林原めぐみ 『明日があるさ』 学研 1996

お久しぶりです、はっちーのアドレス帳から外れていたという事実が
発覚した(笑)らぶらぶナベ@ゼミ選択悩みまくりっす(^^)

いやあ、笑えたしこの時期に読んだからでしょう、とても感動しましたよ、
林原めぐみの『明日があるさ』(学研)というエッセイを読んだんですが
これがひさびさの大当たりでした(^_^)

この人は声優なんですが、元々看護婦で様々な経緯で声優になった人です。
この人の仕事や日常のほんのちょっとしたことにもよく現れてくる
彼女のスタンスが面白おかしく書かれていて、とても面白かったですよ!
常に積極的に、つらいときこそ積極的に正直にという彼女の生き方が
肩ひじ張らずに自然な感じで伝わってきて、ちょっと幸せになれました。
基本的に漫画も入ったギャグ系の軽い本なんですが、ちょっとしたことに
とても考えさせられたりさせてもらえます。
本の冒頭で「私は今とても楽しいお仕事をしています。
そしてとても楽しく人生しています」と書いていることが読み終わって
納得できてしまいます。
特に彼女がずっと「ラジオのDJしたい」と思っていたことが実現した経緯や
それが実現したことに対する彼女なりの解釈は素直に泣けます(本当っすよ)

別に決意とかじゃなくて、ほんのちょっと意識して日常のことの見方を
ポジティヴにすることでいかに人生を楽しめるかってことがここに書いてあります。
こう書くと安易な言葉が多そうで、安易な本のように
思われるかもしれませんが安易に読めても安易に感動してはいけないように
思える本だと思います。
漫画やイラストも多くてなおかつ字も大きいのですぐに読めるので
この本はお勧めっす!
何か気持ちを楽に、前向きにさせてくれます。
どこの世界でも「傑出した人物」には学ぶところ
魅力が多いと言うことでしょうか?

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1996 10/16
エッセイ、自伝
まろまろヒット率4

トム・ピーターズ、 平野勇夫訳 『経営破壊』 TBSブリタニカ 1994

細井助教授が「現代企業論」で奨めていた本のリストで
一番惹かれた本の一つ。
マレーシア帰りの感染症のため緊急入院中に読んだ。
いかにもアメリカのコンサルトらしくかなり過激な強調が
目立ってちょっとうさんくさい(笑)が多くの実例、
名言などを引用しているため説得力がありなによりみずみずしい本。

特に感心したり、これは使えると思ったところは・・・
「年に四回履歴書を書いてみる」
=これは自己生涯学習を客観的に見るために使える方法。

また、「過去一年間に学んだことを具体的に説明し、
一年前に比べ自分の価値がどれだけ増したかを具体的に示す」
・・・これには付属があって・・・
「自分のネットワークで新たに開発した人脈を示す」と
「1:今年になって自分がした一番風変わりなこと
2:自分がトライしてみたいクレージーなこと
3:自分がおかした一番奇抜な失敗
4:ばかばかしいと思う会社(コミュニティーでも可だろう)の
ルールを5つ」を一緒に書いてみるのを勧めている。
確かに年に一回実際に書いてみるのもとても有益かつ
人生の財産になるだろう。さっそくパクらしてもらおう(^^)

「真面目くさった面白味を表現できない人間が
『自由に、エキサイティングに、創造的に!』と叫んでも説得力は全く無い、
故に多くの改革は失敗する」なるほど言えてる、言えてる。
そういう人間に限って「どうしてもっとみんなエキサイティングに
ならないだ!」と憤慨する、おまえが一番エキサイティング
という言葉から遠いからや(^_^)

「誰もやっていないからといって不可能なわけではない
(元MSIのCEOビル・マガウアン)」これは有り触れた言葉だけど
この人が言ったセリフということで感動する。

そして最後に著者が有力な革命的リーダーから学んだ5つをまとめると・・・
「全速力でぶっ飛ばす(マイク・ウォルシュ)」
「行動だ(エド・マクラッケン)」
「失敗を歓迎する(リチャード・ブラウン)」
「気の抜けた返事はゴメン(山内博)」
「混乱のさなかの集中(ロジャー・ミリケン)」
・・・ということらしい。たしかに最後の言葉は
「混乱の中で集中できた者こそ混乱を乗り越えられる」
という言葉に似ていてうれしい。

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1996 9/27
経営学
まろまろヒット率4

竹田青嗣 『自分を知るための哲学入門』 筑摩書房 1993

マレーシア渡航前から読んでいた本。初の哲学書。
前半は著者の哲学観が実体験を元にのべられていて興味深かったが
後半のギリシア哲学から現代思想までの流れの概要はいまいちだった。
とにもかくにもこれが初の哲学の本。

