『グッチ裕三のこれは旨い!』 テレビ東京編 ブックマン社 1999

2004年大河ドラマ『新撰組』の近藤勇役を香取慎吾がやることになって驚いた、
らぶナベ@三谷幸喜らしく当たり外れがはっきりでそうで興味津々だす。

さて、『グッチ裕三のこれは旨い!』テレビ東京編(ブックマン社)1999年初版。
僕はグッチ裕三の料理が何気に好きだったりする。
彼の料理はそんなご馳走でもないし、見た目がよくないものも多いけれど、
ありあわせの材料で簡単に作れて、かなり美味しい。
さらに「おっ!」っと思うような隠味やポイントもあって作っていて楽しいからだ。
いままでは雑誌やテレビを通して参考にしていたけど、
ちゃんと専用本になっているものを使おうと購入したのがこの一冊。

この本で紹介されている料理も冷蔵庫のありあわせですぐに作れるものばかりだ。
サラダ油でニラと豆腐を炒めて塩コショウしただけの「オンリーにら豆腐」は
なぜかホントに本格的な中華の味がしてしまうし、
ごま油でトマトと牛肉を炒めてからだし醤油をまわしかけてご飯の上に乗せるだけの
「ビーフトマトボール」は酸味とコクがあって美味しい。

でも、男の料理だからちょっと味が濃いかな?(^^;

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2003 3/5
料理本
まろまろヒット率3

JOHN GRISHAM "The Firm" Penguin Readers 1995 (orignal first published 1991)

LOVENABE@have got my room in the Tokyo, I`m relieved:-)

“The Firm” written by JOHN GRISHAM Penguin Readers 1995
(orignal first published 1991).
The writer is one of the most popular novelist in contenporary America.
The story is famous as a movie too, but I have not watched it.
That` why I was excited reading this book.
The stage on the book is a laywer`s firm as title
and the leading part is a young lawyer.
He is involved in a big plot and fight it…it is this story.
However this book interested me, various characters,
complexd relations and professional terms confused me:'(
So, I think this book is a good text for comprehension of English.

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2003 2/24
洋書、小説、English
まろまろヒット率3

annotation; this readingdiary was assisted by maropro.

山岸俊男 『社会心理学キーワード』 有斐閣 2001

『プロジェクトX』に取り上げられた当事者と会った、
らぶナベ@出来事メモ(2003/2/4)にアップしてます。

さて、『社会心理学キーワード』山岸俊男編(有斐閣双書)2001年初版。
前に読んだ『図解雑学 社会心理学』がちょっと軽すぎたので
念のために買ってきて読んでみた社会心理学入門書。
社会心理学で使われるキーワードを網羅的に100個紹介していて、
通読すればテキストになるけど辞書としても使える便利な一冊。
目的ごとにキーワードを分類した道具箱まで用意されてあって至れり尽くせり。
テキストや辞書としてだけでなく何気なく感じていた普段の現象や
それとなく知っていた言葉についてのちゃんとした説明や分析が読めるので
日常生活の出来事を通して感じたことをまた別の視点で振り返るきっかけにもなる。
(ここらへんが社会心理学を知ることの短期的なメリットかな?)

ちなみにこれで4月までに認知科学、言語学、社会心理学の入門書を
一通り読むという課題をクリアしたことになる。
小さくても自分で作って自分で超えたことの達成感はやっぱりうれしいものだ(^^)

以下チェックした箇所(一部要約&重要と感じた順)・・・

☆社会心理学=「社会的存在としての人間の心の性質を研究する学問」
 G.W.オルポートによれば「個人の思想・感情・行動が、
 他の人間の現実の存在、あるいは想像や暗黙のうちに仮定される存在によって、
 どのように影響されるかを理解し、説明することを企画する科学」<1>

☆心と社会とは、お互いが相手を生み出しつつ相手によって
 生み出されるという意味で相互構成的な関係
 →社会的・文化的な環境とは独立したかたちで心を理解するには大きな限界
 →ここに社会心理学の存在意義がある<2>

