ナベのナベによるナベのための「ナベ」
知り合いを呼んで新しい我が家で鍋。
写真にある「旭ポンズ」は東京では売ってないので実家から送ってもらうことに。
やっぱりこのぽん酢がないと味わいがぜんぜん違う。
小石川のまろまろハウスにて。
谷崎潤一郎 『文章読本』 中央公論新社 1996(原著1934)
麻婆豆腐はどうしても二人分つくってしまう、らぶナベ@まだ一人暮らしには慣れてません(^^;
さて、『文章読本』谷崎潤一郎著(中央公論新社)1996年改版(原著1934年初版)。
知り合いが読んでいたので気になって手に取った一冊。
小説以外で谷崎潤一郎が書いた本といえば『陰影礼賛』が有名だけど、
この本でも言葉という伝達手段の限界を踏まえて、
総てを表現しようとしたり言い尽くそうとすることを戒めている。
かなり文化論的考証が入っている点(それが目的?)も考えると、
さしずめ『陰影礼賛』の作文指南版っといった感じだろうか。
また、文章の要素の中で一番その人の本質が出るのが文章の「調子」だと言っている点や、
西洋語のような厳密な文法は日本語にはないので「文法に囚われるな」と言っている点には肯いてしまった。
読んでいる最中はちょうど新生活がスタートして気持ちが落ち着かない時期だったので、
こういう著者の文章を読むと一息つけるような気分になってよかった(^^)
以下は、チェックした箇所(一部要約)・・・
○されば言語は思想を伝達する期間であると同時に(略)
思想を一定の型に入れてしまうと云う缺点があります。
<一 文章とは何か>
☆口で話す方は、その場で感動させることを主眼としますが、
文章の方はなるたけその感銘が長く記憶されるように書きます。
→即ち真に「分からせるように」書くためには
「記憶させるように」書くことが必要なのであります。
<一 文章とは何か>
○口語体の大いなる缺点は、表現法の自由に釣られて長たらしくなり、放漫に陥り易いこと(略)
言葉や文字で表現出来ることと出来ないこととの限界を知り、その限界内に止まることが第一。
<一 文章とは何か>
○即ち真に「分からせるように」書くためには
「記憶させるように」書くことが必要なのであります。
<一 文章とは何か>
☆文法的に正確なのが、必ずしも名文ではない、だから文法に囚われるな(略)
全体、日本語には、西洋語にあるようなむずかしい文法というものはありません。
<二 文章の上達法>
○即ち感覚と云うものは、一定の鍛錬を経た後には、
各人が同一の対象に対して同様に感じるように作られている。
<二 文章の上達法>
☆されば文章における調子は、その人の精神の流動であり、血管のリズムである。
<三 文章の要素>
○或る文章の書き方を、言葉の流れと見て、その流露感の方から論ずれば調子と云いますが、
流れを一つの状態と見れば、それがそのまま文体となります。
<三 文章の要素>
2003 4/9
作文指南、文化論
まろまろヒット率3
不思議なお菓子屋さん(近江屋洋菓子店)
リチャード・ドーキンス、日高敏隆ほか訳 『利己的な遺伝子』 紀伊国屋書店 1991(第2版)
転居ははじめてだけど文京区はまろまろしていて何気に気に入っている、らぶナベです。
さて、『利己的な遺伝子』リチャード・ドーキンス著、日高敏隆ほか訳(紀伊国屋書店)1991年第2版。
生物の行動を種族でも集団でも個体でもなく遺伝子を中心に見直そうとした進化論の定番本。
当時としてはインパクトが強い内容と専門家でなくても読める点から物議を醸し出した一冊。
ただ、初版(1976年)のまえがきで著者自身が「私は生物学はミステリー小説と同じくらい
刺激的なものであるべきだと前々から思っている」と述べているように、
あえて過激な表現や事例を使っている点も考慮して問題作になったことは著者の狙い通りか?(^^)
この本の中で一番興味深かったのは、考え方や文化、理念などのも一種の遺伝子のように、
それ自体が人から人へと媒介していくという考え方=「ミーム論」だ。
自分に振り返ってみると本を人に貸したり無くしたりしても大丈夫なように読書メモを残す点
(ハードウェアに依存しない)や、重要なのは本に書かれてあることそれ自体ではなく
読む人それぞれがその本から感じ取ったことだ考えている点から、この考え方はすんなり受け入れられた。
このミーム論でいくと本の遺伝子と僕の遺伝子が交配された新しいミームが読書日記で、
それを公開しているホームページはミーム配信源というところだろうか(^_^)
ただ、一般的には文化の普及や発展の不作為性が強調される点が
このミーム理論を使うことのいちばんのメリットのような気がする。
