『コミュニケーション学―その展望と視点』 末田清子・福田浩子著 松柏社 2003

弊社建物に新しい顔が増えてどぎまぎしている、らぶナベ@実は人見知り系です(^^;

さて、『コミュニケーション学-その展望と視点-』
末田清子・福田浩子著(松柏社)2003年初版。

評判が良かったので読んでみたコミュニケーション学関連領域の概要書。
コミュニケーションをめぐる用語の定義や研究の背景を丁寧に紹介してくれている。

コミュニケーションに対する各分野からの主要なアプローチを
「機械論的視点」、「心理学的視点」、「相互作用論的視点」、
「システム論的視点」に分類して紹介したり(3、4章)、
言語学からのアプローチや(5、6、7章)、
コンテクスト研究(9章)に対するフォローもされている。
定義・引用・索引が充実しているので辞書としても使えるし、
コミュニケーション学関係の概要書では決定版的ではないだろうか?

以下はチェックした箇所(一部要約含む)・・・

☆コミュニケーションの定義=
・ラテン語の共通項(communicare)が語源→当事者が共通項をつくりあげるプロセス
・”Culture is communication and communication is cultre”(E.T.Hall)
・本書の定義=シンボルを創造し、そのシンボルを介して意味を共有するプロセス
<第1章 コミュニケーションとは何か>

☆コミュニケーションの特徴=
シンボルを介して行われる、言葉や行為そのものに意味はなく人が意味づけする、
意識無意識を問わず人はコミュニケーションを行う、
あるコミュニケーション場面を同じように再現はできない、
コミュニケーションとはプロセス、コミュニケーションの問題は単純化できない
<第1章 コミュニケーションとは何か>

☆コミュニケーション論をめぐる主要な4つの視点・・・

☆「機械論的視点」(The mechanistic perspective)
・命題:「どのチャンネルが一番大きい量のシグナルを送れるか、
     どれくらいノイズが生じるか」の問いに答えるために構築
・特徴:全体は部分の総体に等しいとういう立場
・研究:チャンネルの違いによるコミュニケーション効果など
・コミュニケーション能力:いかにノイズを減らし効率を高めるか
・文化の扱い:文化は要素として組み込まない
→古いモデルでシンプルなので広く使用されている

☆「心理学的視点」(The psychological perspective)
・命題:「刺激をどのように選択し、どのように反応しているか」
・特徴:メッセージの意味はコミュニケーションを行う人が与えるものであるという立場
・研究:概念フィルターを持った個人など
・コミュニケーション能力:いかに当事者相互のフィルターを近似させられるか
・文化の扱い:人が様々な刺激を選別して取り入れる際のフィルターを形作るもの
→メッセージの送り手よりも受け手側に焦点を当てているので応用範囲が広い
  (特に異文化間コミュニケーションではよく使用される)

☆「(シンボリック)相互作用論的視点」(The interactionist perspective)
・命題:「(言葉や行為などの)シンボルがいかに創造され、共有されるか」
・特徴:コミュニケーションは役割取得・遂行によって成立するという立場
・研究:シンボルがある文化でどのように創られるか、変るかなど
・コミュニケーション能力:当事者がどの程度意味を共有しているか
・文化の扱い:コミュニケーションの当事者が共有するシンボル
→文化や副文化の創造、言語発達、認知的プロセスなどに応用可能

☆「システム論的視点」(The perspective of general systems theory)
・命題:「いかにコミュニケーション・パターンを探求するか」
・特徴:全体は部分の総体よりも大きいという立場
・研究:小集団や家族内コミュニケーション・パターンの探求など
・コミュニケーション能力:いかにルールに従ってコミュニケーションできるか
・文化の扱い:習得されたある解釈のシステム(知識体系)であり受け継がれるもの
→まだ新しい理論
<第3章 コミュニケーションの4つの視点>
<第4章 文化に対する視点の多様化>

☆四つの視点の分類・・・

「機械論的視点」&「心理学的視点」
・法則によってコミュニケーションは司られる
・因果関係の探求
・仮説検証型の量的研究(quantitative research)

「シンボリック相互作用論的視点」&「システム論的視点」
・調整可能なルールがコミュニケーションにはある
・現象の探求
・仮説構築型の質的研究(qualitative research)
<第3章 コミュニケーションの4つの視点>

☆言語の定義=
・「言語は思考を形成していく器官である」(Humboldt)
・”a set(finite or infinite) of sentences, each finite
in length and constructed out of a finite set of elements”(Chomsky)
<第5章 言語コミュニケーション(1)>

☆言語の特性=
1:超越性(displacement)、2:恣意性(arbitrariness)、3:生産性(productivity)
4:文化的伝承(cultural transmission)、5:非連続性(discreteness)、6:二重性(duality)
<第5章 言語コミュニケーション(1)>

○普遍文法(Universal Grammar)=
人間の言語の能力を言語能力(competence)と言語運用(performance)に分けて、
前者の言語獲得装置(Language Acquisition Device)が
人類には生まれながらに備わっているとすること(Chomsky)
<第6章 言語コミュニケーション(2)>

