松阪市役所の女性管理職者の自主グループであるグループ輝から要請を受けて、研修会「情報とソーシャルメディア」の講師をつとめる。
グループ輝のメンバーのみなさんは、自分の母親と同世代の方が多く、ほとんどの方が情報通信技術に慣れていない方だった。
その一方で、「通常は6、7人程度」とお聞きしていた参加人数が、今回は約3倍の18人も参加希望者が集まるという関心の高さが判明した。
このような状況を考慮して、講師提案で1回の予定だった研修会を6人単位の3回に分割、
内容もメリハリをつけるために1:情報の特徴、2:ソーシャルメディア、3:実習の3部構成とした。
1は、松阪市情報管理担当者研修会「情報基礎」と松阪市新規採用者研修会「情報リテラシー」を参考に、
2は、松阪市情報管理担当者研修会「ソーシャルメディア基礎」と宇気郷公民館講座「ソーシャルメディアと情報発信」を参考に、
それぞれ受講者層に合わせて加筆・修正をおこなった講義資料を作った。
そのような事前調整の後に臨んだ研修会は、これまでの講師経験歴の中でも有数の取り組み甲斐のあるものとなった。
情報環境の整備が不十分な中で、1回の研修会で講義と実習の両方をおこない、なおかつ終了時間は厳守というタフな条件があり、
講師、インストラクター、ティーチングアシスタントなどの複数の役割を担うこととなった。
講義面では、できる限り横文字は使わずに具体例を丁寧に解説するのはもちろん、実習面では、ソーシャルメディアに至る以前のパソコン操作から説明する必要もあった。
(環境面から講義と実習の分割も提案したが、これは日程の関係で事務局との折り合いがつかなかった)
また、3回目の研修会はご不幸や台風で2度も延期になるなどのアクシデントにも見舞われた。
そのような中で心が折れずにやりとげられたのは、協力していただいた職場のみなさん、特に教材作りを含めてお手伝いしていただいた方などのサポートがあったから。
さらには、受講者のみなさんの意欲が伝わって来たからこそだ。
日本の現状は、「世界最高クラスの情報インフラ」がある一方で、「その利活用が不十分」という点が、
総務省の『情報通信白書』などでも繰り返し指摘されているところだ。
この現状の最も大きな要因の一つが、情報に対する意識=多くの場合は固定観念、が影響しているというのがこれまでの自論だった。
今回、自分の母親の世代の方々に情報がなぜ大切なのか、情報化社会と言われている現状はどのようなものか、
その中で台頭したソーシャルメディアの位置づけ、とらには登録&操作方法までレクチャーすることは、この自論への自分なりの挑戦でもあった。
そのため、研修会は単なる一方的なレクチャーではなく、意識改革のきっかけとなる「気づき」を持っていただくことを意図しておこなった。
研修後も、受講者のみなさんがお互いにソーシャルメディアを利活用して交流している様子を拝見することは手応えと充実感があった。
貴重な機会をいただいたグループ輝のみなさん、ご協力いただいた職場のみなさんには本当に感謝したい。
今年度いっぱいという残り短い任期の中で「情報のかけ橋」を少しでも架けてゆきたい。
2012 8/6、8/7、9/19
出来事メモ