塩野七生 『ローマ人の物語11,12,13 ユリウス・カエサル~ルビコン以後~』 新潮社 上中下巻 2004

ひょんなことから秋葉原関係の仕事を振られた、らぶナベ@駅前によく出没しています。

さて、『ローマ人の物語11,12,13 ユリウス・カエサル~ルビコン以後~』上中下巻
塩野七生著(新潮文庫)2004年初版。

『ルビコン以前』に続く「ローマ人の物語」シリーズ第5段。
カエサルがルビコン川を渡ってからの元老院派との内戦、
オリエント諸国との戦い、数々の改革、そして暗殺で倒れるまでと、
その後の後継者争いでオクタヴィアヌス(アクグストゥス)が勝利するまでをえがいている。

意外だったのはカエサルはポンペイウスとの決戦「ファルサルスの戦い」で
倍以上の兵力差の相手に対して1/4を予備兵力で残して戦って勝ち、
さらに追撃戦までやったということには少し不思議な気がした。
訓度の違いはあるけど、ほとんど同じローマ兵で編成も同じだったのに
そんなことが実現可能だったんだろうかと少し首をかしげてしまった。
ここらへんが同時代のハンニバルや大スキピオのようには
戦略戦術論の教科書にはならなかったカエサルの戦いの特徴っぽくて面白かった。

また、著者が「こうも戦闘ばかり書いているとわかったような気がするが」
という前置き付きで「戦術とは要するに、まわりこんで敵を包囲することを、
どのやり方で実現するか、につきるのではないか」と述べているのには思わず納得。
戦史上、重要な戦いを見てみると確かに「この包囲戦法のみが、
敵の主戦力の早期の非戦力化につながるからである」という気がしてくる。

そんな風に引っかかりもありながら読み終えてみると、
ローマ史上もっとも重要な期間の一つが終わったことに少し寂しさを感じてしまった。
「寛容」を掲げて頑なに対立勢力の排斥をしなかったカエサルの姿勢が
結果的に暗殺を招いたこともカエサルらしい最後のような気がした。
もちろん、もっと生きてほしかったという残念さは少し残るけど。

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2004 10/15
歴史、戦略論、政治
まろまろヒット率4

追記:全巻へのリンク(☆は特に印象深い巻)・・・

『ローマ人の物語1,2 ローマは一日にして成らず』

『ローマ人の物語3,4,5 ハンニバル戦記』

『ローマ人の物語6,7 勝者の混迷』

『ローマ人の物語8,9,10 ユリウス・カエサル~ルビコン以前~』

『ローマ人の物語11,12,13 ユリウス・カエサル~ルビコン以後~』

『ローマ人の物語14,15,16 パクス・ロマーナ』

『ローマ人の物語17,18,19,20 悪名高き皇帝たち』

『ローマ人の物語21,22,23 危機と克服』

『ローマ人の物語24,25,26 賢帝の世紀』

『ローマ人の物語27,28 すべての道はローマに通ず』

『ローマ人の物語29,30,31 終わりの始まり』

『ローマ人の物語32,33,34 迷走する帝国』

『ローマ人の物語35,36,37 最後の努力』

『ローマ人の物語38,39,40 キリストの勝利』

『ローマ人の物語41,42,43 ローマ世界の終焉』

『塩野七生「ローマ人の物語」スペシャル・ガイドブック』

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