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さて、『この哲学者を見よ―名言でたどる西洋哲学史』ピエトロ・エマヌエーレ著、泉典子訳(中央公論新社)2005。
現代イタリア哲学を代表する哲学者による、西洋哲学史。
その哲学者の哲学・思想を象徴する名言を紹介しながら哲学史をたどっているので、名言集としても読める一冊。
原題はデカルトの「我思う、故に我在り」を意味する”Cogito Ergo Sum” (2001)。
内容は、名言を中心にしていることに加えて、文章が軽やかなので哲学書にしてはスイスイと読めるものになっている。
それでも基本的な思想、概念はきっちりと押さえてあるのがポイント高い。
「大まじめでも不まじめでもない、小まじめな哲学史」と訳者があとがきで表現しているのはまさにその通りだと感じた。
また、単に高名な哲学者たちの名言を紹介するだけでなく、解説の中で著者自身の言葉で語っている部分も興味深いものが多い。
たとえば・・・
神秘主義的な傾向の強いプラトンが弁証法にたどりついた過程を解説しているところで、「哲学者は示唆するだけではなくて、説明もできなければならない」と述べているところ。
<プラトン―そべてはイデアの影にすぎない>
スピノザの流転性を解説しているところで、「誰も故郷では預言者などやってられない」と述べているところ。
<スピノザ―孤独な形而上学者>
・・・などは著者の哲学者としての視点を垣間見せる箇所だと感じた。
今まで読んだ西洋哲学史の中では指折りの良書としてお勧めの一冊。
以下はその他でチェックした箇所・・・
エピクロスの主張:「将来への心配の対処法は、あらゆる望みを叶えようなどとはしないで、必要で当然な望みだけを考えればいい」
<ゼノンとエピクロス―柱廊の哲学と庭園の哲学>
ヴォルテール:「神がいないなら創らねばならぬ」
<ヴォルテールとルソー―パラドックスは活性剤>
ヘーゲル:「理性的なものは現実的であり、現実的なものは理性的である」
<ヘーゲル―理性探求のエース>
ニーチェ:「人間の偉大さを私が表す言葉は『運命愛』である。必要なことは、運命をただ耐えることではなく、ましてや無関心でいることでもなく、愛することなのだ」
<ショーペンハウアー、マルクス、ニーチェ―近代の反逆者>
フッサール:「哲学者でいたければ常識には背を向けよ」
<フロイトとフッサール―無意識と意識の戦い>
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2008 11/4
西洋哲学史、名言集
まろまろヒット率4