☆社会心理学の役割(デュルケム)
 心理学=個人の判断に影響を与える要因の解明
 社会学=社会的事実の上に影響を及ぼすような諸原因の解明
 →心理と社会的事実が「どのような相互関係にあるか」を
  解明するのが社会心理学の役割<82>

☆人間の「自己概念」(J.C.ターナー)
 ・個人的アイデンティティ=特定の他者との親密で永続的な人間関係に基づく
  独自の自己記述
 ・社会的アイデンティティ=所属する集団や社会的カテゴリの一員であることを
  認識して生まれる自己記述<75>

☆「社会的交換理論」=物質的・社会的・精神的な資源の交換の視点で
  個人間や集団間の関係を見ること
 →進化心理学者は社会的交換課題こそが、性選択の課題とともに、
  人間の脳と心の進化によって最も重要な適応課題だと考えている<35><96>

○「沈黙の螺旋」(spiral of silence)
 =一般に認められないと認知された意見は公共の場で発言されにくくなり、
  一般に認められていると認知された意見は公共の場で発言されやすいので
  少数意見と多数意見の差はどんどん開いていくこと(E.ノエル-ノイマン)<100>

○「情報伝達の2段階説」(ラザースフェルド)
 =メディアが伝えた情報を集団内のオピニオンリーダーが
  中継して広めるという考え<93>

○対人関係の「SVR理論」(マーステイン)
 S段階=相手から受ける刺激(stimulus)に魅力を感じる段階
  ↓
 V段階=相手と価値(value)を共有する段階
  ↓
 R段階=お互いの役割(role)を補い合う段階<63>

○「近接因」=その現象や行動に直接に対応している心の性質(ピーマン嫌い)
 「究極因」=その現象や行動の近接因についての説明(なぜピーマンが嫌い)
 →「メタ理論」はどんな種類の説明を究極因として受け入れるかについての信念<4>

○メタ理論の種類
 ・「心メタ理論」=心のはたらきに見られる規則性を解明
 ・「情報処理メタ理論」=その規則性がいかなる情報処理のメカニズムを
             通して生み出されるかを解明 
 ・「適応メタ理論」=上記のようなHOWではなくWHYを解明<5>

○研究方法の種類
 ・「実験研究」=結果解釈が明確だが外的妥当性が低い
 ・「調査研究」=結果が一般化できるが結果解釈が難しい<6>

○実験の種類
 ・「風洞型実験」=特定の状況のモデルを作って
  そこで人がどう行動するかを調べる(外的妥当性重視)
 ・「理論検証型実験」=理論に関連しない夾雑物を全て排除して
  実験操作と結果の関連性を明確化する(内的妥当性重視)
 →「構成概念妥当性」=具体的な変数の操作や測定が
   理論変数と正しく対応している程度のこと<7>

○M.シェリフの実験結果=希少資源をめぐる競争が集団間の葛藤を引き起こす
 →葛藤低減には単なる集団間の接触ではなく上位目標を達成するための
 「協力的相互依存」が必要<8>

○強力な不公平感を生み出す利己的な「相対的剥奪感」発生の条件
 (1)個人がAを望んでいる
 (2)他社がAを手に入れているのを知る
 (3)自分もAを手にい入れる資格がると感じる
 (4)Aを手に入れることは不可能でないと考える
 (5)Aを手に入れないのは自分が悪いからだと思えない(W.G.ランシマン)<15>

○「フォールス・コンセンサス理論」
 =自分の特性・意見・行動は一般的で適切なもので、
 自分と違うそれらは一般的ではなく不適切であるとみなす傾向(L.ロス)<25>

○「エミック」=当事者の観点から現象や行動を理解しようとするアプローチ
 「エティック」=普遍的な観点から現象や行動を理解しようとするアプローチ
 (人類学より)<34>

○「ステレオタイプ化」=合理的な理由なしにステレオタイプにまつわる情報を
 そのメンバーにも当てはまると過剰適用してしまう単純化された認知
 →個人の中で自動的・無意識的に生じるので効果が隠れたものになりやすい<46>

