読書アワード:『容疑者Xの献身』 (東野圭吾)
→『葉桜の季節に君を想うということ』 (歌野晶午) とも迷ったけれど、設定の面白さ、謎解きの意外さ、そして切ない読後感が素晴らしい。
もともとは、作者がよく通っていた喫茶店に置いてあった本を借りて読んだという出会いも思い出深い一冊。
出来事アワード:「お菓子の切れはしのような人でありたい」と思ったこと。
→出身地の大阪で、自分を振り返り、理想とする自分の姿を思い浮かべることができた出来事。
2022 12/31
まろまろアワード
読書アワード:『容疑者Xの献身』 (東野圭吾)
→『葉桜の季節に君を想うということ』 (歌野晶午) とも迷ったけれど、設定の面白さ、謎解きの意外さ、そして切ない読後感が素晴らしい。
もともとは、作者がよく通っていた喫茶店に置いてあった本を借りて読んだという出会いも思い出深い一冊。
出来事アワード:「お菓子の切れはしのような人でありたい」と思ったこと。
→出身地の大阪で、自分を振り返り、理想とする自分の姿を思い浮かべることができた出来事。
2022 12/31
まろまろアワード
「何でもやってやろう屋」を自称して様々な仕事を掛け持ちする主人公は、線路への飛び込み自殺を図った女性を助ける。
同時期に、元探偵である経験を買われて、家族の不審死と霊感商法との関連性を調査するよう友人から依頼される。
…「伏線回収もの」が読みたくて手に取った一冊。
読んでみると、確かに伏線回収は秀逸で、散りばめられたepisodeや現在と過去の事件が最後に一本化されていくのは、感銘を受けた。
特に、謎解きが終わってから表題の意味が分かる、いわゆる「タイトル回収」は、これまで読んだ中でも指折りだと感じた。
(「タイトル回収」ものが好き)
上品な表題の割には、出だしからキツめの描写に食傷気味になってしまうなど、この本のすべてが好みだった訳ではない。
ただ、下品な描写でも強調される「何でもやってやろう屋」な主人公の姿勢は、現在47歳の自分には刺さるものがあった。
自分を見つめる時に、これから先もきっとこの本のことを思い出すだろうと感じる。
そうした読後感から、まろまろヒット率5を付けるミステリー小説&恋愛小説。
2022 12/11
ミステリー小説、恋愛小説
まろまろヒット率5
親友の恋人のことを好きな自分がいる世界がある。
一方で、その恋人と自分が一緒に暮らしている世界が同時にある。
この2つのパラレルワールド (平行世界) をつなげる記憶をたよりに、主人公は謎を解いていく…
伏線回収ものが読みたくなって友人からオススメされて読んでみた。
途中まどろっこしいところもあったけれど、最後の台詞が切ない読後感を覚えた一冊。
2022 11/30
ミステリー小説
まろまろヒット率3
山奥にある「いやしの村」。
そこは人から裏切られて傷ついた人たちが癒やしを求めて集っている。
一方で、その村は人を呪い殺す呪術の村という噂がある。
ルポライターは、潜入取材を試みる…
「どんでん返し」ものが読みたくて手に取ったミステリー小説。
謎解き自体はそれほど感銘を受けることはなく、また読後感も印象には残らなかった一冊。
2022 11/13
ミステリー小説
まろまろヒット率2
連続殺人を繰り返す、通称「ハサミ男」は、次の犠牲者候補が自分と同じ手口で殺害されていた遺体を発見する。
あくまでも第一発見者として捜査からは疑われないようにしながら、「ハサミ男」は、この自分と手口を使った殺人犯を調査していく…
「どんでん返し」ものとしてオススメされていたので、手に取ったミステリー小説。
読んでみると、猟奇殺人犯を主役にするサイコミステリー (サイコスリラー) ものとしては、かなり面白い。
主役の心理描写がややまどろっこしいところもあるけれど、クライマックスは驚かされた。
また、静かな描写なのにゾッとする終わり方が印象的な一冊。
2022 11/11
ミステリー小説、サイコスリラー
まろまろヒット率4
16世紀半ばのパリ。
