浅倉秋成 『六人の嘘つきな大学生』 KADOKAWA 2023

人気企業の新卒採用を受けた六人の大学生は、最終選考として、この中なから1名を選出するグループワークをすることになる。
そこに、全員の過去を告発する封筒が見つかった…

新卒一括採用の白々しさと、誰もが持つ仮面を暴露しながら、どんでん返しと複数の伏線回収が印象的な一冊。

ミステリー小説として、構成がよく練られていることに加えて、自分自身の新卒時の就職活動の時のこと (『就職エッセイ』) や、採用を担った時のことが思い出されて、当事者の緊張感や迫真的な場面が共感できた。
また、複数ある伏線回収の中では、p. 324の伏線回収が一番印象に残った。
何年も意識していた、自分の告発の中身が、最後へのつながりとなり、昇華する流れは、一種の様式美のように思えた。

ミステリー小説としても、就職活動を振り返る機会としても、心にあるわだかまりの昇華としても、様々な視点で読める一冊。

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2025 2/2
ミステリー小説、就職活動
まろまろヒット率4

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