多島斗志之 『海賊モア船長の遍歴』 中央公論新社 2001

らぶナベ@本年もよろしくお願いシマウマ。

さて、2006年の最初に読んだ本は、『海賊モア船長の遍歴』多島斗志之著(中央公論新社)2001。

主人公ジェームズ・モアはかつて東インド会社の航海士だったが、不可解な巡り合わせと不運で凋落していた。
そのモアが海賊討伐に出航するアドヴェンチャー・ギャレー号(キッド船長)に乗り込むことから物語がはじまる・・・

海賊ものの傑作と前から耳にしていたので、年始に読んでみた一冊。
17世紀末のインド洋を舞台に、船中での人間模様、過去をめぐる謎をえがきながら、
商船への襲撃、軍艦との海戦、海賊同士の争いなどのメインストーリーが進んでいく。

しっかりした時代考証、個性的な登場人物たちの活躍、海戦での頭脳戦など読みどころは多いけど、
特に印象に残ったのは、主人公モアとマドラス長官トマス・ピットとのやりとりだ。
トマス・ピットの書斎にあったモンテーニュの『随想録(エセー)』の中の、
「物陰で狡猾におこなわれる不正よりも、はっきりと表立ってなされる不正のほうをまだしも許容する」
という一文に「同感なり」という書き込みが添えられていたのをモアが発見するシーンは、
二人の間に芽生えた友情のようなものの背景がわかって印象深い。

上下二段式の長編だけど、展開が早い上に章立てがわかりやすいでサクサク読める一冊。

この本をamazonで見ちゃう

2006 1/4
歴史小説、海賊もの
まろまろヒット率3

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