司馬遼太郎 『新史 太閤記』 新潮社 上下巻 1973

らぶナベ@陽子の陽は太陽の陽(誰も知らないかな?(^^))

『新史 太閤記』を読んだです。
もともと僕は豊臣秀吉のことが嫌いではないんだけど、
(後半の失敗が無ければなおのこと良い)
彼自身の政治的、軍事的活動についてあんまり詳しくは知らないので
史実に基づいた信頼の置ける記述を一度読んでみたいと前から思っていたので
就職活動の合間に思わず読んだ一冊。

内容の方は秀吉の商人的感性、思考法に注目して彼の人生をえがいている。
仕事上で実績をあげること、信頼を勝ち得ること、俸禄をもらうこと
これらのすべてをあくまで投機の「もとで」とみなし、
1を10に20を40にどんどん肥大させていく姿勢はまさに商人そのもの。
(この意味で家康は土着農民と例えているがまさにその通りだと思う)
そのヴェンチャー精神が彼自身を明るく華やかな存在にし、
彼の人生はこの投機精神に満ちあふれていた。
そう記述しながらこの本は徳川家康との外交に勝利して
家康が上洛するところで終わっている。
その投機感覚によって実行し破綻した朝鮮侵略についての記述が
書かれて無かったのがかなりがっかりした。
登場人物を愛するあまり彼自身の良い側面ばかりを取り上げたがるのは
司馬遼太郎の良さでもあるがこの場合僕にとっては不十分の感はあった。
彼の投機的人生の結末を最後までえがいて欲しかった。
ちなみに豊臣政権が続いていれば日本はいまごろになって
自由化、流動化くらいでいちいち騒ぐことにはならなかったのでは
と思ったりもした。
最後のところで彼の辞世の句が書かれていた・・・
「露と置き露と消えぬるわが身かな
        浪華のことは夢のまた夢」
・・・ホントに彼らしい詩だなあと感じる(^^)

この本をamazonで見ちゃう

1998 5/3
歴史、小説
まろまろヒット率3

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です