アーノルド・ローベル、三木卓訳 『ローベルおじさんのどうぶつものがたり』 文化出版局 1981

今年も7月19日に「まろまろ茶話会2009」を開こうかと思っている、まろまろです。
(前回の様子は出来事メモ:「まろまろ茶話会2009を開催」)

さて、『ローベルおじさんのどうぶつものがたり』アーノルド・ローベル著、三木卓訳(文化出版局)1981。
“Frog and Toad Are Friends”(『ふたりはともだち』)の作者としても知られるローベルによる動物寓話集。
原題は“Fables” (1980)。

内容は、左に文章、右に絵の見開き2ページで1話完結の寓話が20話集められている。
それぞれの寓話の最後にはローベルおじさんからの教訓が添えられていて、たとば・・・
「クマとカラス」では、「欲望が強いときは、だまされやすものです。」
「サイのおくさんとドレス」では、「たとえひとかけらのおせじだって、おせじほどてごわいものはありません。」
「ゾウとそのむすこ」では、「ものを知っていることが、いつも素朴な観察にまさる、というわけではありません。」
・・・など、皮肉なものが多い。
確かに、動物を擬人化した物語は童話や寓話の基本だけど、妙に冷笑的なものが多い。
文学ではGeorge Orwellの“Animal Farm”や、音楽ではECHOESの“ZOO”なども、皮肉な内容になっていることを思い出した。
(ときどきカラオケで歌いますw)

ただし、この寓話集の中には明るいものもある。
たとえば・・・
「ネコの思い」では、「すてきな食事でしめくくれるなら、何があってもすべてよし、です。」
・・・と述べているところは、微笑ましく感じた。
また、最後の寓話である・・・
「海べのネズミ」では、「長くつらかった道のりも、ほんとうにしあわせだとかんじる一瞬があれば、それでむくわれます。」
・・・というのは、少しジーンときた。
特に、夕日を見つめるネズミが描かれた絵も印象的で、壁紙にしたいと思ったほど。
皮肉の多さを感じる寓話集だけど、この最後の寓話で何だか暖かい気持ちになった。
(まろまろヒット率はこの「海べのネズミ」を考慮してのもの)

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2010 5/29
絵本
まろまろヒット率4

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