小野光一 『完全犯罪捜査マニュアル』 太田出版 1995

警視庁内部雑誌『第一線』や内部資料などを多様に引用して、
犯罪の発生から起訴にいたるまでの捜査の流れを解説した本。
1:捜査手順、2:現場観察、3:鑑識、4:検視、5:聞き込み、
6:尾行・張り込み、7:盗聴・探知、8:取り調べ、
9:強盗・詐欺・誘拐、10:迷宮入り事件
・・・の10章から成り立っている。
読みおえての率直な意見・・「犯罪は簡単におこされへん、だって確実につかまるもん」。
警察はやはり犯罪捜査のプロで何十年も犯罪捜査をおこなってきているのに、
犯罪者がその場の衝動や1、2ヶ月考えたくらいの犯罪は簡単に
検挙できるってことをまざまざと思わされた。
特に2:現場観察では他殺と自殺・事故の見分け方とその過程が詳細に
解説されていて「これは自殺・事故に見せ掛けて人を殺すのは
まず無理やなあ」と感心させられたし、3:鑑識では犯人と関係がある
遺留品の捜査は工場からの出荷から当たっていくというその執念に
おどろいた(その数、数十万個にのぼることはざら)。
また、5:聞き込みと8:取り調べでも
「お前そこまで考えてやっとんのか~っい!」という驚きがあった。
やっぱりプロにはかなわないっすぅ。
しかし、10:迷宮入り事件では殺人事件に関しては長く
検挙率96%以上を誇った日本の警察機構も現在転換期にあるということを述べている。
いままでの事件は主に痴情・怨念・金銭のどれかに
必ず含まれていたので意外と捜査の方法としては
単純に進行していけるのだが、最近は犯罪のプロ化が急速に
進んでいるとのこと、ち密な計画、意志統一が徹底されている
集団行動にもとづいた事件が多くなってきている。
その上に警察機構のレヴェルでは捜査が続けられない日本の闇の部分からの
犯罪発生も多くなってきている(住友銀行支店長社射殺事件が有名)。
これを読めば「ふむふむ、警察機構のトップに発言力がある組織に
所属・関係してなおかつ計画をばっちり立てて冷静かつすみやかに
集団行動できれば犯罪してもつかまれへんねんなあ」ということを
考えてしまう。実はそれこそが迷宮入りしている事件の
共通点であることに気付いたのがうれしい(^^)
ちなみにどうでもいいが、「現場観察には順序がある。全体から部分へ、
外から内へ、左(右)から右(左)へ、下から上えという流れだ。」という
記述にはその根拠が書かれていなかったがほんとうに有効なのか??

それとひさしぶりに本読み終えて思ったが、やっぱり本読まないとダメだ。
読書をしていかないと抜けるばっかりで考えることが苦痛になってしまう。
読書量と思考力が比例するっていう迷信はある程度当たってると思った(^^)

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1997 10/15
ムック本
まろまろヒット率3

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