百瀬明治 『蓮如―戦略の宗教家』 学研 2002

もろもろの事情から万博に行くことになりそうな、らぶナベ@オススメ教えてて下さいな。

さて、『蓮如―戦略の宗教家』百瀬明治著(学研)2002。

事業家としての蓮如にスポットを当てた一冊。
蓮如は人生の前半と後半ではまったく違う方針をとっている。
平等主義から血脈重視の貴族化へ、合理主義から神秘的な神格化へと転換した点は、
開祖親鸞の方針と全く逆でもあるので宗教家として批判も多いところだ。

でも、そんな方針転換をこの本では創業から守勢への戦略転換とみなして評価している。
確かに蓮如は事業家としての手腕が卓越していた点は争いの無いところだ。
たとえば当時の農村の自治的な「惣」を基本に宗教組織「講」を組み込んでネットワーク化させ、
個→個の手紙ではなく個→多のメディアとして「御文」を活用したメディア戦略などが特筆される。
特にこの「講」と「御文」は相互に連携して、
自律的な拡大を生み出した事業システムとして興味深い。

ただ、総じて結果論への後付け&持ち上げ過ぎな感じはぬぐえなかった。

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2005 8/8
歴史、宗教、経営
まろまろヒット率2

赤羽尭 『復讐、そして栄光』 光文社 上下巻 1990

ここしばらく取り組んでいた読書日記コンテンツのblog化がようやく完了した、
らぶナベ@これで1コンテンツ1ページ化とタイトルリストページ独立が実現したので
見やすくなっていると思います→http://maromaro.com/readtop. html

さて、『復讐、そして栄光』赤羽尭著(光文社)上下巻1990。

13世紀当時ユーラシア最強だったモンゴルを打ち破り、奴隷から皇帝にまで登りつめた
イスラム世界の碧眼の英雄「バイバルス」を主人公にした歴史小説。

僕がバイバルスの存在を最初に知ったのは、コーエーの「チンギスハーン」だった。
政治78/戦闘力95/知謀85というありえないくらい高いステータスの彼を見つけて興味を持ったけど、
他のイスラム世界の人物と同じく日本での知名度は低くて、これまで彼の生涯に触れる機会は無かった。
そんな折りにたまたまこの本を図書館で見つけたので、読んでみたという奇縁な一冊。

読んでみるとバイバルスの人生はとても劇的なのでやっぱり面白い。
キプチャクのクマン族の子供として生まれ、少年時代にモンゴル兵に両親を殺されて奴隷(マムルーク)になり、
エジプトで軍人として栄達、そしてアイン・ジャールートの戦い(1260年)でモンゴルに復讐を果たし、
マムルーク朝スルタン(皇帝)にまで登りつめた彼の生涯はそれだけで壮大な物語だ。
今まで読んだイスラム世界を舞台にした歴史小説の中でも屈指の面白さだった。

中でも印象深かったのは、経歴的に彼はタタキアゲなイメージが強いけれど、
実は宿敵モンゴルと同じく情報戦をすごく重視していた点だ。
計略や外交手腕も長けていた彼には、タタキアゲの人にありがちな
腕力に頼り過ぎたり硬直したりするところは無い。
マムルーク朝のスルタンになってからも文化政策や社会政策で実績を残しているという
柔軟な一面を知ってまたまた彼に興味を持った。

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2005 8/6
歴史小説
まろまろヒット率4

宮崎正勝 『鄭和の南海大遠征―永楽帝の世界秩序再編』 中央公論新社 1997

今月でmaromaro.comが4周年を迎えた、
自称はらぶナベ@でもこの4年で他称はすっかり「まろまろさん」です(^^;

さて、『鄭和の南海大遠征―永楽帝の世界秩序再編』宮崎正勝著(中公新書)1997。

僕は昔から節目節目で妙に歴史本を読みたくなる性癖がある。
サイト設立4周年の日に読み終えたこの本は、
15世紀初頭に明の永楽帝の指示でおこなわれた鄭和の南海遠征を
宋代から元、明にかけての海洋交流の歴史として捉え直そうとする一冊。
この1年はコラム「WEBと海」も書いたので海洋交流ものを読みたいと思って手に取ってみた。

