伊藤眞 『民事訴訟法』 有斐閣 2000(補訂)

サッカーオリンピック日本代表の要を担う中村俊輔は
何か確固たるポリシーのもとであの髪型をしているのか気になっている
らぶナベ@ずっと前からあのままだから・・・

さて、『民事訴訟法』[補訂版]伊藤眞著(有斐閣)2000年補訂第1版。
民事訴訟法研究の第一人者による体系書。
著者は同姓同名さらに同大学出身の予備校経営者とはまったくの別人。
民訴はこの著者の本と上田徹一郎の本とどちらにしようか
最後の最後まで悩んだが少し難解でも後々のためになるような気がする
こっちの本を購入・・・読み始めてちょっとだけ後悔(^^;
何しろバリバリの理論書なので他の本と比べても極端に事例紹介などの
具体例が少なく(刑訴の方が判例の紹介が多かった)
抽象的な表現を具体化するのに苦労した。
さらに入門者を想定していない高度な理論書らしく
ポイントや説明が一つの箇所にまとまっていないので
事前に民訴の入門書を3冊読んでいてもかなり要点をつかみむのに苦労した。
(この本を解説していたある人は「頭の良い人の文章とは大抵こういうもの」
ということを言っていたようだが確かに納得)
そして1冊単位で見れば僕が法律関係で読んだ本の中で
最も分量があったのでとにかく読むこと自体がかなり大変だった。
途中でこういう本は一通り流れをつかんで必要なら戻ってこようと開き直り、
読み進んだがチェック項目をまとめるのにもちょっと苦労した。
とにもかくこれで民訴、刑訴の両手続法は読み終えたことになる(^_^)

以下、チェック&要約・・・
<第1章 民事訴訟法への招待>
☆自力救済が許される範囲が極めて限られる理由はそこには
単に一方当事者の権利主張があるにすぎず何ら客観的根拠がないため
→ただし最近は事態の緊急性や手段の相当性などを考慮して
より拾い範囲で適法性を認めてゆく傾向にある(最判昭40.12.7)

☆解決内容の正当性を保障するための方策=中立的解決機関、正当な解決基準

○調停(民事調停・家事調停)における解決内容の正当性は
両当事者の自由意思に基づく合意→調停では解決基準に法を適用することは
要求されておらず条理に反しない限り法と異なった内容でも許される
→そのため効力には執行力は含まれるが既判力は含まれないとされる(民調16)

○調停と違って第三者である仲裁人の裁判に従う仲裁には
当事者が仲裁人の仲裁裁判に従う拘束力がある
→仲裁においてはあらかじめ仲裁契約の形で仲裁判断の拘束力について
当事者間の合意がなされているから(公催仲裁786)

○民事訴訟法は中立的紛争解決機関として裁判所が手続を主宰する、
紛争解決基準として実体法が適用される、
相手方である被告は応訴の意思に関わらず手続
=訴訟法関係に組み込まれるという点で調停・仲裁とは異なる

○非訟事件は権利義務の確定を目的としないので
要件事実認否の確定は必要ない
=そのため審理手続きを口頭弁論によって行う必要がないし
相対立する2当事者の存在も必要ない

☆非訟手続が憲法82条に反するかどうか→権利義務関係の存否そのものを
確定するためには訴訟手続によらなければならないが
権利義務が存在することを前提としてその具体的内容を形成することは
非訟手続でも許されるとされる(最大決昭35.7.6)

○付随手続=強制執行手続、民事保全手続、倒産処理手続
特別手続=督促手続、手形・小切手訴訟、少額訴訟、人事訴訟、行政訴訟

☆訴訟法は訴訟という大量現象を公平に規律しなければならない役割を担って
いるのでその解釈も当事者の個別的事情のみにとらわれることはできないが
一方で権利義務をめぐる当事者間の紛争に解決を与える役割もあり
公益性の名の下に当事者の利益が無視されてはならない
→具体的問題に関する法解釈にあたってはこの二つの要請=
「公益性」vs「紛争解決性」をどのように調和させるかが重要な判断要素

☆当事者間の紛争が訴訟の形をとって裁判所に持ち込まれた場合に
最初になすべきことは当事者間において何が真の争いかを発見すること
が重要=「争点整理」→争点が圧縮されれば当事者の合意が成立しやすくなる