○社会心理学の「帰属」
 =他者の行動からどうしてその行動が生じたのかという原因を考える推論<49>

○「感情」=身体的変化とその自己認知、そして外的刺激の認知と
      状況の認知が合成した一種の複合状態
 →感情を意識的に感じるという感情体験は主観的な経験なので、
  生じている出来事の一側面だけを指し示しているにすぎないことに注意<51>

○「援助行動」の原因
 ・苦境に陥っている人を観察することで生じる不安や不快感を軽減するため
 ・苦境に陥っている人に対する共感的関心
 →後者の原因から来る援助行動は継続すると考えられる<66>

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2003 2/8
社会心理学
まろまろヒット率3

NATHANIEL HAWTHORNE "The Scarlet Letter" Penguin Readers 2000 (orignal first published 1850)

I will write reading diary in English when I read English books,
LOVENABE@please tell me if you find some mistakes
or know more appropriate terms.

“The Scarlet Letter” written by NATHANIEL HAWTHORNE
Penguin Readers 2000(orignal first published 1850).
This book is one of the most famous american literatures
and known as “緋文字(HIMOJI)” in Japan.

“Hester Prynne” who is the heroine of this story
must put “A”, means “adulteress”, on her dress.
Because her daughter “Pearl”`s father nobady knows and Hester never say.
Who is her father?, this is a basis on the story.

I think this story says a woman who tried to live strongly and truthfully.
I remember that I was moved when I finished reading this book.
Last phrase in this book impressed me, “But not today”.

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2003 1/27
文学、洋書、English
まろまろヒット率4

annotation; this readingdiary was assisted by maropro.

ケンタロウ 『ケンタロウのおかずの王様―スーパーへ行こう! 』 主婦の友社 2000

らぶナベ@実はスーパーが何気に好きです。

さて、『ケンタロウのおかずの王様―スーパーへ行こう!』
ケンタロウ著(主婦の友社)2000年初版。
前に読んだ『ケンタロウのめし汁おかず』と同じタイプの本だけど、
こちらは素材ごとに料理がまとめられていて、
さらにその素材の栄養価や保存方法が載っているので格段に使いやすい。
鯖と青ねぎのパスタの隠し味にマヨネーズを使うことや、
豚のしょうが焼きにブロッコリーを加えるなどは簡単だけど美味しいかった。
でもやっぱり油ものがおおい(^^;

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2003 1/23
料理本
まろまろヒット率3

宮城谷昌光 『天空の舟 小説・伊尹伝』 文藝春秋 上下巻 1993

玄米は美味しいと思う、らぶナベです。

さて、『天空の舟 小説・伊尹伝』宮城谷昌光著(文春文庫上下巻)1993年初版。
夏王朝から商(殷)王朝へと変わる時代に料理人から宰相まで登りつめて、
歴史上重要な役割を果たした伊尹の小説。
同じ著者が書いた『太公望』も伝説に彩られた時代だったけれど、
この小説の舞台は『太公望』よりもさらに六百年ほど前の話になる。
文字(甲骨文字)さえ発明されていなかった時代なので、本当に伝説の時代だ。

未知の時代ということもあって期待して読んだけど、いまいちだった。
もうちょっと想像力が膨らむように時代背景を再現してくれれば
没頭できたのになぁっと思ってとちょっと残念。

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2003 1/23
小説、歴史
まろまろヒット率2

ケンタロウ 『ケンタロウのめし汁おかず』 主婦の友社 1999

今回からは料理本も通読すれば読書日記をつけようと思う、
らぶナベ@一人暮らしはじめる準備も兼ねてます(^^)

さて、『ケンタロウのめし汁おかず』ケンタロウ著(主婦の友社)1999年初版。
家にあったので通読してみた料理本。
著者は料理研究家・小林カツ代の息子。
(最近は親子でテレビとかにも出ていますね)
ありあわせの材料で手軽にぱぱっとできる料理を中心に紹介している。
実際に何品か作ってみると確かに便利さを感じたけれど
紹介されている料理がどれも油っこいのがちょっと気になった。

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2003 1/18
料理本
まろまろヒット率2

宮城谷昌光 『王家の風日』 文藝春秋 1994

近頃TIPNESSに出没する、らぶナベ@見かけたら声かけてくださいな(^^)

