岡本太郎 『沖縄文化論―忘れられた日本』 中央公論社 1996

渡邊義弘@ソーキそばは麺類の中で一番好きなものの一つです。

さて、岡本太郎 『沖縄文化論―忘れられた日本』 中央公論社 1996。

沖縄がまだアメリカ統治下だった昭和34年(1959年)当時の旅行記を中心に、芸術家である著者が紀行文と文化論を展開する一冊。

副題にあるように、日本文化の源流を沖縄文化に見出しているのが特徴で、
中でも「ひとっ風呂浴びる」や「生き返る」などの慣用句を使って「入浴文化説」と評しているミソギハラエの文化(「神と木と石」)。
病いや災害も他界から来る神として一応は讃め迎え、快く送り出す「ちゅらさか」(美ら瘡)の文化(「ちゅらさかの伝統」)などは、
日本文化の根底にあるものだと指摘しているところが印象に残った。

また、単純な紀行文としても、悲歌に注目した石垣島と、儀式(イザイホー)を取材した久高島などは興味深く、
「何もないことの目眩」という著者らしい表現も含めて心に残った。

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2015 3/12
文化論、旅行記、エッセイ、沖縄、八重山
まろまろヒット率3

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