三好徹 『チェ・ゲバラ伝』 文藝春秋 1971

読書会のアップが減って、「ああ、僕がメール送信を少なくするなんて
いそがしいんやなあ」と客観的に感じてしまっている
らぶナベ@河原町を夜歩行者天国にしてイベントをおこなうという
プロジェクト「KYO(京都の夜は俺のもの)」がどうやら実現しそうっす。
吉本興業と立命館大学生が京都の夜をプロデュースするという
わかりやすい企画が受けたようっす。実現したら招待するので来てねっ(^^)

さて、あんまり前振り長くするとまた愛子に怒られるので本題、本題。
思わず読んでしまった革命家の本を・・・
『チェ・ゲバラ伝』三好徹著 文芸春秋
父親の本棚の奥から発見した本。60年代学生運動の象徴でもあったようだ。
39年の彼の人生の概略はアルゼンチンの名家に生まれ、
医者の資格を得てイースター島のハンセン病施設に赴任する途中に
メキシコで知り合ったカストロと共にキューバに侵入、
そこでゲリラ戦を指揮しながらキューバ革命で中心的役割を担う。
革命成功後は中央銀行総裁や工業大臣を歴任。
JFKとCIAのキューバ進行作戦ピッグスワン事件
(キューバ危機の遠縁になったことで有名)を卓越した作戦指揮で阻止。
その後、すべての職を辞職して3大陸革命を実現させるために
ボリビアに渡り、ゲリラ戦を展開。
そこでCIAの支援を受けたボリビア政府軍に捕まり、
法廷にかけられることなく射殺される。
普段はもの静かでありながら強烈なロマンティスト、
これはキューバ革命の盟友カストロが普段は激情でありながら
冷徹なまでにリアリストであったことと対をなして興味深い。
こんなむちゃな人生嫌いでは無い(^^)

・・・ちなみに僕がこの本を読むきっかけは彼の名前は
よく聞くが実際にはどんな人生をおくったのかは詳しく知らなかったので
興味を持ったことと、『少女革命ウテナ』
かなりはまっているということもあったんすよ(^^)
さあ、みんなで叫ぼう!!
「世界を革命するために!!」(ウテナ風に(^o^))
・・・って書いたらまるで痛いやつやん(笑)

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1997 11/29
歴史
まろまろヒット率3

嶋津祐一 『絶対負けないゲーム理論の思考法』 日本実業出版社 1997

読んでいてやたらと前に読んだことのある『戦略的思考とは何か』
(TBSブリタニカ)に出て来た事例が多いなあと思ったら、
この本の編者は『戦略的思考とは何か』の訳者であると気づく(^^;
ただ、ゲーム理論のエッセンスを理解するという点では
こっちの本の方がずっと読みやすく、かつわかりやすかった。
ゲーム理論に関しては「相手が合理的行為者(アリソン風に)で
なければ意味がない」とか「実行段階での不確定要素を排除し過ぎる」など
などのさまざまな批判があるようだが、僕としてはゲーム理論を考える上で
まず前提となる利得表の数値化がはたして可能なのかという点が
もっとも気になる。
この戦略ごとの結果および影響の数値化がまず割出せないとゲーム理論の
思考が始められないわけだが、「そもそも数値化できるくらいの
状況判断が出来ているなら戦略なんて必要ないやろ」と思ってしまう。
これは僕が政策形成論のゼミにいるからか?(笑)
このことについてはゲーム理論の創始者、ノイマンがその著書の中で
頻繁にポーカーの例えを引用して研究していたにもかかわらず、
実際のプレイヤーとしては絶好の鴨だったというエピソードが
すべてを語っているような気がする(^^)

ゲーム理論とは現状で使う戦略を選びだす道具よいうよりも
終わってからの分析に使う理論のように思われる。
また、ゲーム理論では「勝っても最も少ない勝ち方、負けても
最悪ではない負け方」という現状にできるだけ近い選択を選びだすという
性質があるため、状況を一変させなくてはならないような状況下での
戦略的思考としてはあまり適切な思考法とは言えないと思う。
社会に変化が少ない時期の「無難」な戦略と言えると思う。

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1997 11/24
ゲーム理論、意思決定論、戦略論
まろまろヒット率3