○「効力規定」=その規定に違反する訴訟行為の効力が否定されるもの
(任意規定と強行規定それぞれある)
「訓示規定」=その違反が訴訟行為の効力に影響をもたない規定

☆判決に?おいてある法的結論が示されていてもそれが当該事件の解決に
とってのみ意味を持つものか、一般通用性を持つものかを考える必要がある
=「判例の射程」問題

<第2章 受訴裁判所>
○外国国家は民事裁判権に服しない=「主権免除」
→ただし国家の私法的行為については主権免除を認めない制限免除主義が通説

○国際裁判管轄とは民事裁判の対物的制約を具体化したものとされる

○事物管轄は原則として当事者の意思で変更ができない専属管轄ではないので
当事者間の合意(11条)や被告の応訴(12条)によって変更されることがある

○管轄に関しては「原告は被告の法廷に従う」のがローマ法以来の原則だが
現行法では大きな機能を果たしてはいない

○財産上の訴えは義務履行地に(5条1項)、不法行為の訴えは不法行為地に
(5条9項)裁判籍が認められる
→加害者とされる側が原告となる損害賠償債務不存在確認訴訟でも
不法行為地の裁判籍が適用される(東京地判昭40.5.27)

○原告が管轄違いの裁判所に訴えても被告がこれに対して異議を唱えずに
応訴すれば当該裁判所に管轄権を認めてもよい(12条)

<第3章 当事者>
○自然人は死亡で法人は解散によってその当事者能力は消滅するが
解散法人も清算の目的範囲内では存続するものとみなされるから(民73条)
清算の結了までは当事者能力が残存する
(法人の機関には当事者能力は認められない)

○地方公共団体には当事者能力が認められる(自治21条)が
行政庁には民事訴訟での当事者能力は認められない
(ただし行政訴訟では当事者能力が認められる)

○「法人格なき社団」の要件=対内的独立性、財産的独立性、
対外的独立性、内部組織性(最判昭39.10.15)
→実体法上は民法の組合であっても訴訟法上は法人格なき社団として
当事者能力が認められる(大判昭10.5.28)

○当事者能力が認められる者は訴訟上の請求の主体or
その相手方になりうるが訴訟行為の結果によって
重大な利益・不利益を受けるので法はさらに「訴訟能力」を
一定の者に限って認めている→そのため当事者もしくは
補助参加人としての地位を持たない者は訴訟能力が要求されない(民102)

○未成年者と成年被後見人は訴訟無能力者なので
法定代理人によってのみ訴訟行為をすることが許される(31条)
被保佐人と被補助人は彼らの同意もしくは
これに代わる家庭裁判所の許可が必要(民12、16条)

○人事法律関係では本人の意思が尊重されることを考慮して
訴訟行為について能力制限を受けた者であっても
法定代理人や保佐人等の同意を得なくても訴訟行為が認められる(人訴3条)

○本人たる当事者のために訴訟代理人が複数存在する場合であっても
それぞれの代理人が単独で当事者を代理する権限を有するので
相手方や裁判所の訴訟行為も一人に対してなせば足りる
=「個別代理の原則」(56条)

<第4章 訴え>
☆訴え=裁判所に対する審判の要求=「訴訟行為」
審判の対象=被告に対する請求=「訴訟物」
→二つは相手方が異なる

○訴えの類型の中で「確認訴訟」がもっとも基本的な類型
(どの訴訟も確認判決的性質を内包しているため)

○「形式的形成の訴え」は権利関係の確定を目的としないので
その実質は非訟事件(最決昭43.2.22)
→法律関係の重要性などの政策的理由から訴訟手続になっている
→処分権主義&弁論主義は妥当しない=境界確定の訴えなど(大連判大12.6.2)

☆「訴訟要件」=訴訟行為の有効性、当事者の実存&当事者能力、
訴訟能力&訴訟代理権、裁判権&管轄権、訴訟費用の担保提供、
訴えの利益&当事者適格、不起訴の合意&仲裁契約の不存在、
二重起訴の不存在

☆訴えの利益=「権利保護の資格」&「権利保護の利益」

☆権利保護の資格=「法律上の争訟」
→判例が定める法律上の争訟=訴訟物が当事者間の具体的権利義務
または法律関係とみなされること(最大判昭27.10.8)、
訴訟物についての攻撃防御方法が法令の適用に適するもの(最判昭56.4.7)

○近年多発している宗教団体の内部紛争に関して
住職の地位確認を求める訴えはそれが宗教上の地位であり
具体的権利義務または法律関係にあたらないから権利保護の資格を欠くが
住職の地位を前提とする宗教法人の代表役員の地位の確認の訴えは
訴訟物が法律上の地位となるから認められるとされる(最判昭55.1.11)