○言語学のコミュニケーション能力(communicative competence)=
文法能力(grammatical competence)、社会言語能力(sociplinguistic competence)
談話能力(discourse competence)、方略能力(strategic competence)
(Canale&Swain)
<第6章 言語コミュニケーション(2)>

○協調の原則(cooperative principle)=
会話のやり取りはある程度までは協調的作業であること(H.P.Grice)
<第6章 言語コミュニケーション(2)>

○会話の格率(Maxims of conversation)=
量の格率(Maxims of quantity)、質の格率(Maxims of quality)、
関連性の格率(Maxim of relation)、様態の格率(Maxims of manner)
<第6章 言語コミュニケーション(2)>

☆言語コミュニケーションの特徴=
デジタルである、新しい社会現実を創ることが可能、
抽象思考で重要になる、内省的である(Trenholm&Jensen)
<第7章 言語コミュニケーション(3)>

○言語コミュニケーションの意味の3レベル
・意味論レベル=外延的(denotative)意味+内包的(connotative)意味
・統語論レベル=語彙が文法的に正しい順序に並べる必要性
・語用論レベル=CMM(Coordinated Management of Meaning)
<第7章 言語コミュニケーション(3)>

☆コミュニケーション能力研究の歴史的な2つの潮流
・レトリック研究(humanistic rhetorical study)
 →構想(invention)、配置(disposition)、修辞(style)、
  記憶(memory)、所作(delivery)から構成
・社会科学的研究(social-scientific communication theory)
<第7章 言語コミュニケーション(3)>

○翻訳・通訳の等価性=
語彙の等価性、慣用表現の等価性、文法的等価性、経験・文化的等価性、概念の等価性
<第8章 言語と文化の相互作用>

○イーミックとエティック
・イーミック(emic)=ある特定の文化の枠組みに依存して事象をみる
・エティック(etic)=ある特定の文化の枠組みに依存しないで事象をみる(Pike)
<第8章 言語と文化の相互作用>

☆コンテクストをとらえす尺度は主に2つ・・・
・静的か、動的か(コミュニケーションを規定するのか、お互いに変化していくものか)
・コミュニケーションが起こっている場のことか、その場を取り囲む背景か
<第9章 コミュニケーションの場と背景>

☆コンテクストの種類(Malinowski)=
・状況のコンテクスト(context of situation)
 →活動領域(field)、役割関係(tenor)、伝達様式(mode)が構成要素
・文化のコンテクスト(context of culture)
<第9章 コミュニケーションの場と背景>

☆コンテクスト化(contextualization)=
言語及び非言語を使ってある時ある場所で言った言葉と過去の知識を結びつけ、
会話を保持していくプロセス(Gumperz)
→コンテクスト情報をもとにある会話表現を選ぶこと(Maynard)=
 自己コンテクスト化(self-contextualization)
<第9章 コミュニケーションの場と背景>

☆Hallのコンテクスト定義=
「できごとを取り巻く情報であり、そのできごとの意味と密接に結びついているもの」
→共有している情報量が多ければハイ・コンテクスト文化、
 共有している情報量が少なければロー・コンテクスト文化
<第9章 コミュニケーションの場と背景>

○言語コード=制限(restricted)コード+複雑(elaborated)コード(Bernstein)
<第9章 コミュニケーションの場と背景>

○音調学(Vocalics)=韻律素性(prosodic features)+周辺言語(paralanguage)
<第11章 非言語コミュニケーション(2)>

☆ジェスチャーの機能=
1:表象記号(Emblems)、例示子(Illustrators)、感情表示(Affect displays)、
発話調整子(Regulators)、適応子(Adaptors)
<第11章 非言語コミュニケーション(3)>

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2004 4/15
コミュニケーション学、言語学、社会心理学、心理学、教育学
まろまろヒット率4

Cafe-Creperie Ti Breizh(カフェ・クレープリーティブレッツ)の「マロンのガレット」

カレーとラーメンが多いとの指摘を受けたので今回はオシャマにガレット専門店に行く。マロンのガレットを食べてみるとなかなかうまい。ガレットがそば粉からできてるとかブルターニュの食べ物だとか初めて知ったけど、基本は仏料理だから少し味はくどいですな(^^ゞ
「Cafe-Creperie Ti Breizh(カフェ・クレープリーティブレッツ)飯田橋店にて。

キッチンジローの「鳥南蛮と魚フライの盛り合わせ定食」


知り合いが洋食が食べたいということで噂の洋食屋さんに入る。神保町から御茶ノ水界隈は洋食屋が多くて迷うけれど、生まれて初めてのお店。8種類から選べる盛り合わせで鳥南蛮と魚フライを頼んで見る・・・「キッチン南海」の方が好みかも(^^;
神保町(駿河台下)の「キッチン・ジロー」にて。

