まろまろ@ただいま大阪市の大国町近辺にいます。
さて、『失敗学のすすめ』畑村洋太郎著(講談社)2005。
失敗学の創設者による失敗学本。
読んでみると、以前読んだ『失敗学』(ナツメ社)の方がよくまとまとまっていると感じた。
この本は一番最初に出た概要書だけに、失敗に目を向けることの意義について分量を割いている。
ただ、前書にも書かれてあったことでも、「創造力で第一に必要なのは、自分で課題を設定する能力」(プロローグ)と述べている点。
「失敗情報で大切なのは、その人が何をどう考え、感じ、どんなプロセスでミスを起こしてしまったかという当事者側から見た主観的な情報(中略)、
客観的な情報は、経験者と同じ立場の人が見ても、そこから新しい何かを生み出すまではいたらない」(第3章)などの点はあらためて読んでも重要な部分だと思った。
また、失敗者の実名公開について「1:聞く人にリアリティを与える、2:本人に直接聞くことができる、3:失敗は隠すものではないという文化をつくる」(第1章)
という三点のメリットがあるとしているのが印象深い。
以下は、その他にチェックした箇所(一部要約含む)・・・
○失敗の定義=「人間が関わってひとつの行為を行ったとき、望ましくない、予期せぬ結果が生じること」
<第1章 失敗とは何か>
○小さな失敗を不用意に避けることは、将来起こりうる大きな失敗の準備をしている
<第1章 失敗とは何か>
○失敗情報で大切なのは聞き手が失敗者を決して批判しないこと
→責任追及ではなく失敗の知識化が必要
<第3章 失敗情報の伝わり方・伝え方>
○他者の失敗から学ぶには、目的意識が強く、高い科学技術の基礎能力があなければ不可能(山本善之)
<第4章 全体を理解する>
○真の科学的理解とは、ある現象の因果関係がきちんと理解できる状態をいう
<第4章 全体を理解する>
2007 9/6
失敗学、工学
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