宮城谷昌光 『重耳』 講談社 全3巻 1996

名古屋(大須)のブラジル料理店で東海地方の現状を垣間見た、まろまろです。

さて、『重耳』宮城谷昌光著(講談社)全3巻1996。

43歳から19年に渡って逃亡と放浪の生活を送り、最後は春秋の覇者となった晋の文公(重耳)は、
斉の桓公と並んで「斉桓晋文」と評されるように春秋五覇の代表的な存在。
その重耳の人生を祖父の代からひもといて、覇者となった城濮の戦いをクライマックスにえがく歴史小説。

読んでみると、重耳本人よりもまわりの人物が丁寧にえがかれていてる点が印象深い。
たとえば重耳の祖父の武公(称)とその部下の狐突は、もはや主役級の存在。
特に狐突は骨太でスマートな知識人として、『太公望』の中でえがかれた商(殷)の箕子の存在と通じるものがあり、
きっと著者の理想像なんだろうなと微笑ましく思えた。

ちなみにこの小説は人から勧められて読んだ本でもある。
能力面はもちろん、人格面でもイマイチな重耳なのに、なぜか人材が集まってくる姿には、
確かにどこか他人とは思えないものを感じた(w

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2008 12/11
歴史小説
まろまろヒット率3

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