「メーン」と「ディスる」がまわりで流行っている、まろまろです。
さて、『神話と意味』クロード・レヴィ=ストロース著、大橋保夫訳(みすず書房)1996。
(原題“Myth and Meaning”)
文化人類学者・思想家のレヴィ=ストロースによるCBC(Canadian Broadcasting Corporation;カナダ放送協会)ラジオ講話を元に書かれた一冊。
フランス語を母国語にする著者が「英語で説明するのは面倒なので、うんと単純化した」と述べているように、とても読みやすい。
訳者も「格好のいい聴かせどころを探す人はがっかりするだろう」と書いているほどで、代表作の『悲しき熱帯』とは比べものにならないほどの簡明さがある本。
文学的要素は無いけれど、その分、彼の構造主義アプローチのエッセンスがシンプルに語られているという点で入門書として最適な本だと思う。
以下はチェックした箇所(一部要約含む)・・・
☆構造主義的アプローチ=普遍なものの探求=外見上の相違の中に普遍の要素を求めるもの
<神話と科学の出会い>
○科学には二通りの方法がある=簡単にする還元主義的方法&関係に注目する構造主義的方法
<神話と科学の出会い>
☆「意味する」とは、ある種類の所与が別の言語に置きかえられる可能性
<神話と科学の出会い>
☆人類の知的業績を見わたすと、世界中どこでもその共通点は決まって何らかの秩序を導入すること
<神話と科学の出会い>
○神話的思考(野生の思考)の特徴=可能な限り最短の手段で宇宙の一般的理解に達することを目的
→一般的に加えて全的理解に達することも目的
<”未開”思考と”文明”心性>
○文字をもたない社会における神話の目的=未来が現在と過去に対してできる限り忠実であることの保証
<神話が歴史になるとき>
○神話と音楽の共通点・・・
・言語;音素○ 語○ 文○
・音楽:音素○ 語× 文○
・神話:音素× 語○ 文○
→音楽も神話も言語から発したが、別々の方向に分かれて生長している
→神話は音楽の総譜と同じく一つの連続シークェンスとして理解することは不可能
<神話と音楽>
2007 9/5
文化人類学、神話学、宗教、文化論
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