司馬遼太郎 『草原の記』 文藝春秋 1995

らぶナベ@エニックス内定者HomePage・・・
http://home.interlink.or.jp/~d-ike/ENIX99.htm
・・・がモデルチェンジしたので良かったら見て下さいです。
やばいやつらだけどとってもいきいきした面々がいる上に
彼らにはこの読書会にも入ってもらおうと思っているので(^^)

さて、本題・・・
『草原の記』司馬遼太郎著(文春文庫)1995年初版を読んだです。
以前読んだ『モンゴル紀行~街道をゆく5~』(朝日文芸文庫)の
著者が17年後にもう一度モンゴルに行き、
その経験を元にモンゴルというものの全体像を掴もうとした作品。
彼特有の風景、情況から歴史的な視点に発展させるという
少しとりとめのない話の展開から(壮大感はあるんだけどね)
17年前『モンゴル紀行』でガイドをしてくれたツェベクマさんという
剛気な気質が印象的だった女性の半生を追っていく展開だった。
彼女の幼児期に強い影響を与えた日本人女性、満州国崩壊、
内モンゴル自治区独立運動、中ソ国交断絶、
文化大革命によるモンゴル人弾圧と夫との別れと亡命、
26年後に改革開放政策のために彼との再開という生涯三つの国と
四つの草原に住んだ彼女の半生をインタビューを通して紹介している。
また、基本的に馬には帰巣本能が無いと言われているが
モンゴル馬には古くから故郷に帰ってくる話が多い。
最近ではヴェトナム戦争時にハノイに軍事物資としておくられた
あるモンゴル馬が何年もかけてモンゴル高原まで歩いて帰っていったという
話が伝えられている。
この本はこのようなモンゴル馬の帰巣本能とツェベクマさんの半生を
対比させながら結んで終わっている。

本自体の分量も少なく、中身の方も『モンゴル紀行』の続編的な
ものだろうと思って読んだので東京から帰って来る新幹線の中で
この本を読み終えた時は不覚にも感動していた。
(前半と後半のテンションが違うので意外性もあった)
例えるなら『大地の子』みたいな感動を与えてくれたが、
これはさしずめ『草原の子』って感じだろう(^o^)

この本をamazonで見ちゃう

1999 2/8
エッセイ、歴史
まろまろヒット率5

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