杉本苑子 『風の群像―小説・足利尊氏』 講談社文庫 上下巻 2000

ペットが飼えない一人暮らしなので野良猫の手懐け方を教わっている、まろまろ@目下まふまふ練習中です。

さて、『風の群像―小説・足利尊氏』杉本苑子著(講談社文庫)上下巻2000。

室町幕府を開いた足利尊氏の生涯をえがいた歴史小説。
足利尊氏が生きた南北朝時代は、僕にとって関心の高い時代の一つだ。
権威が崩れ、悪党などの異形の新勢力が台頭し、婆娑羅文化に代表される闊達な文化が生まれた興味深い時代。
そんな南北朝時代だけど、この時代を取り上げた物語は南朝側の視点に立つものが多い。
特に足利尊氏に関しては南北朝時代の主役の一人なのに、物語に取り上げられることが少ない。
たとえば歴代の武家政権を開いた源頼朝(鎌倉幕府)、足利尊氏(室町幕府)、徳川家康(江戸幕府)の三人の中でも、
足利尊氏は一番マイナーな存在になっている。
・・・っと思っていたら足利尊氏を取り上げた歴史小説を発見したので手に取った一冊。

この本を読む前の足利尊氏に対しては「とても複雑でとらえどころのない人物」という印象を持っていた。
器量が大きくて大盤振る舞いな一方、とても小心で精神的に不安定だというイメージがあったが、
読んでみるとこの小説でもそのイメージそのままになっていた(w

中でも観応の擾乱での迷走ぶりと立ち回りの醜さは、読んでいて気持ちが悪くなるほど良く表現できていた。
「これでよく天下取れたな」という印象が、この小説でも生々しくえがかれている。
また、この小説では弟の足利義直の評価が高く、加えて『太平記』ではいつも悪役にされる高師直がカッコ良くえがかれているのが好感が持てた。

足利尊氏が物語の主役になりにくいのは、やはり歴史的な評価が戦前と戦後で揺らいだということだけでなく、
この複雑怪奇な性格(一説には精神疾患説がある)から来ているんだろうとあらためて感じた一冊。

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2006 10/6
歴史、小説
まろまろヒット率3
歴史

ロバート・スコーブル+シェル・イスラエル、酒井泰介訳 『ブログスフィア アメリカ企業を変えた100人のブロガーたち』 日経BP 2006

携帯電話が水没扱いになってしまったのでナンバーポータビリティ開始前に機種変更してしまった(SH901ic→SH902i)、
まろまろ@まだ携帯カメラの撮影に慣れていないけどごはん日記のコンテンツ創りしてます。

さて、『ブログスフィア アメリカ企業を変えた100人のブロガーたち』
ロバート・スコーブル+シェル・イスラエル著、酒井泰介訳(日経BP)2006。

マイクロソフト社のブロガーとして有名になった著者によるブログ本。
企業ブログやブログを使ったPR、キャンペーンの事例を紹介しながら現在の状況を説明しつつ、ブログのあるべき姿を模索する一冊。
BlogSphere(ブログスフィア、ブログ界)を無視して失敗した事例や、逆にブログを利用して失敗した事例も載っているのが面白い。
原題は“Naked Conversations: How Blogs Are Changing the Way Businesses Talk With Customers”

この本の根底には勧誘電話やダイレクトメールのような土足マーケティングや、CMや広報のようなマス広告への不信がある。
こうした不信を前提にして、双方向性が高く、生の声に近いところからブログによる情報発信は企業活動でも有効だとこの本は主張する。
もちろん他国の事例を紹介する第8章で著者自身も書いているように、情報発信については文化の差が激しいので、
読んでいて同意できない点や馴染まないと思われる点もあったけれど、この本の前提や方法論にはヒントを感じた。

以下はチェックした箇所(一部要約)・・・

○革命的な変化というものはたいてい、ひっそりと忍び寄ってくる
→革命を予言するのは得てして難しいが、革命を無視するのは、たいてい不幸な結果を招く
<第2章 ブログはすべてを変えるか>

○ブログの6本柱
1:公開性がある、2:見つけやすい、3:社会性がある、4:感染性がある、5:シンジケート性(配信性)がある、6:リンクできる
<第2章 ブログはすべてを変えるか>

☆どんな広告やマーケティング・キャンペーンも、友人ほど大きな影響は持ち得ない
→口コミに何より勢いをつけるのは、自分が信頼する人々に対するロイヤリティ(忠誠心)である
<第3章 極め付きの口コミ>

