渡邊義弘@CIO補佐官要請講座を修了しました☆
さて、『ケーキの歴史物語』ニコラ・ハンブル著、堤理華訳(原書房)2012。
ケーキの歴史と国際比較、各国の文学の中での位置づけを紹介する一冊。
原題は、“Cake: A Global History” (2010)。
特に印象的だったのは・・・
○食べ物としての実際の位置よりも象徴的意味合いのほうがまさっているものの代表選手がケーキといえる。
何はさておき、ケーキとは概念なのだ。
<序章 特別な日を飾るケーキ>
・・・と著者が述べているところ。
この本ではケーキの定義の難しさやパンやビスケットなどの菓子パンとの境界線が曖昧な点が強調されているけど、
これは食文化の特徴、さらに言えば”文化”という分野が持つ共通の特質だと感じた。
(=要素還元主義では解明できない特質)
また、著者はイギリス人の英文学者ということもあって、比較対象はアメリカやフランスの場合が多い。
バースデーケーキやウェディングケーキのような象徴化されたケーキの文化的位置づけを解説する際に、
比較文学論の手法を使っているところは面白いと感じた。
通読してみると、ややまとまりの無さを感じるけれど、ケーキの歴史の一面には触れられる一冊。
2012 9/16
食文化、歴史
まろまろヒット率2