また、「われわれが死後に残せるものが二つある。遺伝子とミームだ」(11章)と著者が述べているところは、
かつてある企業とある企業の橋渡し役をつとめたときのこと(出来事メモ)を思い出させられた。
あの時は「自分の名前が残らなくても自分の考えや色のかけらは、社会に残せるかもしれない」
と感じたことが衝動のような行動意欲につながったのを覚えている。
何かを創りたいとか、残したいという気持ちはやはり性欲と同じように本能なのかもしれない。
よく考えたらリアルな遺伝子だって自分から子供に伝わるのはその半分、
子孫になるとほんのかけらだけだということを考えると、
何かを残したいというこの欲望は利己的な遺伝子的には性欲よりも効率が良いといえるだろう(^^)
この本は専門家でなくても読めるようにしているという点を差し引いても、
あまりに比喩に比喩を重ねる手法や事例の持ち出し方があからさまだったりするのが
「どうかな?」と思うところもあるが、
こうしたことを考えさせてくれたのでまろまろヒット率は最大に値すると思う。
ちなみに、思わず笑ってしまったのが、遺伝子の定義をしている第3章で、
厳密な定義からすればこの本のタイトルを・・・
『いくぶん利己的な染色体の大きな小片とさらに利己的な染色体の小さな小片』
・・・っとすべきだったと書いてあったことだ。
厳密さでは問題あっても確かにこっちの『利己的な遺伝子(The Selfish Gene)』の方が
ずっと良いミームだろう(笑)
以下はチェックした箇所の抜粋(一部要約)・・・
○この本の主張するところは、われわれおよびその他のあらゆる動物が
遺伝子によって創りだされた機械にほかならないというものである。
→自己利益の基本単位は、種でも、集団でも、厳密には個体でもない(略)
それは遺伝の単位、遺伝子である。
<1 人はなぜいるのか>
○成功した遺伝子に期待される特質のうちでもっとも重要なのは無常な利己主義である(略)
しかし(略)遺伝子が固体レベルにおけるある限られた形の利他主義を助長することによって、
もっともよく自分自身の利己的な目標を達成できるような特別な状況も存在する。
注:利他主義と利己主義の上述の定義が行動上のものであって、
主観的なものではないことを理解することが重要(略)
利他的にみえる行為はじつは姿を変えた利己主義であることが多い。
<1 人はなぜいるのか>
○(正確な複製と突然変異との両立の問題について)
進化とは、自己複製子(今日では遺伝子)が
その防止にあらゆる努力をかたむけているにもかかわらず、
いやおうなしにおこってしまうというたぐいのものである。
<2 自己複製子>
○一個の遺伝子は、何世代もの個体の体を通って生きつづける単位。
<3 不滅のコイル>
☆遺伝子と進化の定義☆
・「遺伝子」
=自然淘汰の単位として役立つだけの長い世代にわたって続きうる染色体物質の一部
=複製忠実度(コピーの形での寿命)のすぐれた自己複製子
=十分に存続しうるほどには短く、自然淘汰の意味のある単位として
働きうるほど十分に長い染色体の一片
・「進化」
=遺伝子プール内である遺伝子が数を増やし、ある遺伝子が数を減らす過程
=たえまない上昇ではなくて、むしろ安定した水準から安定した水準への不連続な前進のくり返し
<3 不滅のコイル>+<5 攻撃ー安定性と利己的機械>
☆個体は安定したものではない(略)染色体もまた、配られてまもないトランプの手のように、
まもなくまぜられて忘れ去られる。
しかし、カード自体はまぜられても生きのこる。このカードが遺伝子である。
<3 不滅のコイル>
○意識とは、実行上の決定権をもつ生存機械が、究極的な主人である遺伝子から
解放されるという進化傾向の局地だと考えることができる。
<4 遺伝子機械>
○遺伝子は方針決定者であり、脳は実施者と考えられる。
<4 遺伝子機械>
☆進化的に安定な戦略(Evolutionarily Sable Strategy=”ESS”)
=個体群の大部分のメンバーがそれを採用すると、
べつの代替戦略によってとってかわられることのない戦略
→個体にとって最善の戦略は、個体群の大部分がおこなっていることによってきまる
<5 攻撃ー安定性と利己的機械>
○(ESSのコンピュータシミュレーション実験からから)
重要な一般的結論は、ESSが進化する傾向があること、
ESSが集団の申し合わせによって達成されうる最適条件と同じではないこと、
そして常識は誤解を招くことがあるということである。
○まったくでたらめをいうよりポーカー・フェイスのほうがいいのはなぜだろうか?
