佐藤賢一 『小説フランス革命』 集英社 全12巻 2013

渡邊義弘@『てくてく松阪』が合併前の全市町を網羅しました☆

さて、佐藤賢一 『小説フランス革命』 集英社 全12巻 2013。

18世紀後半、財政破綻寸前のフランスでは身分制議会、「三部会」の招集が決定された。
先駆けて開かれたプロヴァンス議会では、特権階級でありながらフランス革命を主導し、「革命のライオン」と呼ばれたミラボーが咆吼する・・・

三部会招集直前(1788年)からテルミドールのクーデター(1794年)までのフランス第一革命を描く長編歴史小説。
『王妃の離婚』『カエサルを撃て』などの西洋史を舞台にした小説を手がけて来た著者がライフワークと位置づけた作品だけあって、資料の裏付けも多く、読んでいて迫力がある。

中でも印象に残っているのは、第1巻「革命のライオン」でミラボーがロベスピエールに対して・・・

「よく覚えておきたまえ、男は保身だ。女でも、金でも、名誉でもない。男にとって、本当の大事は保身なのだ」
「そのままで自分の身が立つようだったら、ひとつの譲歩もしないし、ひとつの侮辱も許さない。どんな誘いも軽蔑して捨ててしまう。
だから、不安を与えてやらなければならないのだ。このままでは立てないようになるのじゃないかと」

・・・と諭しているところだ。
最終巻の第12巻「革命の終焉」では、保身による恐怖からテルミドールのクーデターが起こることと合わせて、物語の主軸のように思えた。
また、第11巻「得の政治」でギロチンに向かうダントンが・・・

「正しくいるためには、自分のためには生きられない」(中略)
「幸せな人間てえのは、よっぽどのことがなければ、起き上がりゃしないんだよ。
政治のために行動できるってことは、つまりは自分がふこうだってことなんだよ」(中略)
「義憤を語る輩ってえのは、相場が淋しい男と決まっていやがるぜ」

・・・とフランス第一革命が終了する理由を述べているのは、ロベスピエールの哀しさを思い起こさせて胸に来るものがあった。

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2013 12/25
歴史小説、歴史
まろまろヒット率4

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