和仁達也 『お金の流れが一目でわかる! 超★ドンブリ経営のすすめ―――社長はこの図を描くだけでいい!』 ダイヤモンド社 2013

渡邊義弘@メーリングリスト、メールマガジンの名残であった、「名前@~」の前説をこれ以降、前略として本文のみの記載とします。

さて、和仁達也 『お金の流れが一目でわかる! 超★ドンブリ経営のすすめ―――社長はこの図を描くだけでいい!』 ダイヤモンド社 2013。

表によって、一目で経営の資金の流れが分かるようにした解説書。

スタートアップ支援の際に有効だと、先輩からオススメをいただいて読んだ一冊。

読んでみると、図表が分かりやすいことに加えて、粗利に対する把握を重視していることが印象に残った。

・粗利率をいかに高めるかが大切

・自分の貢献度を、売上でなく粗利で考えるスタッフを育てることが、会社の底力を発揮するための大前提であり、経営者の大切な仕事の一つ

、など、何度も粗利の大切さに言及している。

粗利率を上げるためには、サービス追加やクオリティアップという経営努力が必要であり、

逆に粗利率を引き下げるのは値引きをすればいいだけなので簡単。

ただし、価格競争に巻き込まれる。

、と指摘していることが印象に残った一冊。

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2022 9/19
会計、経理、経営学
まろまろヒット率3

東野圭吾 『聖女の救済』 文藝春秋  2008

渡邊義弘@映画公開される『沈黙のパレード』の主題歌、「ヒトツボシ」を練習しています。

さて、東野圭吾 『聖女の救済』 文藝春秋  2008。

男性が毒殺された。
毒物混入方法は不明、しかも最も動機がある妻にはアリバイがあった。
捜査の担当刑事が妻に惹かれていることを察した後輩刑事は、物理学者の湯川に相談する…

ガリレオ・シリーズ第5段。
東野圭吾の作品は、どれも犯行動機に同情するものが大きいけれど、今回の作品も強い同情を感じた。
作品としては、題名の意味が回収されるところ (タイトル回収) が一番盛り上がるところだろうけど、そこはそれほどの印象は持てなかった。
ただ、登場人物が福山雅治の歌を聴く場面があったのは少し笑ってしまった。
(ドラマ版ガリレオは福山雅治が主演しているため)

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2022 8/27
推理小説
まろまろヒット率3

東野圭吾 『沈黙のパレード』 文藝春秋  2018

渡邊義弘@東野圭吾のガリレオ・シリーズをよく読むようになっています。

さて、東野圭吾 『沈黙のパレード』 文藝春秋  2018。

黙秘権を行使して無罪になった被疑者が、何者かに殺された。

犯行当日は、パレード (仮装行列) が行われており、関係者にはすべてアリバイがあった…

ガリレオ・シリーズの第9段。

映画が公開されるにあたって、事前に読んでみた一冊。

(『容疑者Xの献身』は小説が先、『真夏の方程式』は映画が先)

読んでみると、謎解きの部分は感銘を受けず、人間模様も感じるものが少なくて、これまで読んだガリレオ・シリーズの中で一番印象が薄かった。

ただ、主役の湯川 (ガリレオ) が通っていた定食屋さんには、行ってみたいと思った。

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2022 8/20
推理小説
まろまろヒット率3

東野圭吾 『真夏の方程式』 文藝春秋  2011

渡邊義弘@映画版『容疑者Xの献身』の主題歌、「最愛」の福山雅治版をよく歌っています。

さて、東野圭吾 『真夏の方程式』 文藝春秋  2011。

海に面した田舎町で物理学者の湯川は、少年と出会う。
そこで起きた事件がある人物の人生に大きく関わることに気づいた湯川は解明に乗り出す…

ガリレオ・シリーズ第6段。
前回読んだ『容疑者Xの献身』は、小説を読んでから映画を観た。
今回は順番を逆にしてみようと、まず映画を観てから小説を読んでみた。
読んでみると、映画を観た時と同じように後味のもやもや感が強く残る作品だった。

作者には、この作品の少年が答えを持って湯川の研究室に入る未来を書いてほしいと思った。

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2022 8/17
推理小説
まろまろヒット率3

東野圭吾 『容疑者Xの献身』 文藝春秋  2005

渡邊義弘@今の職場は作家の東野圭吾が出身なことを話題にすることが多いです。

さて、東野圭吾 『容疑者Xの献身』 文藝春秋  2005。

花岡靖子と娘の美里は、突発的に元夫を殺してしまった。
不測の事態に戸惑う二人に対して、隣に住む数学教師、石神から協力の申し出があった…

「ガリレオ」シリーズ第3段。
東野圭吾が学生の時によく通っていた喫茶店、「アラジン」に置いていたのでお借りして読んだ一冊。

読んでみると、数学者と物理学者との対決という設定に、まず読んでいてワクワクした。
推理小説としての展開も見事で、334ページ目にある、

「刑事からアリバイを尋ねられた時、ありのままを答えながらも、本当は逆に問いたかった…」

、の箇所を読んだ時は、声を上げそうになったくらいの驚きがあった。
物語の終わり方も、東野圭吾の作品らしい切ない感じがあり、驚きと切なさを両立させた傑作。

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2022 8/3
推理小説
まろまろヒット率5

内田重久 『それからの三国志』 文芸社 2009

渡邊義弘@三国志を題材とした作品では、北方謙三版『三国志』『蒼天航路』が好きです。

さて、内田重久 『それからの三国志』 文芸社 2009。

『三国志』の主役の一人、諸葛亮孔明は五丈原での司馬懿仲達との対峙中に没する。
この物語は、諸葛亮孔明の死後から始まり、普が三国を統一するまでの30年の群像劇と社会変革が描かれていく…

