6月に東京に行った時に新宿の紀伊国屋で並んでいるのをちらっと見て以来、
気になって大阪に帰ってきてから差がし続けていたいわゆる大人の絵本。
最初この本を見たときはいかにもクレヨン描きの表紙の絵と
ひくつなタイトルにあざとさを感じて買って読もうとは思わなかったが
時間がたつにつれてどこか気になり続けたという
なかなかに自己アピールのうまい一冊。
内容は表紙を見たまんま。
「よわむし」という主役(いもむしに顔をつけたという感じの絵)が
生きていくお話、こういう本の例にもれずちょっと説教くさかったり
自己弁護の一生懸命さが時々うさんくささを醸しだしているが
それでも読んでいてまろまろした気分にさせてくれる。
例えばつらそうなみのむしの絵の側に「キミはふかれている。」
花をくわえているよわむしの側に「ボクはうかれてる。」
と書かれているページは変に脱力感を感じさせてくれる。
また、「思いやりとかやさしさとか我がままに生きるなら必要だよな。」
というページにも妙に納得してしまった。
最後らへんで・・・
「大きく見える世の中なんて、ボクみたいにちっちゃいもんが
いっぱいかさなってできているんだ。大手をふっていこう。」
・・・としているのはこの本の「らしさ」の結論か?
1999 8/12
絵本
まろまろヒット率3