キース・エヴァンス、高野隆訳 『弁護のゴールデンルール』 現代人文社 2000

親が中島みゆきの「地上の星」を買ってきていたのを発見した、
らぶナベ@彼女も秘かにプロジェクトXにはまっていたんだね(^^;
ちなみに歌詞にある「地上の星」の英訳は”UNSUNG HEROES”でした、納得。

さて、『弁護のゴールデンルール』キース=エヴァンス著・高野隆訳(現代人文社)2000年初版。
英法廷弁護士&米カリフォルニア州弁護士として弁護技術の指導を行っている
著者による弁護術指南書(日本語訳者も日本の弁護士)。
僕は時々無性にB級なものに惹かれることがあるんだけれど、
本屋の端っこの方に追いやられていた痛い存在感に惹かれて
思わず購入して読んでみた一冊。でも読んでみると意外とまともだった。
弁護というよりも広い意味での交渉技術書と言った方が良いかもしれない、
人の生死がかかった交渉の場面での技術論なので広く応用も可能だろう。

“INTRODUCTIONS”
☆良い弁護術とはほとんど常識に関する問題
(多くの場合この常識を法廷に行く時に捨ててしまう)

“THE DIMENSIONS”
○伝えることを意図していない視覚的情報は決して伝えるな
(驚いているように、悩んでいるように、必死であるように、
人を操っているように見られてはいけない)
→相手が貴方のことを知らない利点を捨ててはいけない

○あくまで真実にこだわれ
(いかなる場合でも完全に誠実に弁護をする方法はある)

○繰り返すな(両手にしっかりと勇気を握り締めて)

“THE MANDATORY RULES”
○弁護士が法廷で自分の意見を述べることは許されない
(弁護士は一方の当事者を援助するために存在するのである)

○最終弁論では証拠に基づく事柄しか述べることができない
(指摘したいものは証拠調べの中で触れておかなくてはいけない)

“ADVOCACY AS THEATRE”
☆法廷を目指すことはプロの舞台を目指すことと同じ
→弁護士の仕事は法廷をアマチュアの学芸会ではなく
プロの演劇作品にすることである
→舞台俳優に憧れる気持ちがないならば法廷弁護士は辞めるべき
(勇気と想像力が要求され泣き出したくなる?????%その時に立ち上がり
前進する力が求められる、それによって自分の心が打ち砕かれないように)

☆全力をつくせ、手抜きするな
(全身全霊を捧げられないならば転職せよ)

☆事前準備こそが最良の投資
(これこそが法廷弁護にとって最も重要なこと)

○事実認定者を楽しませよ
(彼らに物語を伝えよ、始まりと中間そして結末を考えよ、流れを持続せよ)

☆削れるところはすべて削れ

○事実認定者をこれからの展開に備えさせよ
(正しく地ならしをしておけば法廷で何でもすることができる)

☆自分の声の音量を知れ、話すスピードと音質を変化させよ、
タイミングと中断の力を知れ、音量を上げる時は細心の注意をせよ
(自分自身を検査することに臆病になってはいけない、
他の人々は法廷で貴方を一日中検査するのだから)

“THE PSYCHOLOGY OF ADVOCACY”
☆法廷援護の素材は壊れやすい

○好人物であれ

☆共感を与えよ、事実認定者と同化せよ
(自分が判事席に座っていることを想像すれば共感できる)

☆要求する代わりに招待せよ、教える代わりに提案せよ

○事件の弱点を最初に語る人物は自分自身でなくてはならない

☆まず自己の最終弁論を書け
(そこで気づいた足りない部分を埋めることが準備)
→相手方の最終弁論を書き自分の最終弁論を仕上げよ

“THE EXAMINATION OF WITNESSES”
○予め自分のほしい答えを考えてその答えだけを得られる質問を組立よ
(多くの弁護士が証人尋問を恐れるのはこの青写真が無いため)

○事実そのものを扱っているのではなく証人が事実であると
信じているものを扱っていることを忘れてはいけない
(決して証人に助けを求めるな)

○”Yes or No”で答えを要求する際には注意せよ
(取調べの雰囲気を取り除くため慎重に)

“EXAMINATION IN CHIEF”
☆How?→What?との間を行き来する習慣を身につければ
尋問はその往復のリズムに乗ってきてより明確でわかりやすいものになる

○基礎づくりをしてからか事実を引き出せ

“CROSS-EXAMINATION”
☆欲しいものが手に入ったら止めよ
(反対尋問に成功することは快感だが決して夢中になるな)

○衝撃をやり過ごせ(狼狽を隠せ)

○公判は情報を発見する場ではなく
反対尋問は獲得できそうなものを探し回る時ではない、
事実認定者に予め計画した証拠を提供する時である

☆ゲームのこの段階において我々は事実を探求しているのではない、
我々は事実認定者に対するプレゼンテーションを行っているのだ

○決して証人と論争してはならない

“FINAL SPEECH”
☆感情は事実に続く、その逆ではない
(問題なのは事実認定者の感情であって貴方の感情ではない)
→最後の最後にのみ感情を発露する機会を与えることができる

○人生において自分が最もエネルギッシュだった時のことを振り返り、
その時の自分を目盛りの最上端におき、自分が最も怠惰で
打ちひしがれた時を思い起こしてこれを目盛り最下端におけ
→考えるまでもなく現在の自分がどの状況にあるかを正確に知ることができる

○かつて無かったほどの相互に結び合ったいまの世界くらい
聡明で巧みな法廷弁護士が弁論し説明し説得する
必要性と機会が求められる時代は無かった

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2000 11/24
法学一般
まろまろヒット率3

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