☆権利保護の利益=訴えの提起の必要性&許容性

○将来の給付訴えの利益が認められる要件=
履行期が到来してもその履行が合理的に期待できない事情の存在、
もしくは給付の?性質から履行期の到来期において即時の給付がなされないと
債務の本旨に反する結果となるか原告が著しい損害を蒙る場合

○確認訴訟の対象となりうる訴訟物も権利関係に限られるのが原則だが
過去の事実関係であってもその確認が現在の法律関係をめぐる
紛争の抜本的解決に適切かつ不可欠である場合には確認の対象となる
→国籍訴訟など(最大判昭32.7.20)

○請求の内容が一般的に裁判所による審判に適するものかどうかが
権利保護の資格、
当事者と訴訟物との関係について裁判所が本案判決をなすべきかどうか
当事者適格

○訴訟物たる権利関係の主体に認められる当事者適格の例外が訴訟担当
→担当者自身が当事者となる点で訴訟代理とは違う
(職務上の当事者、選定当事者など)

☆給付訴訟の訴訟物に関して訴訟物論争がある=同一の社会生活関係から
占有権に基づく返還請求権と所有権に基づく返還請求権の二つが発生する場合
実体法上の請求権の個数に着目して二つの訴訟物が
成立するとするのが旧訴訟物理論(通説・判例)
→紛争の一回的解決という点からは新訴訟物理論が優れているように見えるが
裁判所の釈明権行使、信義則による遮断効の拡張、
二重起訴の範囲の拡張などを使用すれば旧訴訟物理論でも不利益はなく
民202条1項に新訴訟物理論は接触する

○処分権主義は私的自治をその根幹としているので私的自治が制限される
権利関係(人事訴訟、会社関係訴訟)では処分権主義も制限されることがある
また私人間の権利関係が訴訟物とならない形式的形成訴訟でも制限されうる

☆一部請求で後遺症の損害賠償が問題となることがあるが債権全額を前訴で
明らかにすることは不可能であるので一部請求の考えにはなじまない
→後遺症に基づく損害賠償請求権は同一不法行為に基づくものではあるが
別個の被侵害利益によるものとして実体法上別の権利であるから
むしろ前訴の訴訟物とは別の訴訟物となり何ら前訴判決による訴訟法上の
制限&結果を受けるべきではないと考えるべき(最判昭43.4.11)

<第5章 訴訟の審理>
☆訴訟指揮権=審理の進行に関する行為、審理の整序に関する行為、
期日における当事者の訴訟行為の整理に関する行為、
訴訟関係を明瞭にするための措置

☆口頭弁論の進行=訴訟物たる権利関係の存否の判断に
必要な事実を裁判所の判断資料とするための手続=「事実主張」
→これらの事実のうち裁判所の判断の対象となるべき事実を確定する手続
=「争点整理」・・・この二つを合わせて「弁論」
→争いとなる事実についての証拠申出&それについての証拠調べ
・・・現行法は「適時提出主義」&「証拠結合主義」の下に
三つの手続を段階的に区別せず一体のものとして進めることを原則としている

○準備的口頭弁論(164条)と違って弁論準備手続(168、169条)は
傍聴の可能性は認められているものの公開を要しない期日で行われる
→争点整理は弁論準備手続が原則だが社会的関心が高く
争点整理自体について広く一般の傍聴を認めることが合理的な事件の場合には
準備的口頭弁論による争点整理が適するとされる

☆適時提出主義が原則だが「時機に遅れた攻撃防御方法」は却下される
→その要件=時機に遅れて提出されたものであること、
それが当事者の故意または過失にもとづくものであること、
それについての審理によって訴訟の完結が遅延すること(157条)
→攻撃防御方法には事実主張、証拠申出だけでなく否認や自白の撤回など
それにもとづいて審理の必要を生じさせる当事者の訴訟行為も含む

☆「弁論主義」=訴訟物たる権利関係の基礎をなす事実の確定に必要な
裁判資料を当事者の権能と責任に委ねる原則(159条、179条)
第1:主要事実(権利関係を直接に基礎づける事実)については
当事者による主張がなされない限り裁判所はこれを判決の基礎にはできない
第2:主要事実について当事者の自白の拘束力が認められる
第3:事実認定の基礎となる証拠は当事者が申し出たものに限る
(職権証拠調べの禁止)
→ただし一定の事項については弁論主義と対立する概念である
「職権探知主義」&「職権調査主義」が適用される

