2を争うほどの食感の良さと味わいが感じられた。
お話によると、グラタン・ソースはベシャメル・ソースではなく、生クリームとカニの身とカニ味噌だけで作られているとのこと。
職人肌なご主人のこだわりが伝わってくる一品。

ちなみに、こちらのお店は松阪の地元に方に紹介されて連れて来ていただいた。
松阪の暖かい人情に触れたひとときでもある。
まろまろと今日ももぐもぐ。

三重県松阪市の「Ristorante AVANTI(リストランテ・アヴァンティ)」にて。

大平の「松阪牛イチボの冷製ローストビーフ」


松阪にある大平で、松阪牛イチボの冷製ローストビーフをいただく。

貴重なブランド牛の松阪牛の、さらに希少部位に当たるイチボをローストビーフにしている贅沢なおつまみで、松阪牛の特徴である霜降りがしっかりと入っている。
味の方も、冷製肉なのに脂身の口溶けが豊かで、とても美味しい。
松阪らしさが感じられる一品。

ちなみに、こちらはかつて宴家をされていた大将がお店ごと移転して開店したお店。
新しい門出にも乾杯☆
まろまろと今日ももぐもぐ。

三重県松阪市、駅前商店街ベルタウンの「三重の幸 大平」にて。

カンボジア道中記~世界遺産、パワースポットと人との出会いの旅~

2013年の初日の出と初詣をアンコールワットにお参りするため、生まれて初めてカンボジア王国に訪れる。
人生で初めての海外での年越、元旦の世界遺産を二つ(アンコール遺跡とプレアヴィヒア寺院を巡り、世界有数のパワースポットに触れる。
特に、初日の出と初詣をアンコールワットに参拝したことと、元旦にプレアヴィヒア寺院の頂上で天空と大地との一体感を感じられた経験は、大きな力を得た気持ちになった。

パワースポットや観光地に加えて、地元の方々と交流させていただく機会を得られたことも大きな経験となった。
特に、カンボジアの村に訪問して村の宴会に参加して地元の方々と語り合い、村の子供たちと遊んで交流する機会をいただいたことは貴重な機会となった。
また、日本語学校で教壇に立って講義する機会にも恵まれた。
講義の内容は、日本地図を使ってヒントを出しながら松阪市の場所を探すワークショップから初めて、
「松阪」は「まつ”さ”か」(not まつ”ざ”か)と発音することや、松阪牛の定義を説明しながら、
日本製品が信頼性が高いのは、ブランドを守る品質管理にあることを解説。
最後は、カンボジアと松阪・日本とのかけ橋になっていきましょうと約束し合えた貴重な機会となった。

カンボジアで出会った多くの方々と接する中で、ご縁の不思議さとありがたさを思い起こさせられた。
偶然は最高の仲介者ハプニングと仲良くする、と常日頃より思っていたけれど、今回の渡航ほどそのことを痛感した旅は無かった。
海外体験記を振り返ると海外渡航は10年ぶり。そのブランクを一気に埋める充実感のある道中となった。
道中でご縁をいただいて出会い、お世話になった方々に感謝したい。
詳細な写真集はFacebookの「カンボジア道中記」で公開。

以下は主な行程とまろまろ記コンテンツのまとめ・・・

○12月31日:関空→ホーチミン乗換え→17時半にシェムリアップ着→友人現地合流してアプサラ鑑賞→パブストリートでカウントダウン

○1月1日:カウントダウン終了後ホテルで現地ツアー予約と仮眠→5時にホテルを出発して世界遺産・アンコール遺跡群の一つ、アンコールワットで初日の出&初詣→7時に現地ツアーに参加→2013年初朝ごはんをクイティウ→4時間半かけて世界遺産・プレアヴィヒアへ→聖なる泉でランチ→頂上で天地と一体となるジャンプ→シェムリアップへ戻る途中で綺麗な星空を観る→ツアー解散後、パブストリートで友人と合流して2013年初晩ごはん→ナイトマーケットで買い物
 ・『アンコールワット』(名所旧跡)
 ・LY LY Restaurantの「クイティウ」
 ・世界遺産・プレアヴィヒア寺院で食べた「バケットサンド」
 ・『プレアヴィヒア寺院』(名所旧跡)
 ・Khmer Kitchen Restaurantの「豆のオムレツ」

