石原慎太郎 『太陽の季節』 新潮社 1957

特許庁な人とお話して知的所有権(商標)の権利範囲を確定してきた、まろまろです。

さて、『太陽の季節』石原慎太郎著(新潮社)1957。

闘拳(ボクシング)に打ち込む高校生の竜哉は、無軌道で自堕落的な生活をおくっていた。
ある日、同じく裕福な環境の下で遊びに呆ける英子と出会い、駆け引きを通しながら惹かれあってゆくが・・・

性表現や退廃的な描写が問題となり、太陽族という言葉も生み出した1955年初版の小説。
読んでみると、まず50年前の高校生とは思えない、カジュアルな関係とバブリー(セレブ)な生活ぶりが目に付いた。
著者の弟である石原裕次郎から聞いた話をモデルにしているらしいけど、どんな日常やねんと突っ込んでしまったw
(石原裕次郎主演で映画化もされている)

そして読み終えてみると、かなりネットリとした読後感を持った。
太陽の季節というタイトルやバブリーな生活、カラっとした夏の湘南の風景が、
逆に竜哉と英子の陰湿な心理描写を際立たせていて、読み終えた時の虚しさや後味の悪さが印象深い。

ちなみに、僕はちょうど1年前に著者と対話する機会があった。
その時に社会と関わる表現者としての姿勢に共感したことを思い出して、彼の表現物に触れてみようと手にとった一冊でもある。

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2008 4/4
小説
まろまろヒット率3

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