ヴィレム・フルッサー、村上淳一訳 『サブジェクトからプロジェクトへ』 東京大学出版会 1996

『ケロロ軍曹』に心をつかまれた、らぶナベであります。

さて、『サブジェクトからプロジェクトへ』ヴィレム・フルッサー著、村上淳一訳
(東京大学出版会)1996年初版。

副指導の武邑光裕助教授が「ちょっと感動的だよ」と言って貸してくれた一冊。
原題は“Vom Subjekt zum Projekt. Menschwerdung.”
従属者(SUBJEKT)から投企者(PROJEKT)への転換をメインテーマにして、
抗いがたい価値や理論、運命に従属するのではなく、
投企(デザインとも訳されている)してゆく可能性を模索している思考書。

読んでみると、ところどころ突っ込みどころはあるけれど、
とりまく状況に対して悲観的であっても決して絶望せずに、
「デザインすることは変えるのではなく、意味を付けること」としている姿には
確かに共感できるし、いろんな分野に影響を与えたのもうなずける。

ちなみに前に読んだ同じ著者の『テクノコードの誕生』と同じく、
カテゴライズに頭を悩ませる本でもある。
でも、この本の面白さはこういうところにあるんだろう。
カテゴリに従属する(SUBJEKT)のではなく投企(PROJEKT)を模索する本だから(^^)

以下はチェックした箇所(一部要約含む)・・・

☆「自我」とは、情報が流れ込み、処理され、一時的に貯えられ、
さらにほかに伝達されるための貯水池にすぎない
→「自我」とは「無意識の」集合的心理のネットワークの上にある
 間主観的なネットワークの、絶えず移動する結び目でしかない
<序 投企について>

○「文化」と「文明」の概念を定式化すれば(略)間主観的な場の二つの回路形式
→人間相互の関係のファイバーを通じて、情報を生み出し、
 記憶し、伝達するための、二つの戦略のこと
<2 都市をデザインする>

○理論とは、人間相互の関係の情報を生み出す回路
→人間相互のネットワークが一般的な分散傾向に逆らって
 情報を生み出す傾向をもつとすれば、すべてが理論空間の守備範囲
<1 都市をデザインする>

○オルガスムは自己を(略)人間相互の銘記へと高める方法
<6 性をデザインする>

○技術とは(略)価値を客体化し客体を価値化することによって、
主体と客体の分離を克服し、実存を服属から解放しようとする試み
<8 技術をデザインする>

☆表現の意図は、世界を変えること、人間を変えることではなく、
意味を付与することにある
<8 技術をデザインする>

○運命の投企こそが、自由に他ならない
<9 労働をデザインする>

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2004 4/8
思想、デザイン論、越境系
まろまろヒット率3

中華屋さんまるみの「カツカレー」

中華屋さんなのにカレーがけっこう美味しいと聞いて本郷通りの中華屋に入る。おなかヘリコプターだったのでカツカレーを食べてみると・・・なるほど。昔、病院の中に併設されていた喫茶店で食べたカツカレーと同じ味がする。チープだけどけっこううまいです。
本郷の「まるみ」にて。

PAOLA TRIMARCO "GUCCI-Business in Fashion-" Penguin Readers 2001

LOVENABE@boring virus mails.

“GUCCI-Business in Fashion-” written by PAOLA TRIMARCO Penguin Readers 2001.
This book is a story of “GUCCI”, one of the most famous brand companies.

Although I have never owned a GUCCI product, the cool cover design
of this book caught my eye at the book store, and I was tempted to buy it.
This (temptation to buy at first sight) is called “JAKEGAI” in Japanese :-P.

The book was about how the GUCCI brand started off, and how it is managed today.
I was especially interested in the start for the GUCCI as a bland.

GUCCI’s first store was very small and had no original logo.
It took a long while for the GUCCI GG logo from a shape of a stirrup.
I was astonished by the amount of time it takes to establish a brand.

Reading this book gave me a fresh view of my own brand “MAROMARO”.
It’s a tiny enterprise, but even GUCCI was so in the past ;-).

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2004 4/1
洋書、ブランドマネイジメント、English
まろまろヒット率3

annotation; this readingdiary was assisted by maropro.

自然に合ってくる帳じりが本物の帳じり

ハンパにやり散らかしたと感じるものほど早く帳じりを合わせたくなるものだけど、
そういうものこそ帳じり合わせを焦ってはいけない。
意気込まず自然と合わさってくるものが本物の帳じりだろう。
まろまろ掲示板で「気がつけば勝ち組」とレスをつけるといろいろなところで反響があったが
そうしたこともこれと同じことなんだろう。
(もともとは明確な基準のない勝ち組・負け組ネタへの食傷プレイだったのだけど(^^;)

2004 3/14
はしり書き

ミュンの「豚かけ飯」


今日は時間に余裕があったので400円でコーヒーまでついてくるけど微妙な時間(13:30~14:30)にしかやってくれないランチにGO。豚かけ飯を食する。もう少し薄味が好みかも、でもうまいです。
本郷三丁目付近(東京都文京区本郷4-2-8)の「ベトナム・サイゴン料理 ミュン」にて。