宮崎正勝 『鄭和の南海大遠征―永楽帝の世界秩序再編』 中央公論新社 1997

今月でmaromaro.comが4周年を迎えた、
自称はらぶナベ@でもこの4年で他称はすっかり「まろまろさん」です(^^;

さて、『鄭和の南海大遠征―永楽帝の世界秩序再編』宮崎正勝著(中公新書)1997。

僕は昔から節目節目で妙に歴史本を読みたくなる性癖がある。
サイト設立4周年の日に読み終えたこの本は、
15世紀初頭に明の永楽帝の指示でおこなわれた鄭和の南海遠征を
宋代から元、明にかけての海洋交流の歴史として捉え直そうとする一冊。
この1年はコラム「WEBと海」も書いたので海洋交流ものを読みたいと思って手に取ってみた。

著者はこの本の中で世界史上の「大航海時代」は四回あったと主張する。
ダウ船が中心の第一次大航海時代、ジャンク船が中心の第二次大航海時代、
そして世界史で習う第三次大航海時代と蒸気船が中心の第四次大航海時代。
(この中で第三次大航海時代だけが強調され過ぎていると著者は批判する)

中国沿岸から出発して、東南アジア、南アジア、モルジブ、中東、
果てはアフリカ東部まで到達した鄭和の7回にわたる南海遠征は、
永楽帝による冊封体制を通した世界秩序の再編であって、
第二次大航海時代の最後をかざるものだったという。

鄭和の南海遠征にスポットを当てながら、海は文明や国を”隔てる”空間ではなく、
多様なネットワークで”結びつける”空間だったという視点で海洋交流の歴史を振り返っている。

ちなみに副題が「永楽帝の世界秩序再編」とあるように、
鄭和は人格を否定された宦官なので彼の意志や心情は資料として何も残っていない。

でも、読み終えてみると大航海にのぞむ鄭和の心情の方に興味を持った。
色目人(イスラム教徒の在留外国人)の子として海の無い内陸部の大理に生まれ、
時代が元から明にうつる過程で侵略を受け、捕虜、宦官になり、
大航海することとなった彼の心情は一体どんなものだったんだろう。

できれば彼にとって海は希望あるものであってほしかった、と勝手に妄想してしまった。

この本をamazonで見ちゃう

2005 7/19
歴史
まろまろヒット率3

“宮崎正勝 『鄭和の南海大遠征―永楽帝の世界秩序再編』 中央公論新社 1997” への0件の返信

  1. ピンバック: 無精庵徒然草
  2. まろまろさん、こんにちは。
    TBだけして失礼しました。

    『鄭和の南海大遠征―永楽帝の世界秩序再編』宮崎正勝著(中公新書)を読まれたのですね。
    鄭和の情熱が永楽帝を動かしたのでしょうか。
    ロマンがあるからか、この記事を書いていて、少なからぬ人が関心を抱いているのだと実感しました。
    鄭和という人物のことをもっと知りたいものですね。

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