寺山修司 『ポケットに名言を』 角川文庫 改版2005(初版1977)

まろまろ@携帯ストラップ型クリーナー「まろうさフキフキちゃん」が完成しました(^_^)v

さて、『ポケットに名言を』寺山修司著(角川文庫)改版2005(初版1977)。

劇作家・演出家・劇団主宰・俳人・歌人・詩人・映画監督・競馬評論家・・・とさまざまな顔を持ち、
自分自身は「職業、寺山修司」と名乗っていた著者による名言集。
まず各項目のテーマにそった自分のノートを添えてから、著者が選び出した名言を紹介している。
最後の項目では自分自身の作品の中から名言を選び出しているのが面白い。

ちなみにこの本では名言の定義を・・・
1.呪文呪語の類
2.複製されたことば、すなわち引用可能な他人の経験
3.行為の句読点として用いられるもの
4.無意識世界への配達人
5.価値および理性の相対化を保証する証文
6.スケープゴートとしての言語
・・・としている(「改訂新版のためのあとがき」より)。
僕は名言を1~3の意味で使うことが多い。
後半部分は著者の味だろうか。

以下はチェックした箇所(気になった順)・・・

☆狭き門より入れ。滅びにいたる門は大きく、その路は広く、これより入る者は多し。
生命にいたる門は狭く、その路は細く、これを見出すものは少なし。
「新約聖書」マタイ伝

☆ユートピアとは、贋物の一つもない社会をいう。
あるいは真実の一つとない社会でもいい。
トマス・モア「ユートピア」

☆真理は「時」の娘であり、権威の娘ではない。
フランシス・ベーコン

☆政治を軽蔑するものは、軽蔑すべき政治しか持つことが出来ない。
トーマス・マン「魔の山」

○他人からもらった快楽というものは、約束しただけものをけっして支払ったことがないのに反し、
行動することの快楽は、必ず約束したものより以上のものを支払う。
アラン「幸福論」

○もっとも大きな快楽は、他人を楽しませることである。
ラ・ブリュイエール「人さまざま」

○消耗することが、一般的に犯罪的なのではなく、いわゆる”消耗”から立ち還る過程で何を捉えるかが問題なのである。
奥浩平「青春の墓標」

○精神を凌駕することのできるのは習慣という怪物だけなのだ。
三島由紀夫「美徳のよろめき」

○花に嵐のたとえもあるさ
さよならだけが人生だ
井伏鱒二「厄除け詩集」

○人の一生には焔の時と灰の時がある。
アンドレ・レニエ「半ばの真実」

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2006 8/7
名言集
まろまろヒット率3

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