渡邊義弘@査読が通ったので第4回国際イノベーション学に関するワークショップ(The Fourth International Workshop on Regional Innovation Studies)で「てくてく」(てくてく文京、てくてく松阪)について発表することになりました☆
さて、『ワークショップ―新しい学びと創造の場』中野民夫著(岩波書店)2001。
ワークショップ(workshop)という手法について、豊富な事例と共に解説する一冊。
内容は、まず・・・
☆ワークショップの定義=講義など一方的な知識伝達のスタイルではなく、参加者が自ら参加・体験して協同で何かを学びあったり創り出したりする学びと創造のスタイル
→関心を持って参加している人々こそが、最も適切な問いを持っている教師であり、魅力的な答えを生み出せる生徒
<第1部 ワークショップとは何か>
・・・と定義して、その特徴をまとめている。
さらに、体験を重視することから自己啓発セミナーやカルト的宗教などとの類似性が問題になることについては・・・
○自己啓発セミナーやカルト的宗教などとの違い
・「我に返る」ように促すのがまともなアプローチで、「我を失う」よう強制するのがアブナイもの
・参加者を過激に追い込んだり無理やり強要してはならない
・主催者側の意図はきちんと明示することと、参加者の参加や感じ方に自由度を保障することが大切
・参加者として気をつけるべきは、「そんなにうまい話はない」という当たり前のことを肝に銘じておくこと
→たかだが数日のワークショップで理想的な自分に大変身するなどの過大な期待は禁物
<第3部 ワークショップの意義>
・・・と警鐘を鳴らしている。
また、矛盾や落ち着かなさなどの負の感情を抑圧するのではなく、向き合うことの大切さを繰り返し述べていて、
ワークショップの手法を会議やセミナーに応用することについても・・・
○グループでの議論のプロセス=情報共有→拡げる→混沌→収束する
→混沌は生みの苦しみとして必要なプロセス
<第4部 ワークショップの応用>
・・・と、混沌、矛盾、落ち着かなさというものを重視している。
ワークショップという手法の位置づけと事例、限界についても解説された良書。
2012 9/26
ワークショップ、教育、方法論
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