著者はこの本の中で世界史上の「大航海時代」は四回あったと主張する。
ダウ船が中心の第一次大航海時代、ジャンク船が中心の第二次大航海時代、
そして世界史で習う第三次大航海時代と蒸気船が中心の第四次大航海時代。
(この中で第三次大航海時代だけが強調され過ぎていると著者は批判する)

中国沿岸から出発して、東南アジア、南アジア、モルジブ、中東、
果てはアフリカ東部まで到達した鄭和の7回にわたる南海遠征は、
永楽帝による冊封体制を通した世界秩序の再編であって、
第二次大航海時代の最後をかざるものだったという。

鄭和の南海遠征にスポットを当てながら、海は文明や国を”隔てる”空間ではなく、
多様なネットワークで”結びつける”空間だったという視点で海洋交流の歴史を振り返っている。

ちなみに副題が「永楽帝の世界秩序再編」とあるように、
鄭和は人格を否定された宦官なので彼の意志や心情は資料として何も残っていない。

でも、読み終えてみると大航海にのぞむ鄭和の心情の方に興味を持った。
色目人(イスラム教徒の在留外国人)の子として海の無い内陸部の大理に生まれ、
時代が元から明にうつる過程で侵略を受け、捕虜、宦官になり、
大航海することとなった彼の心情は一体どんなものだったんだろう。

できれば彼にとって海は希望あるものであってほしかった、と勝手に妄想してしまった。

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2005 7/19
歴史
まろまろヒット率3

檀上寛 『明の太祖 朱元璋』 白帝社 1994

「ジャージで中華食べちゃうぜ」(JCT)の準備をしている、
らぶナベ@暑いけどモデレーターなのでジャージ上下着で参加します。

さて、『明の太祖 朱元璋』檀上寛著(白帝社)1994。

明を建国した朱元璋(洪武帝)の人物伝。
僕にとって朱元璋は捉えどころが無い不思議な人物という印象があった。
断片的に耳にする彼のエピソードは両極端なものが多いので、
一度彼の人生を通じた伝記を読みたいと思っていたら
たまたま図書館で目にとまったので手に取った一冊。
(なぜか彼の伝記が日本では少ない)

読んでみると、社会の最下層からスタートして上司に苦労しながらも独立、
ライバルたちを倒して明を建国するまでの前半生はまさにチャイニーズ・ドリーム。
元朝では活躍の場が無かった知識人たちを採用したり、
その戦い方は三国志演義の赤壁の戦いのモデルとなったりと華々しい印象を受ける。

そして皇帝になってからは、在位30年の間に胡藍の獄、文字の獄などで
功臣や元仲間をほとんど根こそぎ粛清した恐怖政治を何度も断行。
後半は重苦しく暗い印象があって、人生の前半と後半ではまったく違った印象を受けた。

「一身において聖賢、豪傑、盗賊を兼ねた人物」(趙翼)と言われるように、
彼の複雑な人格は、通史として読んでもやっぱり不可思議さが残った。
人間はみんな多面的な要素があるとは言え、
さすがにここまで極端な例はなかなか無いだろうと感じた。
ちなみに結果的にグロテスクな印象が強い朱元璋は毛沢東が高く評価している。
親近感を感じたのかな?(^^;

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2005 7/13
歴史
まろまろヒット率3

陳舜臣 『桃源郷』 集英社 上下巻 2001

“イニシャルG”ことゴキブリを捕食してくれるスーパー益虫「アシガカグモ」は
実はG以上に見た目が怖いことに戦々恐々している、
らぶナベ@自然との共生にはイバラの道がありますな(T_T)

さて、『桃源郷』陳舜臣著(集英社)2001上下巻。

まろまろフラッグがイランまで放浪した機会に
ユーラシアものを読みたいと思って手に取った歴史小説。

桃源郷伝説の子孫たちと、カラ・キタイ(西遼)を建国した耶律大石、
そして世界各地に散らばった隠れマニ教徒たちを物語の主役にしている。
舞台となる地域も東アジア(遼、金、宋)、南アジア(占城、師子国)、
中央アジア(西夏、カラハン)、西アジア(セルジューク)、北アフリカ(ファーティマ)、
イベリア半島(ムラービト)まで当時のユーラシア主要各国を網羅している。

