イェーリング、村上淳一訳 『権利のための闘争』 岩波書店 1982(原本1894)

横浜中華街と神戸中華街(南京町)との肉まんの大きさの違いを
いつも不思議に思う、らぶナベっす。

さて、『権利のための闘争』イェーリング著・村上淳一訳
(岩波書店)1982年初版(原本1894初版)。
国家主義&教条主義の匂いがしたので読むのを躊躇していたが
昔の法学では必読書だったらしくいろいろなところで眼にするので
一度は読んでみようと購入した一冊。
やはり19世紀のドイツで書かれたという時代背景を考慮して読まないと
本質を見失うだろう。これは古典的な学術書すべてに言えることだけど。

この本でイェーリングが言いたいことは序文でカントの言葉を引用した・・・
「自ら虫けらになる者は、後で踏みつけられても文句が言えない」
・・・の一言につきる。

メインの主張だけでなく著者は古代ローマ法の専門家だったみたいで
歴史的な視点として刑法における刑罰の重さの違いに注目することで
その国の生存原理が何かをひもとくヒントになるとしている点や、
政治外交でその国がどういう行動を取るかを知るには
私法の分野でその国の構成員がどういう風に権利主張するのかを
見れば良いとしている点にはかなり興味を持った。
歴史マニアなので歴史を見る視点が一つ増えたことが一番嬉しい(^_^)

ちなみに最初の日本語版は西周が訳して出版している。
そりゃあいろんな法学者に影響を与えていたはずだね(笑)
以下はその他の抜粋&要約・・・
・権利=法(Recht)の目標は平和であり、そのための手段は闘争である

・刑罰の重さの驚くほどの差違がその国家が何によって
成り立っているのかを見る参考→自国に固有の生存原理を脅かす犯罪を
最も厳しく処罰し、その他の犯罪は対照的に極めて軽い処罰にゆだねている
(神聖国家の冒涜罪、商業国家の偽造罪、絶対王制国家は大逆罪など)

・所有権とは物の上に拡大された私の人格の外縁に他ならない(中略)
理解力ではなく感覚がだけが権利の何たるかを知るために役立つ

・倫理社会秩序の偉大で崇高な所以は、その命令を理解していない者をも
無意識のうちに協力させてゆくための効果的な手段を有していることに存する

・諸国民の政治的教育の本当の学校は憲法ではなく私法である
→ある国民が政治的権利や国際法上の地位をいかに防衛するかを
知りたいならその構成員一人一人が私的生活において
自分の権利を主張するやり方を見ればよい
(古代ローマが動じに最も完成された私法を有していたのは偶然ではない)

・美学にとって最高の主題は常に人間が理念のために立ち上がること
→ただし何が権利=法(Recht)の本質で何が反しているのかを
明らかにしなければならないのは美学ではなく倫理学

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2001 9/30
法学一般
まろまろヒット率3
法務 キャリア

松本都 『一週間でマスターするホームページの作り方 for Macintosh』 毎日コミュニケーションズ 2000改訂

ヨーグルトにヤクルトをかけて食べるとなかなかに美味しいことに気がついた、
らぶナベ@お腹の中が健康さんです(^^)

さて、『一週間でマスターするホームページの作り方 for Macintosh』松本都著
(毎日コミュニケーションズ)2000年改訂。
これまでネット活動、特に情報発信はもっぱらE-mailに頼ってきたが
HomePageによる情報発信の必要性を感じて購入した一冊。
ちゃんと終わりまで読んだ情報関連の本としては実に数年ぶりの読書になる。
これは自分でも驚きだったけど読書録という事実が現しているので仕方ない。
すぐ戦略とか口にするクセに戦略で重要になる情報関連への対応が
怠惰だったことをすごく反省(^^;
まぁ、こうやって軌道修正できるのも読書録のおかげか?(負け惜しみ)
とりあえず乗り遅れを感じていたのでわざわざHTMLでなく
HomePage作成ソフトを前提にした本を読んでも良かったのだけど、
テクニック的なものよりもHTMLの概念や構造自体を
ちゃんと学ぶことに徹しようと思って、
HTMLを手書きで書くことを前提にするこの本を選んでみた。
内容は読むというよりこういう本のご多分に漏れず作業にエネルギーを費やしたが
コラムも充実していて構造や由来なども理解できる良いきっかけになった。
法学の本を読み始めた時もそうだったが不慣れな分野に取りかかる際には
本質的な構造や仕組みをざっと学べるものの方が良いみたいだ。

