沖縄県立八重山農林高等学校・八重山調理師会・石垣市共催「ジビエ調理開発ワークショップ」のコーディネーターをつとめる※1、※2。
石垣島では、キジやクジャク、イノシシなどの鳥獣被害が多く、その野生の鳥獣肉の活用が課題となっている。
イノシシはすでに食べる文化があるために活用するルートはあり、クジャクは羽を装飾として利用することもあるものの、キジは埋蔵処分されている。
その現状に対して、野生の鳥獣肉(ジビエ)の活用をしようという課題意識を持った学生が八重山農林高校にいることが、「平成29年は肉の年」の取り組みの中で分かった。
さらに畜産のコースを持つ開校80年の農業高校でも、野生の鳥獣肉の活用はこれまで実績が無かったとのこと。
「平成29年は肉の年」の冊子作りの企画の中で「未来をつくる人」というコーナーを提案した自分としても、新しい肉の利用を学生が取り組むというのは、企画の趣旨に合致すると感じ、コーディネートを担うことになった。
コーディネートを担った自分は、実施に向けた課題整理と意義の確認をしながら、石垣市の畜産課や鳥獣対策をしている農政経済課などの行政とジビエの調理経験がある八重山調理師会をつなげた。
また、八重山農林高校の担任の先生と協議しながら当日のプログラムも作り、産学官の連携がスムーズに進むように取り組んだ。
当日は、八重山農林高校の調理実習室にて、今回のワークショップの目的と自己紹介、調理師の方から野生肉の特徴や調理をする際に気をつける点のレクチャー、そして学生も加わっての調理の実習が実施された。
対話しながらのワークショップだったので学生の意見も入れながら完成したのは、キジの燻製、キジから出汁を取ったキジそば、真空パックによる湯煎調理などの複数の試作品。
どれも滋味深くて、キジ肉の美味しさを感じられるものばかりだった。
コーディネーターとしては、石垣島で初めての産学官連携のジビエ調理開発ワークショップとなったという意義に加えて、何よりもこれからの未来を担う学生と、提供側の調理師の方々とが笑顔でワークショップを進めることができたことが成果だと感じた。
石垣島の未来に貢献できる機会をいただけて嬉しく感じた取り組みでもある。
2017 6/12
出来事メモ、講師
※1:2017年6月13日 『八重山毎日新聞』・第8面 「キジでジビエ料理開発 八重農が調理師会と連携」
※2:2017年6月13日 『八重山日報』・第7面 「八重農 ジビエで農家を救え! キジのアイデア料理11品」
追記:論文発表。