○事実&証拠に関わるものが「弁論主義」、
審判の対象の定立&処分に関わるものが「処分権主義」

☆裁判所は訴訟関係を明瞭にするために事実上&法律上の事項に関して
当事者に問いを発しまたは立証を促すことができる=「釈明権」(149条1項)
→当事者は裁判所に対して釈明権の行使を求めることができる=
「求問権」(149条3項)上に裁判所が合理的な範囲で釈明権の行使を
怠った場合には釈明義務違反として上告理由が認められる

○別の事実が独立に法律効果の変動につながるかどうかが
「抗弁」と「否認」との違い

☆複数の主張の順序に当事者が条件を付ける場合には
それが訴訟手続の安定を害する不合理なものでない限り
いずれも訴訟資料として扱われる=「仮定的主張」、「仮定的抗弁」
(原告がその所有権の取得原因として売買契約の存在を主張して
これが認められないときには取得時効の完成を主張するのが仮定的主張、
賃金返還請求訴訟で被告が第1に金銭受領事実を否認し
予備的に弁済を主張するのが仮定的抗弁)

○私法行為には信義則(民1条2項)、権利濫用禁止原則(民1条3項)が適用される
→当事者の訴訟行為についても信義誠実訴訟追行義務を課したのが2条
(最判昭34.3.26、最判昭41.7.14など)=訴訟上の禁反言、訴訟上の権能の失効

○取調べの対象となる有形物が「証拠方法」、
取調べの結果として得られるのが「判断資料」、
証拠資料の中で裁判官の心証形成の原因となるものが「証拠原因」

☆因果関係の証明について判例の判断=「特定の事実が特定の結果発生を
招来した関係を是認しうる高度の蓋然性を証明することであり、
その判定は通常人が疑いを差し挟まない程度に真実性の確信を
持ちうるものであることを必要としかつそれで足りる」(最判昭50.10.24)

○自白の撤回が認められる場合=第1に相手方の同意がある場合、
第2に自白が相手方または第三者による刑事上罰すべき行為によって
おこなわれた場合、第3に上記のいずれの要件に合致しない場合であっても
自白が錯誤に基づいてなされた場合→錯誤を主張するためにはその前提として
自白事実が真実に反することの証明が要求される
(自白当事者は本来自己が証明責任を負担していなかった事実について
錯誤の内容として証明責任を負担せざるを得ない)
さらに過失の有無は問題とならない(最判昭41.12.6)

☆肯認的争点決定主義に基づく「擬制自白」(159条)の対象となるのは
自白の対象と同じく弁論主義に服する主要事実に限定される
→ただし権利自白についても自白と同じく
その中に含まれる事実に関する擬制自白が成立しうる

☆民訴は刑訴と違って伝聞証言と違法収集証拠に対しての制限が緩やか
=反社会的手段を用いて採集された証拠については証拠能力が
否定されることを前提としながらその程度に至らないとして
無断録音テープの証拠能力を肯定した判例がある(東京高判52.7.15)

☆損害賠償請求の証明責任は損害賠償請求権を主張する当事者が負うが
証明度の特例として確信に達していない時であっても
相当な損害額を裁判所が認定できる(248条)=「証明度軽減法理」
→自由心証主義の例外(特許法105条の3など)

○保全事由(証拠保全の要件)=第1に証拠方法の客観的性質から
将来における証拠調べが困難となる事情、
第2に証拠方法の支配者の行為という主観的事情によって
得られるべき証拠資料の取得が不可能になる場合(234条)
→どの程度の具体性が要求されるかについて医師のカルテなどで議論がある

<第6章 訴訟の終了>
○訴えの取下げによって訴えの提起に基づく訴訟関係や訴訟行為は
遡及的に消滅する(262条1項)

○本案の終局判決言渡し後に訴えを取り下げた者は
同一の訴えであれば再訴が禁止される(262条2項)
→ただし訴えの取下げ時と比較して後訴の提起時に訴えの提起を必要とする
合理的事情が存在すれば同一の訴えとはみなされない(最判昭52.7.19)

☆訴訟上の和解のメリット=原告か被告かの一刀両断的判断ではなく
「条理・実情にかなった解決」が与えられる
→条理・実情にかなった解決とは事実関係について証明責任による判断を
避けるという意味でも、法的基準を条理によって
修正するという意味でも用いられる

☆数個の請求について一個の判決がなされ一部の請求についてのみ
不服申立てがなされた時でも確定遮断効は判決全体について生じる
=「上訴不可分の原則」(大判昭6.3.31)