○成功の5つのヒント
1:語れ、売り込むな、2:頻繁に投稿し、面白いものを書け、3:興味のあることについて書け、4:ブログは費用の節約になるが時間がかかる、5:人の話に耳を傾けよ
<第5章 無限のリーチ>

○ブログは管理できないから信用があり、事実に基づいているから持続性があり、会社の製品やサービスについてのコメントに基づいているからパワフルだ
<第7章 PR>

☆リビングルーム・ルール
私の家に招いた客が私や他の客に失礼な振る舞いをしたら、もっと礼儀正しくしてもらうように頼む
→それを聞かなければ帰ってもらう
→ブログも同じ
<第11章 ブログをより良くするには?>

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2006 10/1
情報・メディア、HP・ブログ本、マーケティング本
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塩野七生 『ローマ人の物語24,25,26 賢帝の世紀』 新潮社 上中下巻 2006

ここしばらくのお仕事だった大阪出張を無事終えて帰ってきた、まろまろです。

さて、『ローマ人の物語24,25,26 賢帝の世紀』塩野七生著(新潮文庫)上中下巻2006。

古代ローマの最盛期に当たる「賢帝の世紀」、高校の世界史では「五賢帝時代」として習う時期を取り上げるシリーズ第9段。
一般に五賢帝とは、ネルヴァ、トライアヌス、ハドリアヌス、アントニヌス・ピウス、マルクス・アウレリウス・アントニヌスの5人だけど、
ローマ帝国の最大版図を実現して、「至高の皇帝」(Optimus Princeps)と呼ばれたハドリアヌス、
帝国の再構築をおこない、「ローマの平和と帝国の永遠」(Pax romana et Aeternitas imperii)と呼ばれたトライアヌス、
寛容とバランス感覚で帝国の維持をおこない、「秩序の支配する平穏」(Tranquilitas ordinis)と呼ばれたアントニヌス・ピウス、
の三人の皇帝を取り上げている。

古代ローマ最盛期の物語を楽しみに読んでみると・・・これまでのシリーズの中でも一番印象が薄かった(>_< )
著者がこれまでたたき台にしてきたタキトゥスの文献が無いことや、資料がとぼしい点などの理由もあるけれど、
大きな戦争もゴシップもなく、「ニュースになりにくい」(著者談)という時代だったのも確かに大きな理由かもしれない。
後世の人だけでなく、同時代のローマ人からも「Saeculum Aureum(黄金の世紀)」と呼ばれた時代だけに、
もっと具体的にイメージできるものであってほしかったと思った。

そんな中でもこの本の本題である「なぜ彼らは賢帝と呼ばれたのか?」という疑問については、
著者が好きなマキアヴェッリが定義したリーダーの条件を引用して、
「力量・幸運・時代への適合性の三つがそろっていた」としているのには妙に納得した。

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2006 9/21
歴史、政治
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追記:全巻へのリンク(☆は特に印象深い巻)・・・

『ローマ人の物語1,2 ローマは一日にして成らず』

『ローマ人の物語3,4,5 ハンニバル戦記』

『ローマ人の物語6,7 勝者の混迷』

『ローマ人の物語8,9,10 ユリウス・カエサル~ルビコン以前~』

『ローマ人の物語11,12,13 ユリウス・カエサル~ルビコン以後~』

『ローマ人の物語14,15,16 パクス・ロマーナ』

『ローマ人の物語17,18,19,20 悪名高き皇帝たち』

『ローマ人の物語21,22,23 危機と克服』

『ローマ人の物語24,25,26 賢帝の世紀』

『ローマ人の物語27,28 すべての道はローマに通ず』

『ローマ人の物語29,30,31 終わりの始まり』

『ローマ人の物語32,33,34 迷走する帝国』

『ローマ人の物語35,36,37 最後の努力』

『ローマ人の物語38,39,40 キリストの勝利』

『ローマ人の物語41,42,43 ローマ世界の終焉』

『塩野七生「ローマ人の物語」スペシャル・ガイドブック』

市川安夫 『イラスト解説 和食・洋食・中国料理のよくわかるテーブルマナーBOOK』 旭屋出版 2002

最近、出会った人からごはん日記の話題を振られる機会が多くて、
人間の三大欲求(食欲・性欲・睡眠欲)には知識欲は入らないんだと実感する、まろまろ@でも読書日記は続けます(^^;

