百瀬明治 『蓮如―戦略の宗教家』 学研 2002

もろもろの事情から万博に行くことになりそうな、らぶナベ@オススメ教えてて下さいな。

さて、『蓮如―戦略の宗教家』百瀬明治著(学研)2002。

事業家としての蓮如にスポットを当てた一冊。
蓮如は人生の前半と後半ではまったく違う方針をとっている。
平等主義から血脈重視の貴族化へ、合理主義から神秘的な神格化へと転換した点は、
開祖親鸞の方針と全く逆でもあるので宗教家として批判も多いところだ。

でも、そんな方針転換をこの本では創業から守勢への戦略転換とみなして評価している。
確かに蓮如は事業家としての手腕が卓越していた点は争いの無いところだ。
たとえば当時の農村の自治的な「惣」を基本に宗教組織「講」を組み込んでネットワーク化させ、
個→個の手紙ではなく個→多のメディアとして「御文」を活用したメディア戦略などが特筆される。
特にこの「講」と「御文」は相互に連携して、
自律的な拡大を生み出した事業システムとして興味深い。

ただ、総じて結果論への後付け&持ち上げ過ぎな感じはぬぐえなかった。

この本をamazonで見ちゃう

2005 8/8
歴史、宗教、経営
まろまろヒット率2

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です