やはり、うそをつくことが安定ではないからだ。
<5 攻撃ー安定性と利己的機械>
○賭博師にとって最良の方策は、ときには猛烈攻撃作戦ではなく、
幸運待望作戦かもしれないのである。
<7 家族計画>
○(親動物の家族計画は集団のためではない点について)
個体に過剰な数の子をもたせるように仕向ける遺伝子は、
遺伝子プールの中にはとどまれない。その種の遺伝子を体内にもった子供らは、
成体になるまで生き残るのがむずかしいからである。
<7 家族計画>
○親子の争いの場合、敵対者は互いにある程度の遺伝的利益を共有しており(略)
一定の限度、あるいは一定の感受期間の間においてのみ、敵対関係を形成するのである。
<8 世代間の争い>
○精子と卵子の大きさおよび数にみられる根本的な相違が原因で、
雄には一般に、乱婚と子の保護の欠如の傾向がみられる。
→これに対抗する雌の戦略がたくましい雄を選ぶor家庭第一の雄を選ぶこと
<9 雄と雌の争い>
○不妊の働きバチが一匹死ぬことは(略)木の遺伝子にとって、
秋に葉を一枚落とすことが、些細なことであるのとまったく同じことである。
<10 ぼくの背中を掻いておくれ、お返しに背中をふみつけてやろう>
☆ヒトの肥大した大脳や、数学的にものごとを考えることのできる素質は、
より込み入った詐欺行為を行ない、同時に他人の詐欺行為を
より徹底的に見破るためのメカニズムとして進化したのだという可能性すら考えられる。
このような見方からすれば、金銭は、遅滞性の互恵的利他主義の形式的象徴である。
<10 ぼくの背中を掻いておくれ、お返しに背中をふみつけてやろう>
○人間をめぐる特異性は、「文化」という一つの言葉にほぼ要約できる(略)
基本的には保守的でありながら、ある種の進化を生じうる点で、
文化的伝達は遺伝的伝達と類似している。
<11 ミームー新登場の自己複製子ー>
○生物の基本原理=すべての生物は、自己複製を行なう実体の生存率の差に基づいて進化する
<11 ミームー新登場の自己複製子ー>
☆文化伝達の単位(模倣の単位)=mimeme(ギリシア語で模倣)+gene(遺伝子)→”meme”(ミーム)
→ミームがミームプール内で繁殖する際には、
広い意味で模倣と呼びうる過程を媒介して脳から脳へと渡り歩く
(楽曲、思想、標語、ファッション、建築など文化のすべてがミームの例))
<11 ミームー新登場の自己複製子ー>
○概念のミーム=脳と脳の間で伝達可能な実体
<11 ミームー新登場の自己複製子ー>
○(かつて宗教勢力が多様した「地獄の恐怖」についてミームの視点から)
それ自体は意識をもたないミームが、成功する遺伝子が示すのと同じ
類似的残忍性という特性をもったおかげで、
自らの生存を確保できたのだというほうがあたっているような気がする。
地獄の却火という観念は、まったく単純に、それ自体がもつ強烈な心理的衝撃力のおかげで、
自己を永続化しえているのである。
<11 ミームー新登場の自己複製子ー>
○われわれが死後に残せるものが二つある。遺伝子とミームだ。
<11 ミームー新登場の自己複製子ー>
○人間には、意識的な先見能力という一つの独自な特性がある(略)
この地上で、唯一われわれだけが、利己的な自己複製子たちの専制支配に反逆できるのである。
<11 ミームー新登場の自己複製子ー>
○ダーウィン主義者にとって、成功する戦略はさまざまな戦略の集団の中で多数になったもののことである。
<12 気のいい奴が一番になる>
○ほとのどの遺伝子は、たとえば緑色の眼と巻毛といった、二つ以上の表現型効果をもっている。
自然淘汰は。遺伝子そのものの性質のゆえではなく、
その表現効果のゆえに、ある遺伝子を他の遺伝子よりも優遇する。
<13 遺伝子の長い腕>
2003 4/3
進化論、自然科学、情報関連
まろまろヒット率5
MARK TWAIN "The Adventures of TOM SAWYER" Oxford University Press 2000 (orignal first published 1876)
LOVENABE@somehow managed to remove.
“The Adventures of TOM SAWYER” written by MARK TWAIN
Oxford University Press 2000(orignal first published 1876).
This book is one of the most popular old literature in the United States,
and captured its popularity in Japan in cartoon TV shows.
Despite of its popular background, since I remember litle of it,
I opened this book again.
