関東の東の端にある犬若食堂にいってきた、まろまろです。
さて、『老子・荘子―中国古典百言百話』守屋洋編(東洋経済新報社)2007。
老荘思想(タオイズム)の開祖、老子と荘子の中から100個の言葉と100話のエピソードを編集した一冊。
老荘思想は、中国の思想史の中で儒教のカウンターパートとして存在し続けたように、読んでみるとのびやかでしなやかなものが多い。
たとえば、「有の以って利を為すは、無の以って用を為せばなり」(第11章)という言葉からは、
確かに業績やキャリアにこだわる人に限って中身が無かったり薄っぺらい印象を受けることの理由を説明してくれていると感じた。
また、「足るを知れば辱められず、止るを知れば殆うからず」(第44章)という言葉からは、
何かを得ることばかり夢中になることの危険性を端的に表現したものとして印象深い。
ただ、現代語訳と解説をしている編者のコメントが、「昔はよかった」という感じでまとめられたり、
「そうは言っても難しい」となったりするものが多くて、何だか負け犬のつぶやきのように思えてしまった。
老荘思想は一つ間違えると、単なる拗ねた人間の戯言にすぎなくなるということをあらためて感じた本でもある。
以下は、その他でチェックした箇所・・・
○人を知る者は智なり。自らを知る者は明なり(第33章)
○日にこれを計りて足らず、歳にこれを計りて余りあり(庚桑楚篇)
○至人はすなわち能く世に遊びて辟せず、人に順いて己を失わず(外物篇)
○楽しむ所は窮通に非ざるなり(譲王篇)
2008 9/26
名言、思想
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