白蜜派と黒蜜派に分かれるという鍵善のくずきりは、だんぜん黒蜜派だったらぶナベです。
さて、『逃げる「孫子」―他を凌駕する“兵法”の原点とは』守屋淳著(青春出版社)2004。
引くことや撤退すること、つまり「逃げる」ことに注目して孫子を読み解く一冊。
曹操(1章)、毛沢東(2章)、ホー・チ・ミン(と戦ったアメリカの失敗、3章)、
ポーター、ドラッガー、ビル・ゲイツ(現代経営戦略への応用、終章)など、
孫子を参考にして進退を駆使して戦った人々の戦略を解説している。
確かに孫子でもっとも重要な点は、逃げることを恥とせずに柔軟に進退をすることだ。
「立場の弱い者が強者を逆転した陰には、かならずゲリラ戦や状況に合わせた柔軟な進退の存在を見て取れる」
と著者が言っているように、ライバルや環境の変化に合わせていかに柔軟に対応するかが孫子の根幹だ。
読みながら自分のことを振り返ってみると、ここ最近は「絶対に負けられない」と意気込むあまり、
硬直した場面もあったなと反省してしまった。
「意欲」や「こだわり」は大切だけど、時として判断する目を曇らせてしまう。
気をつけたい(^^;
ちなみに、孫子は「ライバル多数の状況を想定」して書かれていると著者は述べている。
その点が「1対1の決闘を想定したクラウゼビッツとの違い」と言っているのは納得。
また、逃げることは「臆病さに陥る微妙なバランス」だが、
「後世の人間や安全な場所にいる第三者たちは強気な決断を支持したがる」というのもうなずけた。
2006 1/5
戦略論
まろまろヒット率3