日本歴史占いでは豊臣秀吉だった、まろまろです。
さて、『豊臣家の人々』司馬遼太郎著(中央公論新社)1993(改版)。
豊臣秀吉の家族、縁者たちをそれぞれ一話ずつ取り上げた連作歴史小説。
確かに一代で水呑み百姓から天下人に登りつめた豊臣秀吉の変化はすさまじいもので、
その周辺の人は「このにわかな境遇の変化のなかで、愚鈍な者は愚鈍なりに利口な者は利口なりに安息がなく、
平静ではいられず、炙られる者のようにつねに狂躁し、ときには圧しつぶされた」(第八話 八条宮)。
そんな激変の中に生きた豊臣家の人々をえがいている。
読んでみるとこの本の表本というべき『新史太閤記』と比べるとぐっとトーンが落とされたものになっていて、
大躍進に精神的にも能力的にもついていけなかった人々のもの悲しさのようなものを感じた。
縁者の中で数少ない出来人、弟の秀長でさえも、その最後に、
「あの日、兄者は(略)縄・・・縄のあぶみで、参られましたな」と、
故郷中村で兄と会った日のことを述懐するシーンにはホロリとさせられた。
(第五話 大和大納言)
2007 11/1
歴史小説
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