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さて、『三井高利』中田易直著(吉川弘文館)1988。
江戸時代に松阪(当時は”松坂”)に生まれ育ち、呉服店(越後屋)と両替店で成功して三井財閥の基礎を作った三井高利の伝記。
三井高利は、松阪商人(伊勢商人)を代表する人物ではあるけれど、史料に基づいた伝記は少ない。
この本は、歴史学のアプローチから三井高利の実像に迫ろうとする貴重な一冊。
内容は、三井高利の経営手法と共に、三井高利が生きた江戸時代初期の経済状況について詳細に記述されているのが特徴。
特に、呉服業と並んで事業の中心となる両替業について詳しく書かれているので、当時の金融システムが理解できるものになっている。
また、三井高利個人の経歴としても、江戸に自分の店を出したのが50代になってからという遅咲きの点。
幕府や大名などの公権力との不即不離(付かず離れず)の姿勢が印象深い。
時代背景と個人とのバランスが良い伝記。
2012 12/9
伝記、経済、経営
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