カレーマスターのたあぼうさんに連れられて南インド料理なるものを食べてきた、
らぶナベ@確かにドーサ(ドゥーサ)は美味しいです。
さて、『曼陀羅の人―空海求法伝』陳舜臣著(毎日新聞社・上中下巻)1994年初版。
空海の約2年間の遣唐使時代をえがいた歴史小説。
いろいろな場所で評判を耳にしていたのと、
近親憎悪と向き合おうキャンペーンで手に取った一冊。
内容は唐内部での政争、安史の乱から続くミステリーなどが
物語に絡ませてあっておもしろく読めた。
特に空海は密教だけでなく、道教、景教(ネストリウス派キリスト教)、
イスラーム教、マニ教などに接触したという説をもとにして、
空海がさまざまな宗教の寺院を訪れる姿を
作者独自の解釈で描写しているのは興味深かった。
ただ、この小説では空海が密教寺院に近づくために、
自分で自分の風聞を起こしてそれを利用した事実については、
別の人物の力が働いたという風に解釈している。
この解釈で空海の自作自演な胡散臭さがかなりマイルドになったけど、
今に伝わるさまざまな伝説、伝承の種をまいた
彼独自のメディア戦略がえがかれていなかったのは少し残念だった。
ちなみにこの本を読んでいる時に、知り合いの車で0泊2日温泉巡りをした。
たまたま伊豆修善寺に立ち寄ると、その周辺には空海伝説がたくさん残っていた。
またまた縁あさからぬものを感じた読書でもあった。
2005 3/24
小説&文学、歴史、宗教
まろまろヒット率3