佐藤賢一 『王妃の離婚』 集英社 2002

立ち退き問題更新停滞問題が立て続けに解決してきた、らぶナベ@今年のトラブル今年のうちにってやつです(^_-)

さて、『王妃の離婚』佐藤賢一著(集英社)2002。

中世フランス、まだ法学が神学の一部だった頃(カノン法)におこった国王から王妃への離婚裁判を舞台にした法廷もの。
主人公は学問の世界(カルチェ・ラタン)に挫折し、それでも知的な仕事からは足を洗えずに田舎弁護士をしている。
その主人公が圧倒的に不利な王妃側の弁護に名乗りを挙げる、過去の自分に復讐するために・・・

没落した主人公が過去を引きずりながら不利な状況を戦っていくというのは、まさに法廷もののお約束ストーリーだけど、
いきがっていた頃の気恥ずかしさ、引きずり続ける恋、上手く折り合いをつけられない思い出たちの描き方が絶妙で、
読んで自分の古傷がジクジク痛むような気持ちになったほどだ(^^;
この点がこの作品が直木賞(第121回)を受賞した理由のような気もする。

そんな過去と絡めながら進む現在はとても躍動感がある。
国際情勢の影響下で進む生々しい政治的駆け引き(カノン法なので裁判はローマ法王庁管轄)と、
鋭い論理戦を展開しながら不利な状況をつくがえしていく痛快さがとても面白い。
章立ても上手くて、息を飲むシーンが何度もあった。

エピローグの一番最後は必要ないような気もしたが、最後は男女にとっての「救い」とはいったい何なんだろう?っと考えさせてくれる一冊。

この本をamazonで見ちゃう

2005 12/12
歴史小説、法廷もの
まろまろヒット率4

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