中沢明子・古市憲寿 『遠足型消費の時代 なぜ妻はコストコに行きたがるのか?』 朝日新聞出版 2011

渡邊義弘@去年8月末にCostcoが徒歩圏にオープンして以来、ウォーキング途中によく立ち寄っています。

さて、中沢明子・古市憲寿 『遠足型消費の時代 なぜ妻はコストコに行きたがるのか?』 朝日新聞出版 2011。

Costco(コストコ)やIKEA(イケア)には、何時間もかけて人が集まってくる。
なぜ時間と交通費を使ってまでスーパーや家具店に人が集まるのか。
そこには手軽なキラキラ感をもたらす「遠足型消費」があると提示する一冊。

読んでみると、「遠足型消費」について・・・

○遠足型消費=日常の延長として消費やレジャーを体験型で楽しむスタイル
→行く前の日はちょっと楽しみで、日常と少しだけ離れたキラキラした空間で、キラキラしたものを買い、キラキラした時間を過ごすこと
(キラキラ=非日常)
<はじめに>

○コストコのキラキラ・マジック→大切なのは「安心感」がありつつの、適度な「非日常感」
<第1章 「モノが売れない時代」に「女こども」が買っているモノ>

○遠足型消費=あくまでも日常とは地続きなのだけれども、ちょっとだけワクワクする感覚
<第2章 「海外旅行型消費」から「遠足型消費」の時代へ>

・・・と、その特徴をまとめている。
また・・・

○人が絶え間なく「差違」を求めてモノを買い求めるとするならば、「どこにでもあるもの」、「新しくないもの」に価値は無い
→時間的に「ここにしかない」(新しい)、空間的に「ここにしかない」(珍しい)時に、モノは輝く
<第5章 「新しさ」に惹かれる私たち>

○ささやかだけど、楽しく生きていくのに十分な幸せをもたらしてくれる「遠足型消費」
→もはや右肩上がりの経済成長を望めない社会で生き抜く知恵
<おわりに>

・・・と、この「遠足型消費」は現代社会の必然だとしている。

このことは決して新しい知見ではないけれど、「遠足型消費」という言葉でまとめたことと、CostcoIKEAを事例に使ったことで格段に分かりやすくなっている。
イメージしやすい概念と事例が大切だということも感じさせられた本でもある。

以下は、その他にチェックした箇所(一部要約含む)・・・

○(ショッピングモールがグローバル資本主義による地域破壊だという批判に対して)
ショッピングモールが一方的に、均質な消費者を世界中に作りだしたのではなく、
世界中に均質な欲望を持つ消費者が増えたから、ショッピングモールが受けている
<第2章 「海外旅行型消費」から「遠足型消費」の時代へ>

○終わりなき日常に折り合いをつけて、キラキラとした消費を楽しんでいる場所=埼玉県
→モノがない訳でもないし、ありすぎもしない&誰かを押しのけてまでトップを目指したくはないけれど、惰眠を貪る訳でもない

○「共感の共同体」は、論理ではなく感情をベースにしているので、長続きしない
<第6章 キラキラ消費の未来>

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2014 5/10
マーケティング、消費者行動、社会学
まろまろヒット率3

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