新将命 『図解リーダーシップ』 日本実業出版社 1995

リーダーシップのイメージをつかむために読んだ本。
予想どおりこうしたビジネス本によく見られる特徴で非科学的、
過剰に経験論的な部分もけっこうあったが、
示唆にとんでいたり良い表現をしているところも多かった。

特に印象の残ったのはマネイジャーリーダーとの違いのところで
「マネイジャーとは『正しくやる』」ことに主眼をおき、
「リーダーとは『正しいことをやる』」ことに主眼をおく。
「文化とは習慣の総和なり」
「ヘッドシップとリーダーシップとの違いは自分の上の人間にも
影響力を発揮できるかどうか」
「リーダーとは平凡な人に非凡な仕事をさせる人」
「代替案を伴わない批判は単なる誹謗にしか過ぎない」

それと最後のページにのっていた著者の好きな言葉でも良いのがあった、
覚えておこう(^^)
「コツコツカツ(勝つ)コツ」
「月が消えたら星をさがせ」
「肯定、肯定、また肯定!」

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1997 4/20
リーダーシップ論
まろまろヒット率3

『図解宰相列伝』 東京新聞出版局 1995改訂

伊藤博文から細川護煕までの近代日本の首相50人をそれぞれ
一ページで紹介している本。
最初の首相の出身職の統計などは時代を反映しているし、
各首相紹介はまるで「武将ファイル」のように読みやすく、
歴代首相の特徴をざっと理解するのには役立つ一冊。

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1997 4/13
歴史、政治学
まろまろヒット率3

D・カーネギー著 『カーネギー人生論』 創元社 1987

前々から見たり、聞いたりしていた名著。
あまりにも有名すぎてかえって読む気を無くしていたが、
実際に読むとどうしてなかなかばっちりはまった(^^)
目新しいこと、すごいことなどは無いが、普段から気にかけるべきことを
わかりやすく実感のこもる事例を通じて語ってくれている。
人に頼み事をする時にたいていの人は自分の都合しか口にしないこと、
間違いを見つけると自分の欲求だけを満足させるような注意をすぐにしたがることなど、
忘れやすいが重要な習性について言及しているのでこの本を何度が読み返す人が多いのも理解できる。

特に印象に残ったのはマッカーサーとチャーチルも書斎の壁に書いていたという
エイブラハム・リンカンの言葉・・・
「最後の結果が良ければ私に浴びせられた非難などは問題ではない。
もし最後の結果が良くなければ、十人の天使が私を弁護してくれたところで、
何の役にも立たない」

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1997 4/8
名言集
まろまろヒット率4

森毅 『数学的思考』 講談社 1991

自分は数学的なものが決定的に足りないので、
この時期に少しでも補おうと思って読んだ一冊。
著者が左派な上にもともと1964年に出版されたものなので、
どうも不適切な例えや納得できないものも多々あるが数学の流れ、
歴史などはとても良く分かる。
後半は数学教育論になっていまいち面白くないが、
前半の数学の迷信シリーズなどはためになると思う。
特に「公式を使うにしても、その公式のことをちゃんと知っていなないで
その公式には不適切な状況で使い、その公式が無意味だと認識する過ちが
多い」という風なことを言っていたのは社会科学にも当てはまると思う。
印象に残ったのは「自然科学の分野は、それぞれの境界が曖昧に
なってきている」というところ。
これは社会科学が現在直面していることでもある。

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1997 4/3
自然科学、数学
まろまろヒット率3

中野実 『日本の政治力学―誰が政策を決めるのか』 NHK出版 1993

佐藤ゼミのとりあえずの輪読書。
日本の公共政策の政策形成を中心に意思決定のさまを
視点を変えながらアプローチしている。
『現代日本の政策過程』(東大出版)の簡単版という感じの本。
特に戦後、日本の政治がどう変化していったかをわかりやすく解説している。
政府・与党幹部政治モデルの中の官邸政治(中曽根内閣)や
永田町政治モデルの族議員政治システム、ムード主導の世論政治などは
きちんとまとめられていて今まで断片的に知っていた項目について
理解が深まったと思う。
印象に残ったのは、日本の政治はダメだとか政治家が悪いとかいう論調を
よく耳にするしそれが一般論になっている。
しかしでは実際にどう悪く、そしてそれはどうしてなのか、
という説得力ある洞察にもとずいた論調があまりにも少ないというところと、
この責任はマスコミ報道もまた一役買っているというところ。
(政治もマスコミ報道も第三者的チェック期間が無いと言うところは同じで
一般の人々にあやまった認識を深めるばかりだ)