さて、『イラスト解説 和食・洋食・中国料理のよくわかるテーブルマナーBOOK』市川安夫著(旭屋出版)2002。

近頃はいろいろな話の流れで会食にお呼ばれする機会が増えてきた。
もともと食事のマナーなんてものはこれまで変化してきたものだし、これからも変化していくものだから、
いちいちマナーを追いかけるのは疑問を感じていた。
でも、最近になって僕から見ても不快になるような食べ方をする人を垣間見ることがあったので、
もしや僕も気づかないうちにそうなっているのではと思い、一通りのことは知ろうと手に取ったマナー本。
(人のフリみて我がフリなおせですな)

和洋中についてのマナーを書いたこの本を通読してみると、あらためて気づく点がいくつかあった。
たとえば「殻や食べ残した物を綺麗にまとめておくのはマナーの重要なポイント」というのはよくわかるし、
「政治、宗教、思想は食事の席で避けた方が良い話題」というのもよく理解できる。
(たぶん年収と年齢の話も同じだろう)

他にも「香の物のたくわんは、最後にごはん粒を綺麗に取るために残す」というのは意外に思ったし、
中には「茶碗蒸しは箸で中身をかき混ぜてから具を食べる」というのに驚いたりもした。
確かに具を食べるものだからわからなくはないけれど・・・

これはこうしたマナー本に共通したことだけど、何を根拠にそう言っているのか?が疑問に思うこともあった。
できれば参考文献一覧や引用元を書いていてほしかった。

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2006 9/11
グルメ、実用書
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津本陽 『秀吉私記』 角川書店 1996

最近「ロングテール」という言葉をよく耳にするけど、僕の存在自体がロングテールのような気がしてきた、まろまろです(^^;

さて、『秀吉私記』津本陽著(角川書店)1996。

草履取りから天下人まで登りつめた日本史上最大の出世頭、豊臣秀吉の人生とそのスタイルを紹介する人物伝。
「私記」と銘打っているので、独自の視点で豊臣秀吉を切ってくれると期待したのに、ごくごく一般的な秀吉論に終始していた。
かといって詳細な伝記をするほどの分量は無い・・・
何が目的なのかいまいちよくわからない本だった。

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2006 8/22
歴史
まろまろヒット率2

中江克己 『毛利元就の人間学―家康が学んだ遅咲きの人生』 ぴいぷる社 1997

最近朝オフを開催している、まろまろ@朝だとダレないし前向きな人が多いし一石二鳥です(^_^)v

さて、『毛利元就の人間学―家康が学んだ遅咲きの人生』中江克己著(ぴいぷる社)1997。

戦国時代を代表する戦国大名の一人、毛利元就の人生とそのエピソードを取り上げた一冊。
毛利元就といえば手練手管の権謀術数で他家乗っ取りや謀略などを繰り返した人物だけど、
陰湿なイメージよりも、「三本の矢」伝説にあるように結束を重視したり人間的な深みのあるエピソードが多い人物でもある。
また、戦国時代屈指の知略を駆使した人物なのに、特定の軍師・参謀役がいなかったという不思議なところがある。

そんな彼の人生を見てみると、次男ということもあって20代後半で小領主としての家督を継ぎ、
大内家と尼子家の二代勢力に挟まれながら一国の主となったのはようやく50代半ばと、確かに遅咲きだ。
彼の特徴である平衡感覚や自己管理能力の高さはこの遅咲きな点にあったのかもしれないと感じた。

中でも最近は「人間の差をわけるのは自己管理能力の上下じゃないか?」と朝オフを通じて感じていたので、
「一日の計は寅の刻にあり」ということを続けていた彼の自己管理能力の高さに注目した。
ただ、徳川家康と同じ年まで生きた長寿だけど、副題にあるように本当に徳川家康が毛利元就を参考にしたかどうかはちょっと疑わしい。

ちなみに僕は昔から(中学生くらいの頃から?)毛利元就に漠然と親近感を感じていた。
だいぶ後になってある日本史占いで幼年期:桂小五郎、青年期:毛利元就、老年期:伊藤博文と出たこともある。
・・・僕も遅咲きの運勢なのか(>_<)

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2006 8/17
歴史
まろまろヒット率3

寺山修司 『ポケットに名言を』 角川文庫 改版2005(初版1977)

まろまろ@携帯ストラップ型クリーナー「まろうさフキフキちゃん」が完成しました(^_^)v

さて、『ポケットに名言を』寺山修司著(角川文庫)改版2005(初版1977)。

劇作家・演出家・劇団主宰・俳人・歌人・詩人・映画監督・競馬評論家・・・とさまざまな顔を持ち、
自分自身は「職業、寺山修司」と名乗っていた著者による名言集。
まず各項目のテーマにそった自分のノートを添えてから、著者が選び出した名言を紹介している。
最後の項目では自分自身の作品の中から名言を選び出しているのが面白い。