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2001 9/7
情報関連
まろまろヒット率3

まろまろメルマガ

まろまろメルマガ発行のお知らせ

ここはものすご~っく私的なHomePageなのに2001年7月19日の開設以来、ご好評を頂いて感謝さらに感謝な日々であります(^o^) しかし書いた読書感想文をHomePageにアップするにはどうしてもタイムラグがあり、また「いちいち更新をチェックするのが不便だ」という声も複数お聞きしました。そこで今まで内々でやっていた読書会メーリングリストを改編して 「まろまろ読書会」というメルマガ形式で読書感想文を発行することにします。

詳細

・サンプルは読書日記を見て下さい(参考までにバックナンバー)。 自分の興味に合う読書感想文が送られてくるかどうかはわかりませんので  ある意味でロシアンルーレットなメルマガです。
・発行時期は不定期です。 本を読み終えて感想文を書き終わればまろまろと発行します。 (だいたいの目安は最低でも1ヶ月1冊だと思ってください)
・HPに掲載するのは読書日記だけでなく微妙な話題や近況報告、 はたまたまろまろごはん日記の月次ランキング発表などの実験的な企画も積極的におこなっていきます。
・当然ながらこのHomePageにアップする以上に私的なメルマガになるので、あまり公共性とか普遍的価値とかいう高尚なことは望まないで下さい(笑)
・登録されるE-mailアドレスはこちら側で確認できないようになっていますので、誰が登録されているのか発行者の僕にもわからないようになっています。
・メルマガ読者の人にはメルマガ配信した本の貸し出しもおこなっています。詳しくは「まろまろ図書」にて。

・・・以上のようなことを納得して頂いた方or諦めて頂いた方の中で僕が読んだ本の感想文をリアルタイムで見たいという人、はたまたツンドラーのリストな人や痛いものコレクターな人(用語集参照)などは、まろまろ読書会の購読をまろまろと申し込んで下さいませませ(^^)

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照屋華子・岡田恵子 『ロジカル・シンキング-論理的な思考と構成のスキル』 東洋経済新報社 2001

これが“まろまろ読書会”メールマガジン初発行になります。
みなさんよろしくです(^^)

さて、第一回目は『ロジカル・シンキング-論理的な思考と構成のスキル-』
照屋華子&岡田恵子著(東洋経済新報社)2001年初版っす。

「論理的な伝え手」になることを目的として書かれた本。
最近、法律を勉強している僕は論理性について
正面から考える必要性を感じたので購入したビジネス書。
才能や経験ではなく努力でコミュニケーション能力を鍛えようという姿勢は
すごく共感できるし演習問題も多くて
論理性というものを考えるきっかけとしては良い本だと思う。

ただ、MECEやSo What?/Why So?などのマッキンゼーのやり方を
そのまま紹介しているだけなのはちょっとオリジナリティが足りない気がした。
この本で得られるものは『問題解決プロフェッショナル』(斉藤嘉則)で
十分得られるのだと思う。
良いネタを扱っているだけにこういうマイナスが目立つのが残念。

以下は特に重要だと思う箇所の要約・・・
☆「メッセージ」=”課題”+”その答え”+”相手に期待する反応”
の三つが揃っていること

☆コミュニケーションに入る前の確認・・・
1:”課題(テーマ)を確認する”
・いくら自分が重要だと力んでも相手がいま検討すべき課題と
 認識できなければ議論の土俵にすら登れない

2:”相手に期待する反応を確認する”
・コミュニケーションの後に相手からどのような反応を引き出せば
 そのコミュニケーションは成功と言えるのか予め答えを用意しておく
・反応の中身→理解、フィードバック、行動

☆「答え」=”結論”+”根拠”+”方法”のどれが欠けてもいけない

○どのような時も課題と答えが整合しているのがロジカルコミュニケーション

○結論に付帯条件を付けるのは注意→定量化&定性的具体化で明確にすべき

☆書いたり話したりしている時に具体的でないと感じたら
問題が具体的に解けていないと考えるべき
→具体的とは「そういうならお前が自分でやれ」と言われたときに
 答えを用意していること

○文書が回ってきたら読む前にその文書の目的と
自分に期待されている反応を把握する癖をつけるべき

☆「MECE」=”Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive”
=「ある事柄を重複も漏れもない部分集合に分けて捉える集合の概念」
→話の細部に入る前に伝え手側の答えの全体像とその構成部分を伝えられる