最初は東西文明の交流をえがいた小説として楽しく読めたが、
だんだんと信仰色が強くなって、最後はよくわからない終わり方だった。
期待が大きかっただけに残念な印象が強かった。

ちなみにほんのちょっとしか登場してないのに、
金の完顔阿骨打が妙にカッコ良かったのが印象深い。

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2005 7/10
歴史小説
まろまろヒット率2

ロバート・アンジェ、佐倉統・巌谷薫・鈴木崇史・坪井りん訳 『ダーウィン文化論―科学としてのミーム』 産業図書 2004

「京たこ」が京都には無いようにNewYorkには決して無い「NewYorker`s Cafe」で作業することが多い、
らぶナベ@よく利用されるかたはご一報ください、合間にまろまろとお茶しましょう(^_-)

さて、『ダーウィン文化論―科学としてのミーム』
ロバート・アンジェ編、佐倉統・巌谷薫・鈴木崇史・坪井りん訳(産業図書)2004。

ミーム論(ミーム学、memetics)の研究論文集。
編者が「ミームについて現在の論争点をはっきりさせる」ことを目的とすると言っているように(序章)、
ミームに関連する各分野の研究者たちがミームの有効性について論じている。
ミームに懐疑的な研究者の論文も掲載されているが、その傾向は後半にいくにしたがって強まる。

読んだ感想は、いろいろな議論はあるけど結局「操作的な定義以上のミームを同定することと、
その複製メカニズムをはっきりさせることの両方がなければミーム論は離陸できない」(11章)
というのと同じ感覚を持った。

ちなみにこの本は日本語訳版だけ各章の研究者紹介の項目がある。
この項目のおかげでその主張を唱えている人の背景がわかってとても有益だった。
(立体的に議論の様相がとらえられる)
これを書いた訳者は僕の指導教官だったりするが、彼はこういう研究者紹介をさせると上手い。

また、奇しくもこの本の中でも一番ミームに肯定的なブラックモア博士(第2章担当)とは、
読んでいる最中に実際に会う機会があった。
断片的に知っていた彼女の情報が実際に会うことによってパズルのようにつながったが、
ミームという言葉にはこういう情報のデジタルな側面を表わす響きがあるんだろう。

以下はチェックした箇所(要約含む)・・・

○ミーム=記憶のアイテムで、生物個体の神経系に保存されている情報の一部。
観察者が聴衆かすることで同定される。
観察者の裏付けは、以前にほかの生物個体の神経系に保存されていた
同じ記憶アイテムを裏付けた先行経験に依存している(Lynch, 1998)
<第1章 序論(ロバート・アンジェ)>

○ミーム研究をめぐる三つの論争・・・
・文化を主に構成しているものは、独立して伝達される情報単位とみなしていいのか
・いわゆるミームなるものは、自己複製子として機能しうるだけの要件を備えているのか
・ミーム論のようなダーウィン的、選択理論的なアプローチが文化の科学として最適であり望ましいのか
<第1章 序論(ロバート・アンジェ)>

○ミーム駆動=ミームは、現在成功しているミームを選択する脳を遺伝子に作らせたとする仮説
→人間の脳は選択的模倣装置
<第2章 ミームの視点(スーザン・ブラックモア)>

○私たちの周りにあるすべての文化的存在は、
熾烈なコピー競争の、現在の勝者であるがゆえに存在している
<第2章 ミームの視点(スーザン・ブラックモア)>

○人間の本性は、ミームと遺伝子が複雑な環境下で複製の競争を行った産物であり、
神秘的な導きの原理や自由意志とともにある内なる自己の余地など存在しない
<第2章 ミームの視点(スーザン・ブラックモア)>

○ミームは新しい研究プログラムであるから試行とテストによって評価されるべきである
<第3章 ミーム論をまじめに取り扱う―ミーム論は我らが作る(デイヴィッド・ハル)>

○文化の自然科学に対する主要な2つのアプローチ=
1:文化の進化に焦点をあてたアプローチ(心理的機構の進化に関心)
2:文化的進化に焦点をあてたアプローチ(遺伝子-文化の共進化に関心)
・・・この2つは統合されるべき
<第4章 文化と心理的機構(ヘンリー・プロトキン)>