さて、『王家の風日』宮城谷昌光著(文春文庫)1994年初版。
商(殷)から周に王朝が変わる紀元前11世紀の古代中国を舞台にした小説。
商を支えようとした箕子を中心に商王朝の滅亡をえがいている。
前に読んだ同じ著者の『太公望』が商を倒す周側の視点だったので、
この『王家の風日』と『太公望』はちょうど舞台の裏表の関係になる。
(こちらの方が先に出版されている)
この本の主役的な存在である箕子は太公望にもっとも警戒された人物なので、
太公望の頭脳戦がもっと読みたいと思った僕は思わず手にとってしまった。
何しろこの本の主役的な存在である箕子は、
太公望にもっとも警戒された人物だからだ。
期待して読んでみると太公望の出番自体はそれほど多くないけれど、
冷酷非情なまでの合理主義は存在感抜群だった。
できれば『太公望』ではも彼のそういう非情な面も織り込んでほしかった。

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2003 1/15
小説、歴史
まろまろヒット率2

佐々木正人 『アフォーダンス―新しい認知の理論』 岩波書店 1994

セブンイレブンで売っている「牛乳シャーベット」は
何気に美味しいと思う、らぶナベです。

さて、『アフォーダンス-新しい認知の理論』佐々木正人著
(岩波科学ライブラリー12)1994年初版。
初めて読んだアフォーダンス(生態心理学の基本概念)の本。
情報は環境から受ける刺激を脳で処理して意味のあるものへと作られるのではなく、
情報はその人をとりまく環境そのものの中にあるという考えを提唱した
ギブソンの研究過程を追いながらアフォーダンスの考え方を紹介している。
この本では視覚と触覚についての記述がメインになっているが、
著者も後半で述べているようにアフォーダンスは
言語や芸術などの他の分野へも応用されるものなので興味深かった。

特に知覚について「五感」のように個々の感覚器官に注目するのではなく
複数の知覚システムの束とみなす考えは新鮮だった。
確かにこれだと盲目の人が自由に歩けることが不思議じゃない。

また、変化の中にある不変を知覚することを重視する考え方(不変項)も面白かった。
なんだかよくわからない非現実的な芸術作品を観て、
なんだかうまく説明できないけどそこに現実的なものを感じたとき、
その作品の中に不変項があるのだという視点はちょっと楽しい(^^)
この不変項という考え方は前に読んだ『日本人と日本文化』
ドナルド・キーンが「矛盾を見ればその人が何を考えているのかわかる」と
言っていたことと何か通じるような気がする。

さらにこれは前提として述べられたことだけど、
「人は記憶を語るときに記憶と過去を表現するメディア(映像や文字)と混同しがち。
思い出されることはビデオに映っているような文字通りの過去じゃないし、
会話は文字に書き写された言葉とは違う」
という趣旨のことがエピローグに書かれてあった。
これは僕自身ときどき完全に忘れていることなのでハッとさせられた。

ちなみに著者とは院の説明会と二次試験の口頭試問
少しだけ言葉を交わしたことがある。(単に試験官だっただけだけどラッキー)
そのときは個性的だけど温和な印象を受けて好感が持てたのを覚えている。
この本の最後で「あせらなくてもいい。情報は環境に実在して、
お前が発見するのをいつまでも待っている」(あとがき)という
著者自身に向けられた言葉を発見したときに会った時の印象が思い返された。
これも不変項か?(^^)

以下は、チェックした箇所(一部要約)・・・

○「フレーム問題」=ある行為に関連することとしないことを
 効率的に見分けるにはどのようにすればよいのかという問題(主にAI領域)
<プロローグ なぜいまアフォーダンスなのか?>

○デカルトの「こころ」とは、感覚刺激を統合し、判断し、推論し、
 意味をつくりだすメカニズム(略)いわゆる「中枢」
 →環境からの入力が「点運動」のようなものであるという仮定が、
  知覚理論への「有能なこころ」の概念の導入を招いた
<プロローグ なぜいまアフォーダンスなのか?>