○1月2日:前日知り合った知人と一緒に現地ツアーでベンメリア→ガイドさんの実家の村に訪問、親戚のみなさんと御座を敷いて宴会、子供たちと遊ぶ、とても綺麗な星空で流れる星々に願いをかける
 ・『ベンメリア』(名所旧跡)
 ・RUN DUOL ANGKOR IIの「焼きそば」
 ・The Blue Pumpkinの「4 spices icecream」
 ・コックターノット村の宴会でいただいた「お米のお酒とおつまみ」

○1月3日:現地ツアーでタ・プローム→アンコールトム→気球→アンコールワット
 ・Angkor Home Hotelの「朝食バイキング」
 ・『タプローム』(名所旧跡)
 ・『アンコールトム』(名所旧跡)

○1月4日:日本語学校での講義→オールドマーケットでお土産購入→日本資本のマッサージ店で3時間の施術→ラッフルズのアフタヌーンティ→戦争博物館→トレンサップ湖の夕暮れ→シェムリアップ空港→ハノイ空港
 ・Raffles Grand Hotel d’Angkorの「Khmer Afternoontea」

(○1月5日:ハノイ空港→関空)

2012 12/31~2013 1/4
出来事メモ、海外体験記


Raffles Grand Hotel d’Angkorの「クメール・アフタヌーンティ」


カンボジアのシェムリアップにあるRaffles Grand Hotel d’Angkorで、クメール・アフタヌーンティ(khmer Afternoontea)をいただく。

Raffles Hotelと言えばアフタヌーンティ(ハイティー)が名物。
オーソドックスなWesternなども用意されていただけど、せっかくカンボジアまで来たのでKhmer(クメール)を選択。
地元のフルーツ、カンボジアの伝統菓子、焼き鳥・天ぷらの三つの組み合わせが一つのお盆に盛られていて、見た目からしてエスニック。
味の方は、焼き鳥・天ぷら>カンボジアの伝統菓子>>地元のフルーツの順番で美味しく感じられた。

フランス植民地(フランス領インドシナ)時代の1932年に建設された歴史ある建物の中でいただけるのも魅力のアフタヌーンティ。
まろまろと今日ももぐもぐ。

カンボジア王国シェムリアップ市の「Raffles Grand Hotel d’Angkor(ラッフルズ・グランド・ホテル・ダ・アンコール)」内ラウンジにて。

『アンコールトム』(名所旧跡)

カンボジアにある世界遺産・アンコール遺跡の象徴的存在。

同じく象徴的存在のアンコールワットと同じく、外側からも内側からもどの角度からも絵になる素晴らしい構造。
アンコール遺跡はどれも当時最先端だった建築学と天文学が結集された遺跡で、特に太陽光の取り入れ方が力強い。
パワースポットとしての存在感を強く感じられる遺跡。

2013 1/3
もろもろ鑑賞、名所旧跡
まろまろヒット率4

『タプローム』(名所旧跡)

カンボジアにある世界遺産・アンコール遺跡の一つ。
ガジュマルの根が食い込んだ遺跡が有名で、根が遺跡を破壊しているのか支えているのか議論が分かれている。
このタプローム遺跡の回廊にある崩壊した石造が落ちそうで落ちない、手が届きそうで届かない場所は、世界各地の聖地やパワースポットに共通した境界線上の絶妙なバランスを感じて印象深い。

2013 1/3
もろもろ鑑賞、名所旧跡
まろまろヒット率4