松浦茂 『清の太祖ヌルハチ』 白帝社 1995

らぶナベ@『彼氏彼女の事情』の最終回らしくない最終回に
またまたGAINAXへブチキレ中っす(わかってたんだけどね(^^;)。

さて、本題・・・
『清の太祖ヌルハチ』松浦茂著(白帝社)1995年初版を読み終わりました。
以前、交流会のOB会に参加した時に京ちゃんに教えてもらった
紀伊国屋新宿店で見つけて松村劭著の『戦争学』と共に
思わず衝動買いした本(また偏った購入やな(^^;)。
中国最後の王朝「清」のおおもと(後金)を創った男として
名前は必ず世界史に出てくるが、いまいちどういう人物なのか
よくわからなかったので「読んでみたい!」無性に思わしてくれた本。

父親と兄が同時に死亡するという振ってわいた跡継ぎからスタートして
数十人に満たない一族郎党と共に女真部をまとめ上げ、
次にマンジュ(満州)族の各部を統一、
最後は中国の明朝と朝鮮の李朝に対してイニシアティヴを
取れるまでになった一人の人間の一人生。
そう考えただけでどんな波瀾万丈の生き方なんだろうと思って
わくわくして読み始めたがどうもいまいちな本だった。
本の分量は結構分厚いがその三分の一をヌルハチ以前の
中国東北部の情勢や周辺民族の動きに割いている。
ヌルハチが飛躍した土壌がそこにあったんだと言いたいようだが、
流れ的につながりが薄く見えて説得力に欠ける。
あまり重要で無いような既述は多いが
(ヌルハチとは直接関係が薄い周辺民族の反乱)、
これは詳しく知りたいと思うような箇所は既述
(マンジュ族を統一する経緯など)はとても簡単で
読みながら怠さを感じつづけた。これは資料が少なかったからしか?
また、ヌルハチ自体の既述にしてもできるだけ客観的に書こうとする意図が
どうも空回りしているように感じた。
全体的に扁平で一本のしっかりした筋が見えてこなかった、
これは一人の人物の伝記としては痛い。
二流の歴史学者が書く人物伝なんてこんなものかなと思った、
あまり面白みがあるとは言えない一冊。

この本をamazonで見ちゃう

1999 3/24
歴史
まろまろヒット率2

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です