ちなみにこの本では名言の定義を・・・
1.呪文呪語の類
2.複製されたことば、すなわち引用可能な他人の経験
3.行為の句読点として用いられるもの
4.無意識世界への配達人
5.価値および理性の相対化を保証する証文
6.スケープゴートとしての言語
・・・としている(「改訂新版のためのあとがき」より)。
僕は名言を1~3の意味で使うことが多い。
後半部分は著者の味だろうか。

以下はチェックした箇所(気になった順)・・・

☆狭き門より入れ。滅びにいたる門は大きく、その路は広く、これより入る者は多し。
生命にいたる門は狭く、その路は細く、これを見出すものは少なし。
「新約聖書」マタイ伝

☆ユートピアとは、贋物の一つもない社会をいう。
あるいは真実の一つとない社会でもいい。
トマス・モア「ユートピア」

☆真理は「時」の娘であり、権威の娘ではない。
フランシス・ベーコン

☆政治を軽蔑するものは、軽蔑すべき政治しか持つことが出来ない。
トーマス・マン「魔の山」

○他人からもらった快楽というものは、約束しただけものをけっして支払ったことがないのに反し、
行動することの快楽は、必ず約束したものより以上のものを支払う。
アラン「幸福論」

○もっとも大きな快楽は、他人を楽しませることである。
ラ・ブリュイエール「人さまざま」

○消耗することが、一般的に犯罪的なのではなく、いわゆる”消耗”から立ち還る過程で何を捉えるかが問題なのである。
奥浩平「青春の墓標」

○精神を凌駕することのできるのは習慣という怪物だけなのだ。
三島由紀夫「美徳のよろめき」

○花に嵐のたとえもあるさ
さよならだけが人生だ
井伏鱒二「厄除け詩集」

○人の一生には焔の時と灰の時がある。
アンドレ・レニエ「半ばの真実」

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2006 8/7
名言集
まろまろヒット率3

吉田正高 『二次元美少女論―オタクの女神創造史』 二見書房 2004

夏期集中講座の講師のお仕事で山梨県に来ている、まろまろ@山梨のごはん日記やぷかぷかお風呂日記を更新予定です(^_^)v
(講義題目:「情報検索のための情報発信論~インターネット情報の特性とその対応~」)

さて、『二次元美少女論―オタクの女神創造史』吉田正高著(二見書房)2004。

アニメ、ゲームなどに登場する二次元美少女の進化をたどることで、コンテンツ文化史を模索する一冊。
二次元美少女の魅力を支えてきた特有のキャラクター属性、「甲胄・パワードスーツ・触手」、「メカ美少女」、「美少女パイロット」、
「格闘美少女」、「ヴァーチャル・アイドル」、「ゲーセンの美少女」を取り上げながらそれぞれの歴史や変遷を考察している。

読んでみると・・・とても濃い(^^;
個々の事例に対する著者の思い入れと自分の思い出が重なって、目頭があつくなることもあったほど(w

特にアイドルものに共通して見られる華やかさの裏にある「暗い過去」や「影の苦労」という要素は、
努力して這い上がっていくスポ根ドラマの主人公と同じスタンスだとしている点には納得できた。
また、受容者が限定的なメカ美少女については、商業主義から一歩離れた同人誌界がその成熟の温床となったという点は、
個人によるWeb上での表現(メディア表現)の役割や可能性と同じものを感じて興味深かった。

ただ、この本の目的である「二次元美少女表現の基盤であるキャラクター属性の正史構築」(まえがき)として読めば、
議論したいときの土台となる材料や根拠の提供が十分になされてない箇所があったり、考察課程が不明確な部分もあるので、
結果的に著者の印象論という側面が強くなってしまっているように思えた。
しかし、この本はあくまで「30項目ある中の6項目」と著者自身も述べているように、これからの続編に期待したい。

ちなみに僕は東京大学コンテンツ創造科学の関係で著者と会う機会も多い。
コンテンツ創造科学に入る前にも、一度遠くから見たことがあったが、いかにもなオーラを感じたのをよくおぼえている。
そんな人柄がつたわってくる一冊。

以下、チェックした箇所・・・

○美少女を学べば、戦後日本文化の特質が理解できる
<まえがき>

○修理再生が可能であるというメカの特質が、死のイメージからの遊離をもたらし、
パロディやギャグへの傾倒という流れをつくりだしたことは重要
<第2章 メカ美少女>

○同人誌を中心としたアングラ文化圏においては、商業主義から一歩距離をとるというスタンスにより、
受容者が限定されることも厭わない環境が成立していたこともあって、デザインとしてのメカ美少女熟成の温床となった
<第2章 メカ美少女>

