週末に大阪に帰ったら親がまろまろHPの存在を嗅ぎつけそうになっていて焦った、
らぶナベ@「親バレ」を避けるために隠蔽工作に必死です(>_< )
さて、『神仏習合』義江彰夫著(岩波書店)1996初版。
律令時代から始まった神仏習合の過程と、
その原動力となった社会構造の変化を紹介する一冊。
読んでみると、政治的、社会的な構造変化のもとで
仏教と神祗信仰が複雑に絡まっていく過程は、
ダイナミックな歴史読物として楽しめた。
さらにこの本はタイトル通り宗教を取り扱った歴史書だけど、
著者が「信仰は文化の特質が集約的に表現されている」と語っているように
日本文化形成論としても読むことができる。
加えて、普遍宗教(仏教)と基層信仰(神祗信仰)の重なり合わせは、
グローバリゼーションとローカリゼーションとの重なりという視点でも読むことができた。
読んでいて面白い上に、いろんな読み方ができるかなりの良書だと思う。
ちなみに僕は前々から空海に対して近親憎悪のようなものを感じていたけれど
(『空海の風景』を読んでからそれは決定的になった)、
この本の中でも神仏習合過程で立ち回った
空海の姿を発見してちょっと複雑な気分になってしまった。
以下は、チェックした箇所(一部要約)・・・
○神仏習合=神祗信仰と仏教が複雑なかたちで結合し、独自な信仰の複合体を築いたもの
→普遍宗教と基層信仰の結合の一形態
<序 巫女の託宣>
☆宗教には文化全般の特質が集約的に表現されているはずであり、
社会構造との有機的関係をもっともダイナミックに把握できる通路
<序 巫女の託宣>
○律令国家は、祭祀のなかに支配の論理をすべりこませることを
国家的規模で実現することで、はじめて存立しえた
<第2章 雑密から大乗密教へ>
○十世紀末に完成する日本型浄土信仰=論理化された神祗信仰の核をなす
ケガレ忌避観念と浄土三部経との実質的な結合と複合体
<第4章 ケガレ忌避観念と浄土信仰>
☆キリスト教と仏教との決定的な違い
=最初から呪術と奇跡を認め、人間しか救済されないとする点
<結 普遍宗教と基層信仰の関係をめぐって>
○仏教はキリスト教の三位一体論にあたるものを作り出すことなしに、
可能なところから呪術と奇跡の背後にある普遍宗教の教理を打ち出し、
その理解をすみやかに獲得していった
<結 普遍宗教と基層信仰の関係をめぐって>
2005 3/9
歴史、宗教、文化論
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