陳舜臣 『桃源郷』 集英社 上下巻 2001

“イニシャルG”ことゴキブリを捕食してくれるスーパー益虫「アシガカグモ」は
実はG以上に見た目が怖いことに戦々恐々している、
らぶナベ@自然との共生にはイバラの道がありますな(T_T)

さて、『桃源郷』陳舜臣著(集英社)2001上下巻。

まろまろフラッグがイランまで放浪した機会に
ユーラシアものを読みたいと思って手に取った歴史小説。

桃源郷伝説の子孫たちと、カラ・キタイ(西遼)を建国した耶律大石、
そして世界各地に散らばった隠れマニ教徒たちを物語の主役にしている。
舞台となる地域も東アジア(遼、金、宋)、南アジア(占城、師子国)、
中央アジア(西夏、カラハン)、西アジア(セルジューク)、北アフリカ(ファーティマ)、
イベリア半島(ムラービト)まで当時のユーラシア主要各国を網羅している。

最初は東西文明の交流をえがいた小説として楽しく読めたが、
だんだんと信仰色が強くなって、最後はよくわからない終わり方だった。
期待が大きかっただけに残念な印象が強かった。

ちなみにほんのちょっとしか登場してないのに、
金の完顔阿骨打が妙にカッコ良かったのが印象深い。

この本をamazonで見ちゃう

2005 7/10
歴史小説
まろまろヒット率2

“陳舜臣 『桃源郷』 集英社 上下巻 2001” への0件の返信

  1.  時代小説の体裁を採って、陳舜臣が理想の宗教観を描いた作品とでも言うべきですかねぇ。

     ご存じの通り、当時はユーラシア全体が弛緩--むしろ停滞?--していて、後の世に大きなうねりをもたらしたと評価される史実が少なかった。躍動感あふれる「世界史」を綴るのは難しかったのかもしれません。

     歴史ものとしてよりも「理想の宗教とはいかなるものか」を考える材料として読むといいのかなと。単行本の初版が出たのは2001年10月。その直前にニューヨークで「9.11」が発生し、同根の一神教同士の対立がクローズアップされたのが皮肉と思わずにはいられません。

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