最近よくお茶をご一緒する方からお聞きして手に取った一冊。
読んでみると、個々の人物に焦点を当てるだけでなく、古代社会から中世社会へと社会が変化していく様子を描写しようとしているのが印象的。

筆者は、研究者でも作家でもないが、独自研究をして書き上げたということで、巻末の評論でも指摘されているように、歴史としても小説としても突っ込みどころは多々見受けられる。
ただ、吉川英治版『三国志』などを代表にして、これまで取り上げられることが少なかった諸葛亮孔明死後の時代を題材にしたことや、独自研究で書き上げた筆者の自己実現力も合わせて感じるものがあった歴史小説。

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2022 7/30
歴史小説、三国志
まろまろヒット率3

有栖川有栖  『幻坂』 KADOKAWA 2016

渡邊義弘@まろまろ記が21周年を迎えました。

さて、有栖川有栖  『幻坂』 KADOKAWA 2016。

大阪にある天王寺七坂を中心とした名所旧跡(特に坂)を題材にした9編の短編集。
友人から誕生日プレゼントとしていただいた一冊。

読んでみると、どの作品も生と死についての「怪異」がテーマとなっていてる。
中でも、

亡くなった人に結婚の報告をする「真言坂」。

亡くなった人と割烹に行く「天神坂」。

、の2つが、なんとも言えない余韻の残る読後感で印象に残った。

作者があとがきで「大阪は怪談とあまり縁がないと思われがち」と書いているように、歴史はあっても知名度はあまりない大阪の名所旧跡(特に坂)を舞台にしているのが魅力の本。

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2022 7/29
小説、大阪
まろまろヒット率3

まろまろ記21周年

2001年7月19日から始まったこのまろまろ記(旧まろまろ読書日記)が21周年を迎える。

20周年からのこの1年を振り返ってみれば、前年に「書くこと」が自分の人生の課題だと気づき、
はしり書きを増やすことや、替え歌を作って特定の場所で披露するなどの活動を続けた。

特に、替え歌は二次創作としても取り組みやすく、さらにその場での反応もすぐ得られるので、自分に合っていると感じた。

また、替え歌を通して、「明るい曲調で切ない歌詞」の歌、または「サビを伸ばす」歌の2つが自分の好みであることに気づいた。

同時に、サッカーで言えば、センターでなくサイドに位置を取ること、ゴールでなくアシストをする役割が、自分がもっとも力を発揮できる位置と役割ということにもあらためて気づいた。

「書くこと」=「言葉を使うこと」で自分への気づきを積み上げた21周年。

2022 7/19
出来事メモ、サイト運営  

真嶋由貴恵 「eラーニングの学習効果を高める工夫点・改善点」 日総研 『看護人材育成』 vol. 18  No. 4 pp. 34-44 2021

title
真嶋由貴恵 「eラーニングの学習効果を高める工夫点・改善点」 日総研 『看護人材育成』 vol. 18  No. 4 pp. 34-44 2021

abstract
看護教育についてのeラーニングの事例解説

method
事例の解説

conclusion
「ICTだけでなく様々な技術が、医療・看護・福祉の手助けをしてくれます。それらを否定せず、いったん受け入れて活用する方法を創造し、未来の看護職を育てていきたいものです」

point
「教育者自身が自分で受けてきた教育を超えた未来を創造しなければならないと思います」

2022 7/8
看護教育、eラーニング
まろまろヒット率3

アルトゥール・ショーペンハウアー、鈴木芳子訳 『読書について』 光文社 2013

渡邊義弘@哲学書を読むと心が落ち着きます。

さて、アルトゥール・ショーペンハウアー、鈴木芳子訳 『読書について』 光文社 2013。

「自分の頭で考える」、「著述と文体について」、「読書について」の三編から成る哲学書。
特に印象に残ったのは…

○読書をしていると、ものを考える活動は大部分、棚上げされる
→自分の頭で考える営みをはなれて、読書にうつると、ほっとするのはそのためだ

○たくさんの本を読んでいると、何も考えずに暇つぶしができて骨休めにはなるが、自分の頭で考える能力がしだいに失われてゆく

…と、読書による安心感と、それによって思考力が衰えることを指摘しているところだ。
著者は思考力の低下という読書の負の面を強調しているけれど、読書をすると安心する点については、今風にいうとmindfulnessとして共感が持てた。

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2022 7/5
哲学、読書法
まろまろヒット率3