The story tells that how the boys attain to live happily
with their wisdom and encouragement in overall.
Their quick-witted actions exhilarated me.
I was also interested in “ABOUT THE AUTHOR” section at the end of the book.
When author was working as a guard of the Mississippi river,
“Mark Twain” was named.
The term of “Mark Twain” simply means “4 fathoms of water”.
This fact suprised me.
And this is the first book since I have removed to Tokyo.
So, I think my life is like a little adventure:-D
2003 3/30
洋書、文学、English
まろまろヒット率3
annotation; this readingdiary was assisted by maropro.
転機は天気だけど天機にしようと思った大阪最後の日
合気道の先輩が東京本部道場への紹介状を書いてくれたので難波で会う。
その先輩は僕が大学受験を失敗して悶々としていたときに
なにかと気にかけて相談にのってくれていた人だ。
進学先もその人がたまたまその時期にその大学と仕事をしていて、
「いろいろな改革をしていてすごく面白いと思うよ」
と言ってくれたのが受験のきっかけになった。
今にして思えば今回の院進学も普段あまり断定的なことを言わないその先輩が
真っ先に「行くべきだ」と言ってくれたのがきっかけのひとつになっているように思う。
その先輩から「一年で一人、何でも話せる知り合いをつくれ」と言われた。
本当にそれができたならすごいことだと思う、挑戦してみよう(^^)
また、「年齢とか経験とか一般論を気にするのはお前らしくない、
お前はお前のやり方で思いきりやれ」とも言われた。
よく考えたら自分はいつも誰かに励まされ続けて進んできたように思う。
今回も励ましをうけて転機をむかえる。
転機は、天気のようにどうなるかわからないものだけど、天機になるようにしたい。
そう思った大阪最後の一日。
2003 3/15
出来事メモ
テレビ東京 『グッチ裕三のこれは旨い!3』 ブックマン社 1999
大阪人なのでうどん派だったけ最近はそば派になりつつある、らぶナベです。
さて、『グッチ裕三のこれは旨い!3』テレビ東京編(ブックマン社)1999年初版。
最近よく読んでる『これは旨い!』シリーズの第三段。
この本は前半が朝食&昼食、後半が酒の肴という構成になっている。
調味料や料理のコツについて書かれてあるコラムもけっこう役に立つ。
レシピもニンニクとゆず胡椒を合わせたパスタは何気に美味しいかった。
ただ、やはり味が濃いと思う(^^;
2003 3/9
料理本
まろまろヒット率3
テレビ東京 『グッチ裕三のこれは旨い!2』 ブックマン社 1999
今月半ばからひとり暮らしをはじめる、らぶナベです。
さて、『グッチ裕三のこれは旨い!2』テレビ東京編(ブックマン社)1999年初版。
前に読んだ『これは旨い!』の第二段。
今回は前半が夕食用、後半が夜食用とわかれている。
でもどちらも手軽でちょっとヘビーな料理が多いので、
あまり分類の意味がないような気がする(^^;
いくつか試してやってみると隠し味にマーマレードを入れて、
大根おろしをかけて食べる牛丼は美味しかった。
グッチ裕三はこういう一見当たり前のようで気づきにくい小技が多い。
2003 3/7
料理本
まろまろヒット率3
『グッチ裕三のこれは旨い!』 テレビ東京編 ブックマン社 1999
2004年大河ドラマ『新撰組』の近藤勇役を香取慎吾がやることになって驚いた、
らぶナベ@三谷幸喜らしく当たり外れがはっきりでそうで興味津々だす。
さて、『グッチ裕三のこれは旨い!』テレビ東京編(ブックマン社)1999年初版。
僕はグッチ裕三の料理が何気に好きだったりする。
彼の料理はそんなご馳走でもないし、見た目がよくないものも多いけれど、
ありあわせの材料で簡単に作れて、かなり美味しい。
さらに「おっ!」っと思うような隠味やポイントもあって作っていて楽しいからだ。
いままでは雑誌やテレビを通して参考にしていたけど、
ちゃんと専用本になっているものを使おうと購入したのがこの一冊。
この本で紹介されている料理も冷蔵庫のありあわせですぐに作れるものばかりだ。
サラダ油でニラと豆腐を炒めて塩コショウしただけの「オンリーにら豆腐」は
なぜかホントに本格的な中華の味がしてしまうし、
ごま油でトマトと牛肉を炒めてからだし醤油をまわしかけてご飯の上に乗せるだけの
「ビーフトマトボール」は酸味とコクがあって美味しい。
でも、男の料理だからちょっと味が濃いかな?(^^;
2003 3/5
料理本
まろまろヒット率3