○「ゲシュタルト」=「感覚要素の総和以上のもの、総和とはことなったもの」
 (エーレンフェルス)
<1 ギブソンの歩み>

☆知覚者が対象の変化から見ているのは「形(form)」ではなく、
 対象そのもの、それのリアルな「姿(shape)」
 →姿は、形からではなく、それ自体は形をもたない「変形」から知覚される(略)
  知覚ににとっては「変化という次元」こそが問題
  (「変化」のなかに埋め込まれている「不変」の知覚)
<1 ギブソンの歩み>

☆ギブソンが捜し求めた「知覚の刺激」の本質=環境の中で、動き回って、
 何かを見ようとしている観察者がその全身の動きとともに発見するもの
<1 ギブソンの歩み>

☆「生態光学(エコロジカル・オプティックス)」=環境に充満している光=包囲光
 (ambient light)を視覚の基礎にすべきであるという考え
 →包囲光の「異質性」=「包囲光配列(ambient array)」」
<2 情報は光の中にある>

☆「不変項(インバリアント)」=変形から明らかになる不変なもの
 →見るということで観察者が行っていることは、
  包囲光配列から不変項をピックアップすることである
<2 情報は光の中にある>

○不変項=
 1:構造不変項→恒常的に保たれている性質を知覚すること
 2:変形不変項→生じている変化がどのような変化であるか特定すること
 →動くものが何であるか特定するのが構造不変項、
  その動きがどういうものであるのか特定するのが変形不変項
<2 情報は光の中にある>

☆環境に満ちているのは、「持続と変化」である
 →生態光学はそこが「情報に満ちた海」であることを示した
<3 エコロジカル・リアリズム>

☆生態学的認識論は、情報は人間の内部にではなく、人間の周囲にあると考える
 →私たちが認識のためにしていることは、
  自身を包囲している環境に情報を「探索」すること
<3 エコロジカル・リアリズム>

○「生態学的測定法(エコ・メトリクス)」=物理的絶対値ではなく
 生き物を基準にして表した値
<3 エコロジカル・リアリズム>

☆アフォーダンス=「動物との関係として定義される環境の性質」(ギブソン)
 =環境が動物に提供する「価値」
 =物理的な性質ではなく「動物にとっての環境の性質」
  →アフォーダンスが環境の中に実存することを強調するギブソンの理論
  =「エコロジカル・リアリズム(生態学的実存論)」
<3 エコロジカル・リアリズム>

○感覚器官をもとにした古典的分類「五感」は多様な知覚体験を説明できない(略)
 五は感覚器官の種類の数ではなく「環境への注意のモード」の種類と考えるべき
 =「基礎的定位づけシステム」「聴くシステム」、「触るシステム」、
  「味わいー嗅ぐシステム」、「視るシステム」
<4 知覚するシステム>

☆知覚システムの特徴
1:”複数の知覚システムの獲得する情報は
 「等価」であるので「冗長」であることが多い”
  →盲目の人が自由に移動できるのは神秘的なことではなく
  「視るシステム」以外でもピックアップ可能な情報を知覚しているから
2:”動きが固定されていない”
  →知覚システムの動作を洗練し、分化していくことが学習
  →「わざ」を可能にするのは知覚システムの束
<4 知覚するシステム>

☆ギブソニアン(ギブソンの後継者たち)の主張
 =「運動研究の単位を変えよう」
 →関節などの要素でなくマクロな「結合」を単位に
<5 共鳴・同調の原理>

○運動系は、身体の内部に閉じて組織化しているのではなく、
 環境の中の情報とも協応の関係を結び、
 知覚情報をもそのシステムの一部としている
<5 共鳴・同調の原理>

○「タウ(τ)」=行為の制御に利用されている視覚情報
 =「衝突・接触」のアフォーダンス
<5 共鳴・同調の原理>

○知覚と行為の協応を、ギブソニアンは「知覚と行為のカップリング」と呼ぶ
<5 共鳴・同調の原理>

☆画家が遠近法で描いた絵も、抽象画も、もしそれが私たちに
 何らかのリアリティーを伝えることができるならば、
 そこには知覚された不変項が記録されていると考えるべき
<エピローグ リアリティーのデザイン>