○定期金賠償を命じた確定判決について後遺症の程度など口頭弁論終結時に
損害額の算定の基礎となった事情に著しい変更が生じたことを理由として
当事者が確定判決の変更を求める訴えを提起することができる(117条)

○既判力の目的は紛争解決基準の安定、当事者に対する手続保障(114条)
→既判力の時的限界または基準時は事実審の口頭弁論終結時

○取消の主張は既判力によって遮断される(最判昭36.12.12)、
解除権も基準時前にいつでも解除権行使が期待できた以上
解除の効果を主張することは既判力によって遮断される

○確定判決?中の判断のうち主文に包含されるもののみが既判力を有するのが
原則(114条1項)→特定された訴訟物は実体法上の権利関係であるから
実体法上の属性=法的性質も既判力によって確定される
→これに対して判決理由中の判断そのものには
114条2項が規定する相殺の抗弁の場合を除いて既判力が認められない

○「仮執行宣言」の要件=請求が財産上のものであり
その必要性が認められる場合(259条)

○仮執行宣言はその宣言を変更する判決または本案判決自体が
変更されることによってその限度で効力を失う(260条)
→仮執行宣言の効力が消滅すれば仮執行宣言によって
被告が給付したものの返還やそれによって被告が受けた損害の賠償を
裁判所が原告に命じなければならない
(損害賠償責任については判例&通説は無過失責任説を採用)

○155条2項によって弁護士の付添いが命じられた場合の他は
弁護士費用は当事者費用には含まれない(民訴費2条)
→その根拠は弁護士強制主義が採用されていないためだが議論が続いている

○訴訟費用に関する担保提供の方法や手続は他の法令によって
訴えの提起について立てるべき担保に準用される(81条)
→株主総会決議取消の訴え(商249条)、株主代表訴訟(商267条)など

○経済的余裕の無い当事者には裁判費用などの支払いを猶予し
その者が勝訴した時には訴訟費用の負担を命じられた敗訴当事者から
国が費用を取り立てる制度=「訴訟救助」は法人も対象となる

<第8章 多数当事者訴訟>
○現在の判例&学説は特別な補助参加人の地位について
「共同訴訟的補助参加」という特例を承認している
→共同訴訟的補助参加人の地位=当事者の訴訟行為と接触しても
補助参加人の訴訟行為が主たる当事者に
有利なものであるときはその効力が認められ、
補助参加人の上訴期間が主たる当事者とは独立に計算される
EX.破産管財人を当事者とする訴訟に参加する破産者、
債権者代位訴訟に参加する債務者など(この地位の特例以外の補助参加の利益、
補助参加の手続、裁判の効力などはすべて通常の補助参加の場合と共通)

○当事者が補助参加の利益を持つ者に訴訟係属の事実を通知する
「訴訟告知」は被告知者が告知側に補助参加しなかった場合に
被告知者は参加できた時に参加しなかったものとみなされ
参加的効力によって拘束される機能がある(53条)

<第9章 上訴>
○上訴制度の歴史は手続保障の視点から上訴の機会を保障するものと
正義の迅速な実現の視点から上訴を制限するものとの衝突によって動かされた
→手形・小切手訴訟や少額訴訟では不服申立てが異議に限られ
控訴が認められていないこと(356条)、最高裁が上告審となるときは
法令違反が絶対的上告理由とはならないこと(312条)などは
この二つの対立を考慮したもの

○仮執行に基づく執行力は上訴による確定遮断効の影響は受けないが
抗告に関しては即時抗告についてのみ執行停止の効力が認められる(334条)

○控訴審=事実認定の不当or法令適用の違背→「事実審」
上告審=法令適用の違背に限られる→「法律審」

○控訴による不服は訴えについての第一審判決の判断を対象とするものだから
第一審判決の理由が不当であってもその結論において正当である時には
控訴棄却の判決がなされる(302条1項)

☆最高裁への上告理由は憲法違反or絶対的上告理由に限られるが
その他に上告受理申立理由も定められている(318条1項)
→日本は英米と違って判例の一般的拘束力は認められていないので
下級審が上級審の判例に示された法例解釈と異なった判断を
示すこともありうるので下級審判決に対して判例の解釈を
維持すべきか変更すべきかを判断する必要があるため
(判例違反が法令解釈に関する重要な事項を含むのはそのため)
→判例違反がない場合でも最高裁として判断を示す必要があれば
上告受理申立理由が認められる

<第10章 再審>
○民訴でも確定終局判決に対して10の事由を定めて再審

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法学、民事訴訟法
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