○根底にある「格闘」の部分がしっかりしていなければ、「格闘美少女」というカテゴリー自体が衰退するわけだが、
「格闘」にこだわり過ぎると、せっかくの「美少女」性やその背景にあるはずのエロスが失われ、
単なる勝負事の世界=スポーツに戻ってしまい、これまで育ててきた美少女文化としての創造性が失われてしまう
<第4章 格闘美少女>

○「競争し、這い上がり、その地位を死守するために尽力する」アイドルという存在自体が、ひと昔前のスポ根ドラマの主人公そのもの
→アイドルの存在基盤に横たわる「影の努力」という呪縛は、
後々までアイドルを主体とした作品のドラマツルギーが、暗い闇の部分を抱え続ける要因ともなっていく
<第5章 ヴァーチャル・アイドル>

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2006 7/31
文化論
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斎藤茂太 『いい言葉は、いい人生をつくる―いつも私は「言葉の力」を味方にしてきた』 成美堂出版 2005

まろまろ@縁日で的屋さんプレイしてきました。

さて、『いい言葉は、いい人生をつくる―いつも私は「言葉の力」を味方にしてきた』斎藤茂太著(成美堂出版)2005。
精神科医でエッセイストの著者が選び出した名言集。
何よりもまずタイトルに共感したので読んでみた一冊。

読んでみるとそれぞれの名言の意味や背景を紹介するというより、
著者のエッセイ的な話に名言がそえられているという感じになっている。
(話と名言との関連がいまいちわからないところもある)

タイトルと同じく柔らかでプラス思考な著者の趣向は共感できたけど、
もともとめぐまれた環境にある上に(父は歌人・精神科医の斎藤茂吉、弟は作家・精神科医の北杜夫)、
さらに豪華客船での旅行話が多かったりと、鼻につくような点や年寄りの小言としか思えない箇所もあった。

以下はチェックした箇所・・・

○休息とは回復であり、何もしないことではない。
-ダニエル・W・ジョンソン

○運命はわれわれに幸福も不幸も与えない。
ただその素材と種子を提供するだけだ。
-モンテーニュ

○怠け者だったら、友だちをつくれ。
友だちがなければ、怠けるな。
-サミュエル・ジョンソン

○トラブルが解決できなかった時は、「解決不能」を答えに次へ進もう。
-著者

○悪いできごとは、最悪を避けさせるシグナルなんだよ。
-著者

○何でもないところで転んだ人は、難所で転ばなくなるものさ。
-著者

○過ぎてかえらぬ不幸を悔やむのは、さらに不幸を招く近道だ。
-シェイクスピア

○熱狂できないということは、凡庸のしるしだ。
-バルザック

○この地上に安全などというものはない。チャンスがあるだけだ。
-ダグラス・マッカーサー

○事を遂げる者は愚直でなければならぬ。
-勝海舟

○海のほか何も見えないときに、陸地がないと考えるのは、決してすぐれた探検家ではない。
-フランシス・ベーコン

○人生でいちばん大切なのは、自分にとって心地よさを感じること。
-ヨー・ヨー・マ

○知らないことを聞ける人を増やすのが、財産を増やすこと。
-著者

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2006 7/20
名言集
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マツモトケイジ 『30日間マクドナルド生活―自分の体で実験してみました』 祥伝社 2006

「金色麿生」をまろまろ用語集にアップした、まろまろ@たまに使うペンネームです(^_^)v

さて、『30日間マクドナルド生活―自分の体で実験してみました』マツモトケイジ著(祥伝社)2006。

表題の「30日間マクドナルド生活」に加えて「30日間カップ麺生活」、「30日間避難訓練生活」の三本立ての企画もの。
書き下ろしの「30日間避難訓練生活」意外はネットで公開したものを書籍化したもので、
特に「30日間マクドナルド生活」は話題になった映画『スーパーサイズ・ミー』の日本版として以前僕も読んだとがあった。

書籍版を手に取ってみると・・・レイアウトの問題か、Webで呼んだ時の迫力がない。
Webで読んでいた時のわくわくどきどきしたものがあまり感じられなかった。
書き下ろしの「30日間 避難訓練生活」もそれなりに興味深かったけど、
このスタイルはWebで読んだ方が面白く感じたんだろうなと思えてしまった。

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2006 7/6
グルメ本、ブログ・HP本
まろまろヒット率2