中島一 『意思決定論入門』 日本経済新聞出版社 1990

高野が読書会にアップしていたので興味を感じ読んだ本。
意思決定なので数式が多いかなと思ったが入門ということで記述だけだっ
た。これを読んで意思決定がわかったと思ってはいけないがINTRODUCTION
という点ではまさに最適、文字どおり「入門書」と言ったところ。
印象深かったのはリスクマネイジメントに関して「リスクを考慮する時は
リスク自体を具体化して捉える」とうことだ。
漠然とリスクを捉えてしまってはリスクを過少評価、反対に
過大評価してしまう可能性が高いとのこと。
たしかに不安は人間をもっとも感情的にしてしまう要素であるので、
この「リスクの具体化」というのは強調すべき点だと思う。
また、本の最後のところで「できない理由」をあげて文句をや
言い訳をしたがるのはサラリーマン根性、「なぜできないのか、
ではどうすれば可能かのか?」と可能にする理由まで考えられて
はじめて物事は進むという箇所は僕が今やっている
吉本興業事業化企画を考える上で大いに参考になると思う。

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1997 10/25
意思決定論
まろまろヒット率3

小野光一 『完全犯罪捜査マニュアル』 太田出版 1995

警視庁内部雑誌『第一線』や内部資料などを多様に引用して、
犯罪の発生から起訴にいたるまでの捜査の流れを解説した本。
1:捜査手順、2:現場観察、3:鑑識、4:検視、5:聞き込み、
6:尾行・張り込み、7:盗聴・探知、8:取り調べ、
9:強盗・詐欺・誘拐、10:迷宮入り事件
・・・の10章から成り立っている。
読みおえての率直な意見・・「犯罪は簡単におこされへん、だって確実につかまるもん」。
警察はやはり犯罪捜査のプロで何十年も犯罪捜査をおこなってきているのに、
犯罪者がその場の衝動や1、2ヶ月考えたくらいの犯罪は簡単に
検挙できるってことをまざまざと思わされた。
特に2:現場観察では他殺と自殺・事故の見分け方とその過程が詳細に
解説されていて「これは自殺・事故に見せ掛けて人を殺すのは
まず無理やなあ」と感心させられたし、3:鑑識では犯人と関係がある
遺留品の捜査は工場からの出荷から当たっていくというその執念に
おどろいた(その数、数十万個にのぼることはざら)。
また、5:聞き込みと8:取り調べでも
「お前そこまで考えてやっとんのか~っい!」という驚きがあった。
やっぱりプロにはかなわないっすぅ。
しかし、10:迷宮入り事件では殺人事件に関しては長く
検挙率96%以上を誇った日本の警察機構も現在転換期にあるということを述べている。
いままでの事件は主に痴情・怨念・金銭のどれかに
必ず含まれていたので意外と捜査の方法としては
単純に進行していけるのだが、最近は犯罪のプロ化が急速に
進んでいるとのこと、ち密な計画、意志統一が徹底されている
集団行動にもとづいた事件が多くなってきている。
その上に警察機構のレヴェルでは捜査が続けられない日本の闇の部分からの
犯罪発生も多くなってきている(住友銀行支店長社射殺事件が有名)。
これを読めば「ふむふむ、警察機構のトップに発言力がある組織に
所属・関係してなおかつ計画をばっちり立てて冷静かつすみやかに
集団行動できれば犯罪してもつかまれへんねんなあ」ということを
考えてしまう。実はそれこそが迷宮入りしている事件の
共通点であることに気付いたのがうれしい(^^)
ちなみにどうでもいいが、「現場観察には順序がある。全体から部分へ、
外から内へ、左(右)から右(左)へ、下から上えという流れだ。」という
記述にはその根拠が書かれていなかったがほんとうに有効なのか??

それとひさしぶりに本読み終えて思ったが、やっぱり本読まないとダメだ。
読書をしていかないと抜けるばっかりで考えることが苦痛になってしまう。
読書量と思考力が比例するっていう迷信はある程度当たってると思った(^^)