○認知過程=心的表象を伴う過程
 →表象に対してエージェントが行う行為によって完成する
社会的認知過程=社会的信念、目標を伴う過程
 →エージェントの社会的信念、目標に対して行為を推敲することにより実現する
<第5章 心を(社会的に)通したミーム(ロザリン・コンテ)>

○ミーム論の利点
1:アプローチが基礎的
2:発見的であり新しい解釈や再構築を促す(進化的アプローチの特徴)
3:学際的
4:多岐に渡る問題を取り扱える
<第5章 心を(社会的に)通したミーム(ロザリン・コンテ)>

○科学としてのミーム論の未来は、ミームが脳内で確認されるかどうかではなく、
むしろどの程度までミームが心の中に宿るか、
その根拠や過程が明らかにされるかどうかにかかっている
<第5章 心を(社会的に)通したミーム(ロザリン・コンテ)>

○協力に必要な2つの条件
1:協力しあっているエージェントが1つの共通目標を持っている
2:彼らがその成就に対して相互に依存している
(Conte and Castelfranchi, 1995)
→交換においてはエージェントは相互依存さえしていればいい
<第5章 心を(社会的に)通したミーム(ロザリン・コンテ)>

○人間のニッチ構築は部分的には社会伝達ミームに依存しているものの、
人間の遺伝子の選択的環境にとどまらず、ミームの選択的環境をも形作る
<第6章 ミームの進化(ケヴィン・レイランド&ジョン・オンドリン=スミー)>

○もっとも成功しているミームは、ニッチ構築という形で実現しており、
自分たちの好みに応じて、選択的環境に効果的なバイアスをかけている
<第6章 ミームの進化(ケヴィン・レイランド&ジョン・オンドリン=スミー)>

○ミームを好きかどうかは、単純に「細分派」か「統合派」か、
分析を拠り所にするか解釈を拠り所にするかということに帰すかもしれない
<第11章 結論(ロバート・アンジェ)>

○操作的な定義以上のミームを同定することと、
その複製メカニズムをはっきりさせることの両方がなければミーム論は離陸できない
<第11章 結論(ロバート・アンジェ)>

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2005 7/7
ミーム、進化論、文化研究
まろまろヒット率★★★

アランジアロンゾ 『(有)アランジアロンゾ』 角川書店 2001

「お気に入りのカレー屋さん200」の200軒突破記念オフ会にお呼ばれして行ってきた、
らぶナベ@二次会もカレーというのが実にアツい会でした・・・

さて、『(有)アランジアロンゾ』アランジアロンゾ著(角川書店)2001。

姉妹からスタートして今や日本を代表するキャラクター・ビジネス企業となったアロンジアロンゾの、
会社設立から10年間(1991-2001)の活動をまとめた企業史。

コンテンツ創造でキャラクター・ビジネス演習を立ち上げようとしていたら、
同期のなるみが貸してくれた一冊。
どうやら彼はもともとアロンジアロンゾのファインらしい。
かくいう僕も実は『どこへいくカッパくん』は愛読書だったりする。

本の内容は、企業キャッチフレーズが「かわいくて、へんてこで、かっこよくて、ばかばかしくて、
ちょっとこわくて、ちょっといたくて、まぬけで、なごめるアランジアロンゾ」というだけあって、
企業史といってもグッツ説明やQ&A、用語集などのコメントが面白くて、
ぱらぱら見るだけでも十分に楽しめる本となっている。

お気楽に読める本だけど、中には考えさせられる点もあった・・・
「CIを考えている間になんか作った方がいいよ」としてはじめた会社の方針は、
「つくりたいものを好きなようにつくって、いっしょうけんめい売る」というものだけど、
好きなものを売るだけに割り切れないものが出てくるしダメだった時のダメージは大きい。
まだ無名の頃に「心臓に毛を生やさなくちゃ」と言い合ったというエピソードや、
社員をリストラするエピソードは読んでいてかなり重たいものを感じた。
(「絵の目がこわいよ」という指摘を受けたエピソードには思わず笑ってしまったけど(^^;)

また、「(内容的に)バカにされ、軽んじられがちな中で、
バカにせず軽んじず信用してもらえる業者さん達と商品を作ってきた」
という姿勢は学ぶところが多いと思った。
いろんな視点で読めるユニークな本。