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1996 9/24
哲学
まろまろヒット率3

マレーシア・プロジェクト

大学二回生最大のイベントの一つ研究入門フォーラムマレーシアプロジェクト実施。
このプロジェクトにすると決めてからこの時をめざして今まで生活してきた。
そして生まれて初めての海外渡航にもあたる。
最初に訪れたクアラルンプールではマラヤ大学で経済学と環境学の教授の講義を受けた。
学部長クラスが引率役のモンテ・カセム教授に挨拶に来るのには驚いた。
やはりこの人ただものではないと思っていたら「わたしここで教えてました」とのこと。
安心して彼についていくと同じところを二度ほどぐるぐる回る。
「どうたんですか?」と聞くと「場所わからないです」とのこと。
やはり別の意味でただものではない。(そういうとこめっちゃ好き)
マラッカではかつての貿易国をしのばせる遺跡と味のある町並みを見ることができた。
最大の目的地であるボルネオ島に渡ってからは、
コタキナバルで大学院を休学して現地の研究所で働く日本人と会って刺激を受けたり、
水辺のスカウで見たこともない生物を多く見たし、
オランウータンを野生に還すためのオランウータンリハビリセンターにも行けた。
サバ研究所では床一面ゴキブリがうごめく洞窟に行くことにもなった。
歩いている途中に滑ってゴキブリ大集合な地面に転びそうになった時は
人生で二番目くらいにヒヤッとした。
他にもジャングルで襲ってくるヒルたちなど強烈なインパクトを受けた。
さらに東南アジア最高峰のキナバル山に苦しみながらも二日かけて登った
(ロッジでは体調を崩して眠れなかった)ことなど忘れられないものばかりだ。
あ、それと帰国後にマラリアの疑いがあるとして緊急入院したことも(笑)

様々なことを学んだが一番の収穫の一つはカセム教授の30年にわたる
蓄積の片鱗を見れたことだ、例えば15日のサンダカン空港での
レクチャーでは「インタビュー、ヒアリングをする時にはそれについて
『どんな資料があるのか』必ず聞く」
また、興味ある土地に行ったときのテクニックとして・・・
「まず、一番大事な地理的要因をつかむ」
「人が住んでいるところを見つける」
「人が集まるところはどこかを見つける」
「商業地はどこに位置しているかを見つける」
以上を意識して歩けば後々はっきりしたイメージとして
浮かび資料を調べたときも吸収が早いとのことだった。
1996 9/2~21
出来事メモ、海外体験記

(キナバル山山頂付近にて)

童門冬二 『小説 上杉鷹山』 学陽書房 上下巻 1983

僕は上杉鷹山というと・・・
・「なせばなる、なさねばならぬ何事も」と言った人
・かつてJ.K.ケネディが「最も尊敬する日本人」として引用した人
・江戸時代の殿様
・最近、企業家、トップマネイジメントが良く口に出す
・・・くらいしか知らなかったんです。(をいをい(^^;)
とにかく「名言を残して国内よりも海外で評価の高い人」という風くらいしか
認識していなかったので彼の人生や生き方にすっごく感動しましたよ!

九州の小さい大名家から15万石の米沢藩の藩主のところに養子に来たときに
鷹山を待っていたものは、藩のとてつもない借金と形骸化した官僚機構、
破綻した財政に農民の逃亡により荒廃した土地。
何より上杉鷹山が嘆いたのは、生きるということに肯定的ではなく
完全にやる気、精気を失った農村や町の人々。
子どもが生めなくて知恵遅れという当時としては致命的な
身体障害者の妻を持ち、養子と言うことで自分の支持基盤がほとんどなく
重役クラスの人間から事あるごとに強力に反発されるという
絶望的な状況の中で「燃え尽きた灰でも残り火で火は広げれる」、
「なせばなる、なさねばならぬ何事も」と言いながら
ねばり強く改革を進めていく様子は涙しますよ。(^^;
注目すべきは鷹山がお殿さまだからと言って、
自分に逆らう人間を安易に左遷や打ち首にしなかったということです。
しなかったというよりは、実は鷹山の支持基盤がとても弱かったので
そんなことは出来なかったんですが(笑)
じっくりとねばり強く、少しづつでも意識改革を進めていこうとしました。
「強制とは一時のものだ。本当に納得されなくては政策の実現は不可能」
とする鷹山の政策観には感銘を受けます。
いわば彼の改革のメインは農民から上級武士にいたるまでの
意識改革であったわけです。
意識改革を進めるときの彼のやり方、姿勢は「改革」というものには
何が重要かということを表していると思えます。

ただ、読み物としては後半文体の調子が変わったり
「おいおい、あいつはどうなってん?」と思うところがあったりしますが
リーダーとしての彼のすばらしいが伝わってきます。
実を言うと僕は彼の生き方にはとても感動しますが
彼のように生きたいとは思いません。(笑)
それでもやはり尊敬に値する政策決定者であることは変わりないと思います。
それゆえに多くの参考になるところがあるのではないでしょうか?
特に「いかにして反発する人に政策を認めさせるか?」ということを
研究している合意形成好きな人などには
すごく参考になるのではないでしょうか?
まあ、感動を受けるというだけでも読んで見る価値はあると思います(^^)

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1996 8/11
小説、歴史
まろまろヒット率5