山野則子 『学校プラットフォーム』 有斐閣 2018

渡邊義弘@5年ぶりに大阪に戻ってきました。

さて、山野則子 『学校プラットフォーム』 有斐閣 2018。

スクールソーシャルワーク研究者の著者が、子どもをめぐる様々な課題に対して、学校を基盤として取り組むための新たな仕組みを提案する一冊。

内容は、衝撃的で扇情的な報道がなされることが多い子どもをめぐる問題について、単に別のインパクトだけを捉えるのではなく、
しっかりとした基盤=学校プラットフォームの構築の必要性と、そのために必要なものを整理してる。

以下は、チェックした箇所(一部要約含む)…

○貧困の定義=3つの資本の欠如・欠落=
1:所得や資産など経済的資本(capital)の欠如
2:健康や教育などの人的資本(human capital)の欠如
3:つながりやネットワークなどの社会関係資本(social capital)の欠如
by Child Poverty Action Group (CPAG)
<第1章 子どもや学校をめぐる現状と課題>

○学校=教師の発想から変えていかなければ前に進まない
→教員以外の専門職や人材が教師と対等になり自己完結的に自由に動けるような学校を作らなければ、解決に至らない
<第2章 国の動きと法的な枠組み>

☆学校プラットフォームの成立要件=
1:個別事例の共有レベルではなく、参画する住民をはじめ多様な機関やアクターが全体構造を認識する必要がある
2:地域共生が育つためには主体性が育成されるネットワーク理論やプロセスの明示が必要であり、その仕掛けが必要である
3:地域丸投げではなく、政府や自治体が単なる人材投入や政策を示すだけでなく、
 これらが機能する仕組みづくりの提示と財源投資を行い、真の意味の地域共生に責任を持つこと
 (これは主導権を持つことを指しているわけではない)
4:専門職養成として、養成カリキュラムの領域横断化や地域共生の真意を問う教育を展開すること
<第5章 教育と福祉の再編成に向けて>

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2021 6/21
教育学、学校、スクールソーシャルワーク、スクリーニング
まろまろヒット率3

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