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1997 10/15
ムック本
まろまろヒット率3

司馬遼太郎 『最後の将軍』 文藝春秋 1997

『三菱総研戦略革新ノート』を読んでいるうちに、
その内容のあまりの味気なさ薄さを紛らわすために
併読しはじめた徳川幕府最後の将軍、徳川慶喜の本。
そもそも8月の交流会の晩に濃い話をしていたとき慶喜への評価が
話題にのぼったときから気になっていた。
読んだ感想としての彼の像は何でもそつなくこなしかつ理解力と鋭敏さは
非常に優れているが度胸や思いやりが決定的に欠けた人物というものだ。
将軍というよりもそれを支える軍師のほうが彼の性にはあっていたようだ。
来年の大河ドラマで彼を演じるのはもっくん・・・イメージにぴったりだ(^^)
司馬遼太郎自身が書いたあとがきでふれたれた
政治家を小説の主人公にすることの難しさについて・・・
「なぜならば政治家は政治的事象のなかでしか存在せず、
当然なことながら政治的事象の変転のなかでしかとらえられない。
政治的事象を数貢にわたってるるとのべ、そのあげくに、
ようやく数行だけその人物をえがくことがやっと可能である・・・」
という言葉は言い得て妙だと思う(^_^)

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1997 9/5
小説、歴史
まろまろヒット率3

三菱総研経営コンサルティング部・牧野昇 『三菱総研戦略革新ノート』 プレジデント社 1992

9月8日から本格的に始まる吉本興業インターンシップに関しての
何か参考になるかと思って読んだ本。
もともと大学の古本市で300円で買ったものだが、
これほど記述すべき点が少ないビジネス書もめずらしい。
主にCIを中心に政策提言をしているのだが、非常に具体性に欠け
イメージ先行の主張になっている。まるで広告代理店のような本。
この薄さは1992年出版という時期も影響しているのかなあ?

そこそこ面白いと思ったのは「何ができるのか?」という分析先行の
環境・資源適合型アプローチと「何をしたいのか?」という
意思先行のソフト・システム型アプローチの記述だけ。
でもこれも今さらこんな言い方しなくても良いのにと思う。

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1997 9/3
戦略論、経営学
まろまろヒット率1

田岡信夫 『ランチェスター販売戦略』 サンマーク出版 1992

マーケティング戦略の基本中の基本であるランチェスター戦略に
関して書かれた定番本。
古い本であるので、例えや実例研究などがかなり古い感はあるが
(問屋の戦略など)これくらいは知っておかなくてはいけないと
いけないだろうと思わせる記述が多かった。

特に占拠率(シェア)が41.7%ならば安全圏73.88%ならば独占
たとえ一位であっても26.12%以下ではその地位に値しないという
数値は暗記すべき。

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1997 8/17
戦略論、経営学、マーケティング
まろまろヒット率3

上原学 『こうすれば中小企業診断士になれる』 中央経済社 1995(第3版)

大学の古本市で仕入れた定番ハウトゥ本。
前半の経営コンサルタントについての記述は抽象的で
あまり参考にはならなかったが、体験者の談がおもしろかった。
中小企業診断士は商業部門、工鉱業部門、情報部門にわかれているが
僕は情報部門で受けるつもりなのだが、問題を見るとシスアドの試験と
かなり通じるところが多いので10月のにシスアドを受けてから
勉強を初めることにする。

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1997 8/10
資格関係
まろまろヒット率2

青木雄二 『ナニワ金融道』 講談社(全19巻) 1991

前々から機会があれ読みたいと思っていたので
たまたま所有していた友人から借りた漫画。
今まで自分がいかに手形、賃貸などの契約一般について無知か
痛感させられた。ひじょうにためになる一冊!!
これをきっかけにもう少し商法を学ばねば!

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1997 8/10
経営学、哲学、商法、マンガ
まろまろヒット率4

大島直政 『ケマル・パシャ伝』 新潮社 1984

大学の古本市でたまたま手に入れた本。まえまえから
ケマル・パシャについてはかなり興味があったので迷わず購入した。
20世紀はじめに英仏伊そしてギリシアによるトルコ領土分割に
新政府を設立して戦い、その領土を回復しただけでなく帝政を倒し、
かつイスラム諸国では希有な政教分離をおこない、
完全女性参政権を認めただけでなくトルコ語のアルファベット表記、
義務教育の普及などの軍事、政治、文化革命をその一代でなしとげた
20世紀でも有数のリーダーの伝記。
いくら伝記とはいえ、著者少しケマル・パシャを買いかぶりすぎている感は
あるが、リーダーの最も重要な要素である「結果を残す」という点では
ケマルの右に出るリーダーはごく少ないだろう。
ちなみに現地ではケマル・アタトュルク(トルコの父)と呼ばれている。

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1997 8/4
歴史
まろまろヒット率3