○「あせらなくてもいい。情報は環境に実在して、
 お前が発見するのをいつまでも待っている」
 (略)研究だって知覚行為の一種なんだから
<あとがき>

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2003 1/12
アフォーダンス、心理学、認知科学、情報関連
まろまろヒット率4

司馬遼太郎・ドナルド・キーン 『日本人と日本文化』 中央公論新社 1984

“まろじぇくとX”の参加者からの声が掲示板にアップされた(ここ)、
らぶナベ@二人きりでも楽しんでもらったようでちょっと嬉しいっす(^^)

さて、『日本人と日本文化』司馬遼太郎&ドナルド・キーン談(中央公論新社)1984年初版。
司馬遼太郎(小説家)とドナルド・キーン(日本文化研究家)との日本文化談義の本。
出身地の影響もあってか(司馬=大阪、キーン=ニューヨーク)、
どちらも教養を明るさや洒落っ気で包む人なので、、
日本文化を語るときについてまわりがちな陰険さがなく
楽しそうな対談の様子が文章に落とし込んでも現れている。
「それは言い過ぎやろ」と突っ込んでしまうところもあるけれど、
キーン氏が”あとがき”で書いていたように
面白いおっちゃんの会話を横で立ち聞きするような気分にさせてくれた。

特に「第5章:日本人のモラル」、「第7章:続日本人のモラル」では
日本がどれだけ儒教の影響を受けたのかということについて、
二人の相違点が明確に出てきてその対立が面白かった。
また、最後には「日本的なものとしてがんばりすぎると、
変なものになってしまう(もっと自然でいこう)」
・・・っと同意して終わるのも二人の対談らしくて思わず笑ってしまった。
手軽だけど侮れない本。

ちなみにWEBサイト英語化プロジェクト(まろぷろ)で何かとお世話になっている、
ニューヨーク在住の市川文緒さんはキーン氏のお弟子さん。
そんな遠い人とお話できるなんてネットってすごい(いまさら(^^;)。

以下は、チェックした箇所(気になった順)・・・

・人間というのは、矛盾があればあるほどおもしろいですね。
 矛盾があれば、その人間が何かを考えているということがわかります(キーン)

・徳川時代は鎖国だったから、当時の日本人がみんないっしょに
 秘密を言い合って楽しんでいたというような気がします(略)
 江戸文学には普遍性がなかったと言えます(キーン)
→2ちゃんねるで盛り上がるスレッドもそんな感じだ(ナベ感想)

・日本の歴史を眺めておりますと、あらゆる面に外国文化に対する愛と憎、
 受容と抵抗の関係があるように思われます(キーン)

・日本人は原理というものには鈍感(司馬)

・もしも日本的な趣味を一つだけに絞ろうと思ったら、
 私は東山時代の文化じゃないかと思います(キーン)←司馬も同意

・南宋の文化は、日本にいちばん影響を与えたと思います。
 そのあたりの詩歌は、日本人の趣味にぴったり合っていた。
 感情的であって、あまり雄大なテーマはとり上げない(キーン)

・古い伝統を作るには、十年くらいかかる(略)
 逆に言えば、十年ぐらいかけると伝統を創りだすことができる(キーン)

・日本人はいつも何が日本的であるかということについて心配する(略)
 意識して特徴を出そうと思ったら、むしろ本居宣長のような、
 なにか不自然なものになるんじゃないか(キーン)
→大賛成です(略)あまり日本的なものとしてがんばりすぎると、
 いやらしいものになる(司馬)

・恥ずかしいことはできないということだけで社会の安寧秩序が保てる。
 その程度のことだけで保てる社会というのは、不思議な国で、
 ぼくがいつも日本を不思議だと思うのは、この点なんです(司馬)

・日本はひじょうに不思議な国になります。英雄のいない国です(キーン)

・政治というものはひじょうに男性的なものですけれども、
 ぼくら日本人というのは、
 政治を男性的にとらえにくい感覚をもっているのじゃないか(司馬)

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2003 1/10
文化論、対談
まろまろヒット率4