エミール・ルートヴィヒ、北澤真木訳 『ナポレオン』 講談社 上下巻 2004

渡邊義弘@御堂筋線の通勤時間が貴重な読書時間になっています。

さて、エミール・ルートヴィヒ、北澤真木訳 『ナポレオン』 講談社 上下巻 2004。
ナポレオンについての古典的な伝記。
初版は、“Napoleon” (1929) 。

伝記なので、ナポレオンの手紙や命令書は現資料をそのまま使っているとのことだけど、ナポレオンの独白は著者の想像で書かれてある。
初版から100年ほど経っていることもあり、この独白が若干くどく感じてしまう。
ただ、波乱に富んだナポレオンの人生の躍動感を表現しようとしているのが伝わってくる

特に印象に残ったのは、ナポレオンが人生の最後に過ごしたセントヘレナ島での日々を追った「第5章 岩礁」だ。
この章では、心情や性格、行動の様式などについて詳細に書かれてあり、ナポレオンの人となりが一番伝わってくる章になっている。

また、ナポレオンが死の直前に息子に対して口述筆記で助言した、
「状況に強いられた余が武力により成した全てのことを、彼は人々の合意により行わんことを」
、という言葉は、ナポレオンが自分の人生を最後にどう評価していたのかが伝わってきて、胸に来るものがあった。
また、この口述筆記については、著者が「ナポレオンが息子に与えた助言は、死後100年を経った今もなお、ヨーロッパを啓蒙し得るものである」と述べているのが心に残った。

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2022 1/25
伝記、歴史、ナポレオン
まろまろヒット率3

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