武田友紀 『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本』 飛鳥新社 2018 

渡邊義弘@11年半ぶりに佃 (佃島) を訪れました。

さて、武田友紀 『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本』 飛鳥新社 2018。

繊細さん=HSP (Highly Senstive person) が、より生きやすくなるように解説する一冊。
まろみあんの方からお借りして読んでみると、痛いほど身につまされるところがあった。
この本でも引用されていた、『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』 (、エレイン・N. アーロン) は以前も読んだことがあったけど、この本の内容はさらに心に刺さった。
以下は、印象に残った個所と「→」はそれに対する私のコメント。


☆考えすぎて動けないとき、合言葉は「ベストはさておき、とりあえず!」で前に進んでみてください
<第1章 繊細さんラクになれる基本>

→「とりあえずという言葉は使う”べき”ではない」とべき論を強く思っていたことが、負の自己暗示となっていたのを反省。
私にとってはより口にしやすい、「ひとまず」や「まずは」などの同意語を使うようにしたい。

〇気づいたときにわずかでも踏みとどまって「私はどうしたいんだっけ?」と自分に問いかけ、対応するかどうか、また対応するならその方法を、自分で「選ぶ」ことが必要
<第1章 繊細さんラクになれる基本>  

→条件反射的に、この本の表現なら「半自動的に対応し、振り回されている」状態、になっていたことを、一呼吸おいて自分に問いかけることができるようになることが自分にとっても周りにとっても良い方向性なんだろうと感じる。

〇「一つひとつやっていこう!」という合言葉には、目の前の仕事とは関係ない考えを頭から追い払う効果
<第4章 肩の力を抜いてのびのび働く技術>

→気疲れ、この本の表現なら、「考え疲れ」になりやすい自分にとっては、意識すると効果がありそう。

〇優先順位をつけるより、重要なものをひとつだけ選ぶ
<第4章 肩の力を抜いてのびのび働く技術>

→「優先順位をつけようとしてますます混乱する」という人がいる、というこの本の表現は、自分のことだと感じ、この方法を試してみようと思った。

〇「こうしたい」は、本音の可能性がありますが、「こうしなきゃ」は、世間の声
<第5章 繊細さんが自分を活かす技術>

→「したい」や「好き」の感情はワガママだから気する”べき”ではない。
また、たまに出したワガママを指摘されるとすごく落ち込む、というこれまでも自分を振り返ると痛いところ。
「こうしなきゃ」と「こうすべき」は短期間の踏ん張りには向いているものの、長期間の指針にはなりにくいことを感じる。

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2020 9/11
HSP、心理学
まろまろヒット率4

森玲奈 「ワークショップデザインの熟練と実践家育成に関する総合的研究」 東京大学 博士論文 (学際情報学) 2013

title
森玲奈 「ワークショップデザインの熟練と実践家育成に関する総合的研究」 東京大学 博士論文 (学際情報学) 2013

abstract
研究の目的はワークショップのデザイン過程におけるベテラン実践家の特徴的思考を明らかにすること
はじめに:本論全体の目的
第1章:研究の背景と目的
第2章:ワークショップ実践家の専門性とは何か
第3章:ワークショップ実践家の思考過程
第4章:ワークショップデザインにおける熟練の契機
終章:ワークショップ実践家の育成における課題と提言
おわりに:今後の課題

method
ベテラン実践家とその集団に属する初心者2組を選定し、発話思考法を用いた実験

conclusion
ベテランにおけるデザイン時の発話には、依頼内容の確認・解釈の後、コンセプトの立案を行うという共通の流れがあることが明らかになった
また、ベテランの特徴として、(1)依頼内容に対する幅広い確認を行うこと、(2)デザインの仮枠となるデザインモデルを使用すること、(3)保留や選択の余地を残した「やわらかな決定」を行うこと、(4)スタッフの育成に対する意識とデザイン力を持つこと、(5)過去の実践体験の想起や経験から構築された慣習を用いてデザインを行うこと、が明らかになった

point
終章 (ワークショップ実践家の育成における熟練の契機) にoriginality

2020 8/13
ワークショップ、博士論文
まろまろヒット率3

南砺福野高等学校・南砺福光高等学校・南砺平高等学校の3校合同「大漁旗プロジェクト」ワークショップ (オンライン) の司会とファシリテーターをつとめる

南砺福野高等学校・南砺福光高等学校・南砺平高等学校 (すべて富山県立) の3校合同「大漁旗プロジェクト」ワークショップ (オンライン) の司会とファシリテーターをつとめる※1,2,3,4。

当日は司会としての全体進行に加えて、STEP1:「SDGsの理解となんとの特徴」、STEP2:「最新の研究紹介」、STEP3:「もしかするなんと」の3部構成の中で、
STEP1とSTEP2のファシリテーションに入り、参加者がワークショップに集中できるようなファシリテーションを担った。

このワークショップは、4月から入った勤務先での初めてとなるワークショップ運営であり、またオンラインでの開催自体も初めて経験する機会となった。
そのため準備段階から不安と緊張感があったが、結果として参加者である高校生のみなさんが笑顔で、ジブンゴトとして取り組んでいただいた。
参加者が盛り上がっていただくことで救われた気がした初のオンライン・ワークショップ。