宗教改革で揺れる学生街、カルチェ・ラタン (Quartier latin) を舞台に、夜警隊長ドニ・クルパンは、マギステル (Magister) と仰ぐ元家庭教師のミシェルと共に難事件に挑む…
ドニ・クルパンによる回想録という形式で書かれた歴史ミステリー小説。
これまでも、著者の作品は『王妃の離婚』、『カエサルを撃て』、『小説フランス革命』などを読んできた中で、西洋歴史小説かつミステリー小説が読みたくなって手に取った一冊。
読んでみると、形式から分かるように、シャーロック・ホームズ・シリーズのパロディになっているいることや、同時代の歴史人物を登場させているのが、歴史好きな自分には読んでいて楽しかった。
(ノートルダムのカジモドや、イナゴ・デ・ロヨラ、フランシスコ・ザビエル、ジャン・カルヴァン、レオナルド・ダ・ヴィンチなどが登場)
ただ、これまでの著者の作品と同じく、下品さを強調した表現がよい気持ちにならなかった上に、ミステリー (謎とき) としては、特に面白さを感じなかった。
とはいえ、16世紀のカルチェ・ラタンの様子が活き活きと描かれているところは読んでいて楽しかった。
また、神学を題材にしているので、「神とは何か」という問いを考えせられることや、回想録の筆者のクルパンの成長に共感する結末が印象的な作品。
2022 11/6
歴史小説
まろまろヒット率4
1980年代後半、静岡に住む地味な大学生は、初めて恋人ができる。
大学生は社会人となり、勤務先と東京と彼女のいる静岡との遠距離恋愛を続けるが、少しずつ心がすれ違っていく…
読んでみると、最初はよくある恋愛小説だけど、最後まで読むとミステリー小説として書かれたことが分かる。
自分は「どんでん返し」の話が好きなことに最近気づき、「どんでん返し」ものの本としてオススメされていたのを見て手に取ってみた。
1980年代後半のTVドラマや歌などの時代設定を活かして伏線が散りばめられていて、読み終わった時はそう来たかとなる一冊。
2022 10/29
恋愛小説、ミステリー小説
まろまろヒット率3
十角形の館がある島に、ミステリー研究会に所属する大学生のグループが訪れた。
殺人事件が発生する島と対岸の本土で物語が同時に進んでいく…
「どんでん返し」ものが読みたくて手に取ったミステリー小説。
読んでみると、この本を有名にしている、一行 (一言の台詞) で謎解きができる箇所には、それほど驚きはしなかった。
ただ、ミステリー小説好きの著者がミステリー小説好きな読者に向けて書いたということが、ところどころで表現されているのが興味深かった。
いわゆるミステリー小説の愛好家 (オタク) が読むとさらに面白さを感じるのだろうと思った一冊。
2022 10/15
ミステリー小説
まろまろヒット率3
小学5年生の少年は、母の葬儀に立ち会う。
その直後に同級生の母の自殺や、同級生の自殺未遂など、少年のまわりでは次々に不幸な出来事が起きる。
少年は、真相を追求しながら成長していく…
「どんでん返し」が読みたくて、『十角館の殺人』 (綾辻行人) に続いて手に取った一冊。
目的の、「どんでん返し」を読むという意味では、それほど驚かなかったけど、最後の少年の成長には感じるものがあった。
2022 10/18
ミステリー小説
まろまろヒット率3
1973年、大阪の廃墟ビルで殺人が起こった。
容疑者の娘と被害者の息子には奇妙な接点があった。
…19年間に渡る二人の接点を追いかけるミステリー小説。
読んでみると、主要人物である二人の心理描写は無く、同じ手法の小説として『火車』 (宮部みゆき) を思い出した。
「ミステリー=謎解き」としては、釈然としないものが残るものの、大阪から東京に渡る舞台の移り変わりと、19年間に渡る時間の変遷が印象に残った。
ちなみに、この本は東野圭吾が学生時代に通っていた喫茶店に置いてあるものをお借りして、
大阪、石垣島、波照間島、西表島、嘉弥真島、浜島と持ち歩いて読んだ。
その点でも想い出深い一冊。
2022 10/5
ミステリー小説
まろまろヒット率3