渡邊義弘@石垣市立図書館ソーシャルメディア講習会の講師をさせていただきました。
さて、坂井修一 『知っておきたい 情報社会の安全知識』 岩波書店 2010。
情報社会における危険性と安全知識を解説する情報セキュリティ本。
内容は・・・
○すべての物事を数として表現するのが、ITの本質
→「データ」だけでなく、「手順」にディジタルな表現を与え、これを処理できるようにしたことが、コンピュータの本質
→処理の万能性、変更の容易さと自由度がコンピュータをコンピュータたらしめている
<第2章 情報社会で何が起こっているのか>
○ITを介したコミュニケーションの注意点=
1:未知の相手に接するときは、相手が悪意をもっているかもしれないと想定すること
2:既知の相手に接するときは、面と向かって話をしているつもりになること
3:情報のやりとりには、第三者がのぞき見や改ざんをする可能性があることをを頭に入れておくこと
<第3章 どんな安全対策をとればいいのだろう>
・・・として、情報通信技術の特徴やそれを使う上での注意点をまとめている。
中でも印象深かったのは、ドストエフスキーの『悪霊』を引用しながら・・・
☆人のもつ負の面を理解することは、目の前に見えない相手と向き合うことが多い情報社会では、実に大事なこと
→情報社会の安全・安心の基盤には、必ず人間とは何か、社会の幸せとは何かを問うことが必要
<第3章 どんな安全対策をとればいいのだろう>
・・・と、マイナス面も含めた人間の理解の重要性を唱えているところだ。
総じて無難な内容の中に、著者の哲学がかいま見えたようで興味深かった。
2013 8/21
情報セキュリティ、情報リテラシー
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