2020 8/7
出来事メモ

※1:2020年8月8日 『北日本新聞』・第27面 「大漁旗デザイン挑む 南砺の3高校 ワークショップ」

※2:2020年8月8日 『富山新聞』・第23面 「南砺の魅力 大漁旗に描く 福野・福光・平の3高 合同制作」

※3:2020年8月8日 『北陸中日新聞』・第12面 「南砺の大漁旗 東大に掲げよう 高校生、図案話し合う」

※4:2020年9月30日 『北日本新聞』・第23面 「南砺の魅力 大漁旗に 3高校生がデザイン」

まろまろ記19周年

2001年7月19日から始まったこのまろまろ記(旧まろまろ読書日記)が19周年を迎える。

18周年からのこの1年を振り返ってみれば、

論文として、

渡邊義弘 「石垣島の高校生と協働した地元水産物販売店「さしみ屋」の調査と出版~若者の水産物消費促進に向けた”石垣島モデル”の展開~」 全国漁業協同組合連合会(JF) 『漁協(くみあい)』 173号 pp. 22-25 2019

、を発表したことが特徴として挙げられる。

また、東京に18年ぶりに引越するという、大きな環境の変化もあった。

サイト運営でも、発表論文日記の2つのカテゴリを新設した。
産み出すことと、積み上げることの2つに力点を置いた19周年。

2020 7/19
出来事メモ、サイト運営

石井和之 「念願であった広報室の設立の経緯-生研の宝の情報を発信!-」 東京大学生産技術研究所 『生産研究』 71巻 3号 pp. 140-143 2019

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石井和之 「念願であった広報室の設立の経緯-生研の宝の情報を発信!-」 東京大学生産技術研究所 『生産研究』 71巻 3号 pp. 140-143 2019

abstract
東京大学生産技術研究所の情報発信力・ ブランディング力強化を目的として、平成29年4月に広報室が新設されたことの背景と経緯

method
背景と経緯の解説

conclusion
Press Releaseの工夫により記事掲載件数が大幅に増加、Press Release件数は設置前の3倍程度、 AAAS(米国科学振興協会)年会に参加、英文広報誌”UTokyo-IIS Bulletin”を立ち上げなどにより、情報発信力が大幅に向上したことが統計的にも明らか

point
成果のアウトリーチ活動については、長年改善点が指摘されていたへの組織的解決の背景と経緯を解説

2020 7/15
広報室新設経緯
まろまろヒット率3

大木秀一・彦聖美 「研究方法論としての文献レビュー-英米の書籍による検討-」 石川県立看護大学 『Ishikawa Journal of Nursing』 Vol.10 pp. 7-18 2013

title
大木秀一・彦聖美 「研究方法論としての文献レビュー-英米の書籍による検討-」 石川県立看護大学 『Ishikawa Journal of Nursing』 Vol.10 pp. 7-18 2013  

abstract
英米の書籍(基本書)をもとに研究方法論としての文献レビュー(文献研究)について検討

method
インターネットで書籍検索を実施 “優れた文献レビューには網羅性(情報量)と独創性の2 側面が要求される

conclusion
文献レビューのトレーニングは,文献検索(情報収集)能力,文献の品質評価能力,各種データの統合力,オリジナリティの創出力,学術的作文能力など,研究に必要な基礎的能力を習得する機会として有用
” exhaustively/exhaustiveness( 網羅性) やcomprehensiveness( 包括性) という側面とoriginality(独創性)novelty(新規性)という側面が求められる

point
exhaustively/exhaustiveness( 網羅性) やcomprehensiveness( 包括性) という側面とoriginality(独創性)novelty(新規性)という側面が求められる

2020 6/1
文献レビュー
まろまろヒット率3

今岡和彦 『東京大学第二工学部』 講談社 1987

渡邊義弘@名古屋から東京に引越しました。

1942年から1951年まで9年間、8期の卒業生を出した東京大学(当時は東京帝国大学)第二工学部の歴史と、
関係者、特に約30名の卒業生へのインタビューを中心に構成している一冊。

読んでみると、第二工学部(二工)の設立経緯が、当時の時代背景と合わせて丁寧に解説されている。
また、この本の最大の特徴である卒業生へのインタビューも、太平洋戦戦争の前後という混乱期にあって、
したたかにたくましく生きた当時の学生の様子が活き活きと伝わってくるものになっている。

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2020 4/28
歴史、インタビュー、大学史
まろまろヒット率3

自分を守るためならどんな自己犠牲も厭わない人だけが、他人を助けることができる

自分を守るためならどんな自己犠牲も厭わない人だけが、他人を助けることができる。

自分を守るためには、自分の金も、時間も、労力も、恥をかくことも、自己同一性を壊すことさえ厭わない。
そんな人だけが、他人を助けることができる。

自分を守るために自分の資源を使うことにためらってはいけない。

<コロナウイルスの流行に対処して>

2020 4/8
はしり書き

東京大学生産技術研究所の学術支援専門職員に任用される

東京大学生産技術研究所の地域連携担当として学術支援専門職員に任用される。

産学官連携・地域連携は、現代の「三方良し」 (売り手良し・買い手良し・世間良し) だと考えて、これまで取り組んできたテーマだ。
中でも「地域と大学のかけ橋」は、今回の勤務先の大学院生だった13年前に目指したものだ。
その時の挑戦は上手くいかず、浅くない痛手も負った。
それから松阪市常滑市石垣市名古屋大学などで取り組んできたこの「地域と大学のかけ橋」というテーマを、
13年の月日を経て、発端となった母校で取り組めることには、大きなやりがいを感じる。

足し算でも掛け算でもかわまない。
自分が思う10を目指せ。

2020 4/1
出来事メモ、進路関係