○二つのMECE・・・
・全体集合を完全に要素分解できるMECE
 →年齢、性別、地域など
・大きな重複と漏れがないという約束事のMECE
 →3C(Customer,Competitor,Company)、
  4P(Product,Price,Place,Promotion)など

○「グルーピング」=「言いたいことやネタをいったん洗い出して
結論に対するMECEな根拠、方法になるようタイトルづけし
全体の構造を見やすくする方法」

☆”So What?””Why So?”
・「So What?」=課題に照らした時に言えることのエキスを抽出したもの
・「Why So?」=So What?した要素の妥当性が要素によって
         証明されていることを検証する作業
・概念図・・・
    「課題」
↑So What? ↓Why So?
    「要素」

☆「論理」=結論と根拠、結論と方法が結論を頂点に縦方向には
So What?&Why So?の関係に横方向にはMECEの関係になっているもの

○論理パターンの留意点
・”並列型”→根拠や方法がMECEであること、MECEな切り口が相手を
      説得する上で妥当なもの
・”解説型”→事実が正しいこと、判断基準が明示され妥当な内容であること、
      事実・判断基準・判断内容の流れが一貫していること

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2001 8/31
問題対処法、作文指南、経営学
まろまろヒット率4

陰謀マニア

  らぶナベは自然に会話していても不穏な単語を使ってしまう上に

  事あるごとに裏読みしてしまうため命名された称号。

  どうやら「歴史マニア」から発展したようだ。

  用例:「考えすぎたら陰謀マニアになってこまっちんぐ」など

忙しい暇人の会

  忙しい時にかぎって暇人のように時間を使うという人生を贅沢に生きる会。

  らぶナベはその会長をつとめる。

  決して現実逃避ではなく現実への挑戦の会である。

  活動例:「レポート提出を明日にひかえて急に本棚の整理をはじめる」、
    「遅刻しそうなのにいつもやらない玄関の靴をそろえる」など

追記:mixiにはコミュニティも存在する。

妄想銀行

  妄想はためればためるほど利子が付くように膨らむので

  あたかも銀行のようだという比喩。

  英名はIMAGINE BANK。らぶナベは大阪支店長である。

  ゼロ金利政策とは無縁な利子がつきまくっている堅実な優良銀行である。

  類似例:「妄想証券取引所(NABEDAQ)で山田優銘柄ストップ高」など

痛いものコレクター

  らぶナベは「痛い」ものを集めるのが好きである。

  胸が苦しくなったり痛々しいものを見るとがんばって生きていこうと思うからである。

  しかし自身が一番のコレクションだと言われてこまっちんぐ。

  用例:「Xmasの夜にわざわざ合わせて飲み会やるツンドラーのリストって痛いよな」、
      「いま日本で一番痛い言葉&”セレブ”と”勝ち組”」など

がんばりすぎるな

  らぶナベは死にかけたことが何度かある。

  その1つが幼稚園の時に盲腸が破裂してしまったことだ。

  当時、彼はウ○コを我慢するのが好きで一生懸命ガマンし続けていた。

  来る日も来る日も波のように訪れる腹痛を乗り越えていった。

  あげくのはてに腸内で内容物が石化して盲腸が破裂、

  発見と手術が一日遅ければ確実に死亡していたという経験がある。

  夜勤の多かった看護婦の母がたまたまその日は家にいて

  病院嫌いのらぶナベをひっぱたいて病院に連れていき、

  ERでの緊急手術がおこなわれたので一命を取り留めることができた。

  このエピソードを振り返る度に、もしあのまま死んだなら、

  ウ○コを我慢して死ぬという実につまらない人生になっていたと感慨にふける。

  以来、人間というものはがんばりすぎてはいけないこともあるのだと気づく。

  命の代償に近い人生訓である。

 
  類似例:「がんばっても間違ってるならダメだよ」、「しんどいからって価値があるとは限らない」など

ツンドラーのリスト

  彼氏・彼女のいない連中ははたから見ていると

  あたかも永久凍土のように寒いので「永久凍土の会」なるものができた。

  その名簿が「ツンドラーのリスト」である。

  運の悪いことにらぶナベはそんなお寒いリストに入れられている。

  最近は開き直ってツンドラーズの普及にあたっているらしい。

  「我こそはツンドラなり」という方は男女問わず連絡されたし、

  共にツンドラな人生を共有すべし。

  活動拠点の掲示板はこちら

  活動例:聖ヴァレンタイン日にみんなでチョコを買って食べる、
      「オンリーワンにならなくてもいい、もともと一人のロンリーワン」と合唱するなど