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1997 3/31
政治学
まろまろヒット率4

北原貞輔 『システム科学入門―社会科学の発展のために』 有斐閣 1986

関学KSCの服部から『超「熟眠短眠」法』とともに借りた本。
システム科学に関しては僕が読んだ初の書。
実は今日、東京へ出発だが、その前に何とか読破した(^^;
もともと工学の領域であったシステム科学、システム思考を社会科学にも
応用出来るようなかたちで紹介されている。
服部が引いた線がたくさんあったためか、とても読みやすく、
またわかりやすかった本。
特に序文、第7章:モデルとその活用、第8章:情報の意義と人間の情報活動、
第10章:進化、第11章:サイバネティクスは興味深く、
また復習の要ありと見た。
これを読み終えて、ちょっと感じたことは総合科学であるはずの
政策科学部には、こうした自然科学と社会科学との歩み寄り、
統合を試みる講義が驚くほど少ないということだ。
このことは一考に値する。

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1997 2/25
自然科学、学問一般
まろまろヒット率3

熊谷直 『司令官たちの決断―四つの戦場にみる危機管理とリーダーシップの本質』 徳間書店 1993

大学の古本市で見つけた本。
「四つの戦場にみる危機管理とリーダーシップの本質」という副題に
引かれて趣味的に購入した。
戦後の主要な戦争を題材としているが、記述としては・・・
第一章:湾岸戦争(フセインとシュワルツコフ中心)、
第二章:中東戦争(ダヤンとナセル、サダト中心)、
第三章:ヴェトナム戦争(ホー・チ・ミンとマクナマラ、
キッシンジャー中心)、第四章:朝鮮戦争(イ・スンマンとマッカーサー、
トルーマン中心)という風に純粋に軍事上の意思決定について
書かれたと言うよりも政治的な話が多かった。
純粋に軍事行為だけで成り立つ戦争など現代には特にありえないためか?
そしてこの本ではリーダーシップについて「目標達成に向けて指揮官、
経営者、指導者などが発揮する公式、非公式の力」と定義づけている。

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1997 7/23
リーダーシップ論、歴史、危機管理
まろまろヒット率2

西原理恵子・神足裕司 『それでも行きたい恨ミシュラン』 朝日新聞社 1994

関学KSCのよっしーの家で発見し、あまりに面白いので購入した 『恨ミシュラン』の第二段。
雑誌やテレビで紹介されたうまい店に行き、その店のネガティヴな面を見つけるという一見むちゃな本だが、
かなり筋の通った評価がめだつ。
この第二段は大阪も特集されていたが、彼らの批評は正しかった(^^)
また、青木光恵との貧乏話はかなり笑える。

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1997 2/22
ムック本、マンガ
まろまろヒット率4

会田雄次 『名将にみる生き方の極意』 PHP文庫 1997

主に戦国時代の武将を中心にフーシェやビスマルク、
カエサルなどの例を使ってそれぞれの局面に対しての心構えを述べている。
ビジネス書によくあるパターンだが、著者はことあるごとに
「Howto本ではない!」などと公言しているのがちょっと悲しい。
どうもかなりの老人らしく、著者の感性が古めかしく思えた。
しかしここで紹介されている多くの事例はまったくの事実であり、
それらを知るだけでも十分価値のある一冊だと思う。
また、どうでもいいことだがあまりよく知らなかった
蒲生氏郷のエピソードがいろいろ出てきたので勉強になった(^^)

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1997 2/18
歴史
まろまろヒット率 2