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2005 6/18
企業史、キャラクタービジネス、ドキュメンタリー
まろまろヒット率4

岳宏一郎 『蓮如 夏の嵐』 毎日新聞社 上下巻 1999

らぶナベ@芸術法セミナーにお呼ばれして世田谷ものつくり学校に行ってきました。

さて、『蓮如 夏の嵐』岳宏一郎著(毎日新聞社)1999。

すたれ気味だった本願寺を再興して、戦国時代の一向宗の勢力伸長と
現代に至るまでの浄土真宗の実質的な基礎を築いた蓮如を主役にした歴史小説。
特にこの小説では家督を継いで歴史の表舞台に登場した40代からを中心にえがいている。

読んでいて不思議だったのは彼は人生の中で二度も本拠地を焼かれて退避しているが、
その度に前よりも大きく復活している点だ。
その最大の原因は彼を支える信者(門徒)が支援したからと言えるけど、
蓮如は信者をおいてけぼりにして自分だけ財産を持って逃げたりしている。
そんな彼がなぜ信者の信仰を一身に集めることができたのか、
その過程や経緯をもっとえがいてほしかった。
(悪人正機だけなら他の真宗諸派も唱えていたことで別に蓮如じゃなくてもいい)

蓮如は教義としては親鸞の教えをゆがめているところもあるし
親鸞の血脈にこだわって貴族的な序列を明確にさせるなど、
実は親鸞が激しく批判した旧仏教的な体質を持ち込んだ人間でもある。
この小説の中でも蓮如が歴史上あまり人気がないのがよくわかる描き方をされている。

でも、そういう蓮如だったからこそ今に通じる基礎を築けたという見方もできる。
彼の人生には何の感動も覚えないけど、彼の功罪にちょっと興味を持った。

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2005 6/10
歴史小説、宗教
まろまろヒット率2

舘沢貢次 『宗教経営学―いま注目の宗教法人のカネ・ビジネス・組織』 双葉社 2004

ディズニーランドと宗教の違いが分からない、らぶナベです。

さて、『宗教経営学―いま注目の宗教法人のカネ・ビジネス・組織』舘沢貢次著(双葉社)2004。

金光教、生長の家、真如苑、立正佼成会、天理教、創価学会の
6つの代表的な新宗教への取材を通してそれぞれの教団経営を紹介する一冊。
僕は科学と宗教の違いは「種明かしをするかしないか」にあると思っている(技術と魔術の違い)。
だから種明かしをしない宗教の内部経営を取り上げるのはずいぶん挑戦的だなぁと思って読んでみた。

読んでみると、教団の歴史と活動の記述が多くて、実際の経営面の記述が物足りなかった。
各教団にかなり遠慮している部分も目についたが、どうせやるならもっと踏み込んで欲しかった。
また、そもそもその宗教がどうしてそこまで集客力のあるブランドになったのか、
その過程や秘訣をもっと書いてほしかった。
ただ、各新宗教の設立経緯や内紛などのざっとした教団史としては面白い。

読み終えて一番印象深かったのは、紹介されている宗教はどれも「平等」を唱えているけど、
そのほとんどの教主が世襲しているということだ。
実際には世襲してる団体が訴える「平等」に納得する信者が多数いるというのが興味深かった。
そこまで強いブランド力はいったいどこからくるのだろうか(^^;

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2005 6/7
宗教経営学
まろまろヒット率2

『もっと野菜を食べなくっちゃ』 講談社 2002新版

いま日本で一番うさんくさい言葉は「セレブ」だと思う、らぶナベです。

さて、『もっと野菜を食べなくっちゃ』講談社(2002新版)。

587点にもおよぶ野菜料理のレシピが紹介されている料理本。
レシピの数は膨大だけど、野菜の種類や調理法から逆引きもできる上に、
各野菜ごとの処理・保存方法、栄養面の紹介もちゃんとされているので
健康ホリックな僕にはたまらない一冊。

これだけ分厚くて充実しているのに1500円は料理本としては安い。
まさにヘルシー料理本の決定版として自信を持って薦められる料理本。

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2005 6/4
料理本、健康
まろまろヒット率4